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6600人が熱狂した「VoicyFes」--その裏側はピボットと試行錯誤の日々でした【声の履歴書 Vol.65】

こんにちは。Voicy代表の緒方です。

この「声の履歴書」という連載は、Voicyがこれまで歩んできた道のりについて創業者の私があれこれ語っていこうというシリーズです。よかったらマガジンをフォローしてくれると嬉しいです。

今回は先日開催した大型イベント「VoicyFes’21」の振り返りです。

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音声だけのフェスに観客6600人が参加

結果としては興行収入が2000万円を超えまして、まあまあ大きなイベントになったんじゃないかと思います。参加してくれたパーソナリティの皆さん、聞いてくれたリスナーの皆さんのおかげで、赤字にならずにオンラインイベントの魅力を伝えることができました。

まずは関わってくれた皆さんにすごく感謝しています。

そしてVoicyとしてやりたいことに対してはまだ道半ばで、足りない部分もまだ全然ありました。観客も1万人を目指していましたが、最終的に6600人でした。なので100点満点の成功ではなく、僕としては65点くらい。

次こそはやってやる、という気持ちも大きくて、まだまだ「成功」とは言えないと思っています。「音声はここからだな」という課題も強く持ちました。

実際、こういうイベントにお金を払ってくれる人って少ないんだなぁ、ということも感じました。すごいものをつくっても世の中には無料のコンテンツが溢れているから、そこの難しさはある。

でも6600人も来てくれたのは単純に嬉しいです。リアルだったら大きなイベント会場をいっぱいにするくらいの規模です。僕としては1万人までいかなかったのは悔しいけれど、まだオンラインイベントの基準というものもないですから、Voicyがどんどん規模を更新していきたいと思っています。


ピボットだらけで通常業務が回らなくなってしまった

そもそも、フェスのプロジェクトを始めたころは正直、焦りとヤバさがめちゃくちゃありました。

1つは、5日間で70人のパーソナリティをお呼びするという最大規模で企画をして、通常業務が回らなくなってしまったところ。

できるだけ通常業務の負担を増やさないようにやっていこうと思っていたのに、全然無理で、当初はイベントを担当するはずじゃなかったチームのメンバーからも応援者を募ることになりました。

具体的に動き出してからも5日間で70人分の日程を調整するなんてもう地獄で…。さらに対談の組み合わせも考える必要があります。毎年、「こんなクレイジーなことをやっているのか」と思うのに、喉元を過ぎたら忘れるから、来年もまたやっちゃうんでしょうけどね(笑)

すごく難易度の高いことをやっているなと思いながら進めていましたが、「Voicyフェス」というものを企画する中で、絶対に誰にも文句を言われないレベルでやりたかった、という思いがあったので、どんなにしんどくても「やり切るか!」と心に決めていました。

もう1つのトラブルとしては、いざフェスのページをオープンしてみたら、チケットが全然売れないんです。今回はベンチャーらしく、ピボットをしまくるという感じでした。

初めはAステージとBステージで分けていたんだけれど、それをするとだんだん「これは片方しか買わないな」ということがわかってきて、10月になってから、まとめてセットで売るという企画に変えたんです。

あと当日はライブだけ視聴できて、アーカイブは別料金にしようと思っていたんですけれど、それでは買ってくれないということもわかって、アーカイブもセットにすることになりました。

そもそも販売も、10月末にイベントが始まるのに、1日からチケットを売るというクレイジーなことになって、とりあえずもう営業戦略がめちゃくちゃでした。商品パッケージと営業戦略がかなり後手後手に回って、かなり苦しい失策になったと思っています。

けれど、それを走らせながら、インターネット上のフェスはどうやって売るべきなのか、とか、何が難しいのか、とかは相当勉強になったので、会社の中にたまった知見はめちゃくちゃあったと思います。

なんとリスナーさんから60万円もの差し入れが

結局、すべての計画がぴたっと決まったのは、本当にイベントの2週間前くらいでした。見せ方の部分も甘かったとわかって、「世界を変える声の祭典」という全体コンセプトでブランディングするところに、ようやく労力をかけられるようになりました。

前は、「Voicyフェスをやりますって言ったら、わかる人はわかるよね?」みたいな感じでした。でも今回はパーソナリティにも、リスナーにも「Voicyフェスとはこういうものなんだ」ということをちゃんと伝えることが必要になってきた。

なので、9月1日くらいに考えていたフェスと当日のフェスは、もう全然違うんです。なかなか想定通りにいかないものなんです。

内容の話に移りますけれど、僕らはとにかく、パーソナリティファーストでやってもらおう、と。今回の目的は、とにかくパーソナリティさんに楽しんでもらうこと。彼らが面白い発信をすると、リスナーさんもついてきてくれるはずです。

日本に対して、社会に対して、音声でこれだけ面白いフェスができるんだぞ、ということをしっかりと打ち出す。まずはパーソナリティさんにはかなり「面白かった」と言ってもらえたと思っています。僕らの熱い思いをしっかりとぶつけることができました。

Voicyの一番の強みは、パーソナリティを何よりも大事にするというマインドセットだと思っているので、そこはできたのかな、と。

リスナーさんもあたたかい人がすごく多くて、なんと会社に60万円の差し入れが入ったんです。Voicyフェスのチャンネルに「差し入れ機能」でいただきました。

みんな3000円のチケットを買ってるんだけど、「それ以上に価値があったと思う人は、よかったら差し入れをください」と言ったら、たくさんいただけた。それはすごくありがたいし、愛されているなあと感じました。

もっと面白いフェスにしていきたい

自社アプリの中でフェスをやることも挑戦でした。それ自体は実際にできたんですが、課金自体がウェブ課金しかなかったので、けっこう迷っちゃった人が出たりとか、そこでもう面倒くさくなってしまった人が出たりとか。そういう点ではご不便をおかけしました。

一方で、社員もすごくやる気を出してくれたし、社員が頑張っていることが皆に届いて、たくさんの方に応援していただいた。そうやって応援してもらえたから、次に繋がる一手にはなったのかなと思っています。

ただ、もっと面白くすることもできる。あとは、パーソナリティさんも、もっとたくさんの人を呼びたいと思っています。やっぱりフェスに出たいというパーソナリティさんもまだたくさんいるので、みんなにちゃんと場所をつくってあげたい。

これ以上広がると、セッティングが大変です。アサインとスケジューリングをもうちょっと仕組み化しないと駄目ですね。

自社サービスで大型フェスをやるということ

これは毎年書いていますけど、毎回「本当にやるんですか?」と社内で言われて、喉元過ぎれば、「やってよかったな」となるんです。毎度毎度、準備が大変すぎて、次回こそはスムーズにできそうと思いきや、全然です。毎回ちょっと変えちゃっているから(笑)

まとめとしては、ITベンチャーが自社サービス内で大規模フェスをやるって、最高にチャレンジングでエキサイティングだよ、ということ。そして事業的には大変だよ、ということ。それでも、やっぱりやってよかった、ということです。

そしてこれから何倍も何十倍もデカいフェスに挑戦するぞ、という覚悟をお届けします。

ーー最後まで読んでいただきありがとうございました。

声の編集後記



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緒方憲太郎(Voicy代表)
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