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企業は、Clubhouseをどう活用すべきか? Voicy代表による大解剖

こんにちは。Voicy代表の緒方です。

この2週間、日本のインターネットを騒がせてきた「Clubhouse」という音声SNSについて、今回は「企業活用」の視点で分析してみます。

Clubhouseのサービスとしての可能性や、音声産業に与える影響などは、こちらの2本のnoteに書いているので合わせて読んでみてください。

企業がClubhouseを使い始めるまで

最初の方から振り返ってみます。Clubhouseが出てすぐ、一気に個人の方が活躍する状態になっていきました。そんな中で、インフルエンサーや経営者などのネームバリューのある人たちが数千人を集めるルームをつくって。

それを見て、「これは、企業でも活用できるんじゃないか」という動きが出てきた。

そこからは、採用ブランディングなど、いろんな用途に使われていきましたね。

企業がClubhouseを使う利点

最初は発信者がまだ少ないタイミングだったからこそ、集客が容易にできるということがありました。

ただ、ここまで一気に個人も、企業も入ってきたのは、それ以上に「音声」SNSだからこその利点が大きかったと感じています。それが、設備コスト参入ハードルの低さです。

設備はスマホだけあればいいので、めちゃめちゃ低コストで、なおかつ声で届くからそれがすごく訴求力がある。しかも、動画のように表情や服装・姿勢・背景を気にしなくていいので、いままで動画出演には少しハードルを感じていたような社員も、けっこう気軽に参加できます。

先日、「WEEKLY OCHOAI」というNewsPicksさんの番組に出させていただいて、ここでもClubhouseについて話していたんですが、どうしてもカメラを意識しちゃうんですよね。

ぼくはただの一般人なので、カメラ慣れなんてもちろんしてなくて。その場の議論はすごく楽しかったのですが、やっぱりしゃべりの面では、声だけの方が内容に集中できるのは発信者として間違いないです。


企業はClubhouseで何ができるのか

Clubhouseは参加者のコメントをリアルタイムに拾う機能はなく、投げ銭もないので即効性のある収益手段にはなりません。

機能面では「動画のLIVE」の方が出来ることは多いでしょう。

Clubhouseの利点を、企業の担当者はしっかりとおさえて開催する必要があります。ここまでの各社の事例を参考に、いくつか活用方法を上げてみます。

【利用例1】採用

企業担当者の動きでもとくに早かったのが、この採用を目的にした動きでした。ITに関心の高い広報や人事が主導してまずはやってみようと。10Xさんや、メルカリさんがいち早く開催していましたね。

Voicyでも、エンジニアメンバーが集まって話す座談会みたいなものやったりしました。簡単に開催して、直接話せるということで、効果も実感できました。

ただ、意外とこの「採用」の動きは、すぐに下火になってきましたね。1つの要因として、候補者がどんな人が集まるかが分かりづらい・直接候補者に連絡できないというのが痛いところでした。

また、Clubhouseが広がっていく中で、「有名人の話を聴きたい」という流れから、Clubhouseで開催しているというキャッチさだけでは、人を集めることができなくなってきたのもありますね。


【利用例2】ユーザー向けのコミュニケーション

登壇者にユーザーを招いて、企業側のメンバーとコミュニケーションを取る企画です。Voicyでも、パーソナリティの方を集めたイベントを開催しました。

これは他にも、食べチョクさんが農家の生産者の方を呼んで話す企画をやっていたり、D2Cの企業が商品紹介のようなことをその場でやって、そのまま商品を売るということをしたりもしてました。

そんな感じで「自社の営業ツール」として活用したり、「カスタマーサポート」のように使うというのが盛り上がってきていたように思います。


【利用例3】インフルエンサーのスカウト・オーディション

個人のインフルエンサーや著名人の方々が一気にはじめたことを受け、その場でサービスへのスカウトをしたり、公開でオーディションをする動きもありました。

これは、審査制を取っているVoicyでも「公開スカウトキャラバン」という形で開催しました。1000名以上の方が集まって、当日はすごく盛り上がりました。


【利用例4】業界の啓蒙

「旅行業界のトレンドを議論」のような形で数社が一緒になって、最近の業界事情を話すというのもリスナーの興味や理解を集めやすい使い方です。

業界によっては、テーマを広げ過ぎると話すポイントがぼやけてしまうので、テーマやコンセプトを絞ることで興味が沸きやすくする工夫なんかも取り入れるのも効果がありそうです。

ぼくは自分の専門分野意外の「最近の美容整形について教えます」みたいなルームに入ってみて視点を広げて楽しんでいるのですが、聞くだけでいいなら今まで自分の知らない世界がいいって言う人が増えてるのでそういう集客もできそうです。


