VoicyのPR担当が明かす「代表・緒方のClubhouse活動」の実際のところ 【声の履歴書 Vol.49】
はじめまして。VoicyでPRとブランディングを担当しています、堤強一と申します。
このnoteは代表の緒方がVoicyの歩みについて書くシリーズですが、第49回目は前回・前々回で話したClubhouse施策の裏側について、PR担当の目線から振り返ってみたいと思います。
スタートアップ企業が効果的なPRを展開していくにあたっては、「いかに代表を使うか」が大事になってきます。Clubhouseでの緒方の動きも実は社内で綿密に練られたものでした。
実際に代表とどう連携を取って、PR担当はどう動いていたのか、具体的なところを書いていきます。
緒方目線の記事はこちら。ぜひ比較して読んでみてください。
めちゃくちゃ忙しかったこの2ヶ月
Clubhouseが話題になり始めたのが1月末ですかね。そこから約2か月くらいは、PR担当としてはめちゃくちゃ忙しかったです。
1月25日くらいだったと思います。「ここのタイミングで乗っておかなきゃ」と緒方と話して、その日にはClubhouse内でイベントをやろう、番組を作ってみよう、と一気に企画を出しました。
そして全部その週には実行しました。このへんのスピード感はVoicyならではですね。最初の1週間でとにかく実績・事例を作り、それをプレスリリースとして打ち出し、会社と緒方の露出を増やすのが基本的な戦略です。
チームで走りながら、いろんな経験をして、それを緒方がClubhouseで話す。メディアの方の目に留まって取材依頼がきて、どんどんニュースになっていきました。そうするとClubhouseでもさらに注目される。循環ができていたように感じます。
去年の11月から心の準備はしていた
ただ、もちろん何もないところから動き出すのは難しいと思います。僕らはもともと去年の11月くらいから「PRに力を入れていこう」という話はしていました。「2021年は音声元年にするぞ」みたいな意気込みで、いろいろ仕込んでいこうと緒方と握っていたんです。
そういうことを気持ち的に準備していたことで、1月にClubhouseが来た瞬間に、「ここにすべてを出し切ろう、乗ってみよう」とすぐに動き始めることができました。
だから外から見ると、緒方が毎日Clubhouseに入り浸って、やりたい放題使っているように見えたと思いますが、そこは社内でもきっちり連携して動いていました。
話す内容はSlackで指示出し、社内広報も大事
緒方がClubhouseで話すときは常にSlackチャンネルでリアルタイムにやり取りをしていて、裏で社内のメンバーがカンペを出してサポートしていました。
たとえば「こういう話を入れ込みましょう」とか、「2時間後に別のClubhouseルームでこういうことがあるので、この話を入れてください」とか、逐一Slackでやり取りをしていました。
あとはけっこう大事なのが、「代表・緒方が話していることが、ちゃんとVoicyのためになっている」ことを、社内に伝えるという「社内広報」です。社内メンバーが納得していないと、「ただ遊んでるよね」みたいに思われてしまいます。
社内限定で発信している「声の社内報」でも緒方が直接、自分の動きについて説明していましたし、週次の全社ミーティングでも毎回15分くらい時間を取って、取り組んだ施策とその効果について話をしていました。
最初は社内でも「Clubhouseってのはなんなんだ?」みたいな雰囲気でしたが、2月に入ったタイミングでは、社内メンバー全員が納得できていたんじゃないかと思います。
とはいえ、最初のほうはドタバタでした。
「明日、Clubhouseでオーディションやるぞ」
1月末、VoicyでClubhouseオリジナル番組を作ったり、みんなが参加しやすいということで、土曜日の深夜にClubhouseでパーソナリティのオーディションをやったり、あれはもう大変でしたね。
緒方から突然、「明日、土曜日夜にVoicyのオーディションをやるぞ」みたいなオーダーが降ってきて、全部段取りをしてもらえる?と。しかもすぐにリリースも打ちたいと。
これはやばいと思って、自分とあと2〜3人だけで「ここ一緒にやりきりましょう」と話して、少人数で一気に取り掛かりました。
社内のみんなを巻き込むと会社全体が疲弊しちゃうので、そこは切り分けて対応しました。
毎年、大掛かりなVoicyファンフェスタを開催しているので、こういう無茶振りには慣れている会社だとは思いますが、今まで以上のドタバタではありました。