【利用例5】公開取材・公開打ち合わせ

メディアの方々は、Coubhouse上でオープンに取材をおこなったりもしていました。読者の反応を拾ったり、記事自体の宣伝にも繋がるのが新しい取材の効果になっています。

ぼくもこの1-2週間で、CNETさんや日経ビジネスさんなど、いろんな記者の方のインタビューをCoubhouse上で受けてきました。

似たようなところで、書籍の発売後に著者と編集者が後日談的に語るというのも見かけますね。


【利用例6】会社のブランディング

一方で、長期的なブランディングとして発信したいというニーズもだんだん生まれてきました。グロービスさんは、経営者の方の話をいろいろと聞いていく「G1」という対談イベントをClubhouse内ではじめています。

またVoicyでも、しっかりした番組を作ってみようと。BGMや効果音を全部準備して、「ミッドナイトVoicy」という番組をやっています。

この、長く続くオリジナルの音声番組を持ちたいというニーズはより高まってくるように感じています。ひょっとしたらclubhouse内ラジオみたいなのも生まれてくる可能性もあります。


ストック型の音声配信との連携を考える

音声SNSであるClubhouseは、爆発的に広がっていくのが魅力ですが、コンテンツを溜めていけないのが欠点です。

だからこそ、Voicyのような「ストック型」で放送をアーカイブしていくサービスとの相性は抜群にいいです。

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Clubhouseで知ったVoicyパーソナリティのことをもっと知りたいと思ったリスナーが、アーカイブされた放送を聴きにいってファンになる、ということが起きています。

また、企業の命題として、収益化も見据える必要がありますが、課金機能の充実したストック型の音声配信サービスに繋ぐことで長期的に事業にしていくことが可能です。

VoicyとClubhouseの関係性2_0216調整

そんなわけでVoicyのサービスもClubhouse登場以降、めちゃ伸びていて。企業やメディアの方々からのお問い合わせは最近では月30件以上にもなってきました。

「音声でのPRやエンゲージメント高いコミュニケーションを」と考えられている企業の方は、ぜひ一度、Voicyにお声かけください。一緒に素敵な音声発信から新しい訴求手段をやってみましょう。


企業担当者が気を付けるべきこと

最近は朝から晩までCoubhouseに入り浸っているので、企業の方ともいろいろ話してきて、企業担当者がおさえておくべきことが分かってきました。

いろいろありますが、とくに重要な5つのポイントに絞ってみます。「Coubhouseやってみよう!」と思われた方はぜひ参考にしてみてください。

ポイント1:フォロワーのいる人を登壇者にする

音声SNSという特性上、人が人を呼ぶ仕組みになっています。Twiterでフォロワー5人の人がツイートしても、まったく読まれないのと同じです。

企業側のメンバーにフォロワーがいない場合には、あらかじめゲストを呼んだり、登壇者にフォロワーのいる方を上げることの出来る仕組みを考えたいところです。

ポイント2:ちゃんとしたMCを1人入れて、まわせる体制をつくる

その場を仕切れる人がいるだけで、場の雰囲気や進行が格段によくなります。このMCは、けっこう重要です。

担当者があまりしゃべりに自信がなかったりするのなら、進行役としてのMCを1人別で立てることをおすすめします。

ポイント3:「始め方」「終わり方」を決めておく

頭と終わりはゆるくなりがちです。ここがしっかりしていると、番組全体に締まりが出ます。

Voicyの番組「ミッドナイトVoicy」では、オープニングテーマ、エンディングテーマを流しながら、ラジオのように語りを入れています。

ポイント4:開始直後から、いきなり本題を話さない

「だんだん人が集まってくる」というClubhouseの特性があるので、本題はある程度人が集まってきてから、話し始めたいところです。

それまでの数分間は少し雑談をしたり、場をあたためる時間を作りましょう。途中でそれまでの振り返りとかをするのもおすすめです。

ポイント5:リスナーの反応は外部ツールとうまく連携して拾う

リスナーから意見や反応をもらうには、TwitterのハッシュタグやDMで集める必要があります。

これをやっておけると、リスナーの反応を番組内で取りあげたり、その反響自体が、人を呼ぶことに繋がるので、おすすめです。


他にも、話し方の速度、ルームのタイトルの付け方、挙手ボタンの新しい使い方、フォロワーの増やし方など、工夫できることはやまほどあって。そもそもの「音声配信での話し方とは?」という内容も合わせると、それだけで1冊の本にできるくらいなので、別の機会にお話したいと思います。

Clubhouseでもいろいろと話しているので、ぜひ聴きにきてくださいね。

またVoicyでのストックコンテンツの良さも再認識してもらえたらと思います。

この記事が音声業界の成長に役立って、世の中に素敵な音声文化が出来ていくと幸いです。

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