VoicyのPRに関しては基本的に自分1人と緒方でやっていますが、PRに関する業務はその都度、プロジェクトに関わる全員でやっている感じです。
自分が全体調整みたいな感じで、例えば何か画像素材などがほしい場合はデザインチームに協力してもらったり、パーソナリティを露出したい場合は間に「PS(パーソナリティサクセス)チーム」に入ってもらいます。
専任は私だけですが、各チームから巻き込んで臨機応変にやっています。
メディア側の「音声」に対するテンションが変わった
メディア対応の話もしましょう。
2021年1月は各種媒体への掲載数が15くらいでした。2月はそこから2.5倍に増えました。実際の掲載数以上に、「これからの音声市場、どうですか?」「Clubhouseをどう見てますか?」みたいな問い合わせもたくさんあったので、それを含めると、さらに数倍くらいありました。
こうしてメディアさんとの良いリレーションをつくることができたのは大きかったと思います。
あわせて、みなさんの「テンション」が違っていたのも感じました。これまでは「音声市場について教えてください」だったのが、「今年は音声がきそうですね!」みたいなところから話がスタートするようになりました。
そういう前提、そう思っていただいてる状態で話せるというのは、すごくやりやすかったです。実際、9割近くの記者の方は、緒方のClubhouseを聞いたことがある状態でした。
あとは緒方のこのnote連載とかも読んだうえで問い合わせてくれる記者さんも多かったので、「ここの部分を詳しく聞きたいんですけれど」みたいな問い合わせもよくいただきました。
そうするとこちらも「こんなことがいま話せます」と対応できるので、考えをnoteにまとめておくのも大事なことだと思います。
得られた効果は会社・サービスの認知度と発信意欲
今回、Clubhouseに絡めたPRで得られた効果としては2つあって、1つはもちろんVoicy自体の認知が上がったことです。そしてもう1つは、Voicyのパーソナリティとして発信してみたいと思ってもらえるようになったこと。
Voicyの認知が上がり、さらにClubhouseで話してみた経験から、「もっとちゃんと話してみたい」「Voicyを使ってみたい」と思ってもらえるような方が増えました。
Voicyのパーソナリティは現在審査制をとっていて、毎月500人くらいの方から応募をいただくのですが、9月からだんだん上がり始めて、12月に初めて1000件を超え、1月のタイミングで1300件まで増えました。
これは完全にVoicyの認知が上がったというところに直結するので、僕らとしても一番嬉しかったポイントです。
Clubhouseの話題が一時的なものと割り切る。
今回の一連のPR施策に関しては「Clubhouseだからこそ」という話と、「波に乗る方法」みたいな話の2つに分かれると思っています。
Clubhouseだからこそ、という話については、「Clubhouseが急速に話題にならなくなる可能性」みたいなものも、かなり最初の段階から考えていました。
この熱狂がずっと続くのか、あるいは1ヶ月で終わるのか、いずれにしても最初のタイミングにすべてをぶつけないといけないな、と。そうすると逆算すると「もう明日事例をつくっておかないと乗り切れない」となります。
例えばこれが「コロナの緊急事態宣言」とか「リモートワーク」みたいな文脈の話であれば、もう少し長いスパンで取り組むテーマだと思います。半年とか1年という長期的な時間軸で考えて、いろんな施策を打っていくでしょう。
今回のClubhouseに関しては完全にスタートダッシュ型でした。通常時の3ヶ月分の動きを最初の1末から2月上旬に出し切って、しかも2月は営業日が20日間もないので、基本的に緒方は1日に3件は取材の予定がありました。
それと同時にClubhouseでもずっと発信し続ける。これはPRマインドの強い経営者じゃないとなかなかできないことだと思います。
緒方も言ってましたけど、当初は「ClubhouseがくるとVoicy大変でしょ?」なんていう声もありました。
でも同じタイミングで合計41件のメディア露出を獲得したことによって、そういった懸念が一気に払しょくされた感じがありますよね。これはPRの勝利だったと思います。
――ありがとうございました。ゲスト執筆の堤でした。次回からはまたいつも通り緒方が書いていきます。
声の編集後記
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