スタートアップで「社長と一緒に働く人」に言いたい3つのこと【声の履歴書 Vol.73】
こんにちは。Voicy代表の緒方です。
この「声の履歴書」という連載は、Voicyがこれまで歩んできた道のりについて創業者の私があれこれ語っていこうというシリーズです。よかったらマガジンをフォローしてくれると嬉しいです。
数回にわたる「社長と一緒に働くこと」について書くシリーズ、そろそろ最後にします。
前回までの記事はこちらの2本。
僕が伝えたいことはまとめると3つです。
1. 「僕はこう思う」という話をどんどんする
ここまで社長側の考えをとにかく言いたい放題書いてきましたが、とはいえ、文句を言いたくなる気持ちもわかります。
「社長が任せてくれません」とか「ベンチャーに来たのに裁量権がありません」と言う人もいます。
気持ちはわかります。でも、とにかく、任せても大丈夫だな、という信頼ポイントをどれだけ貯めるかの勝負だと思います。
スタートアップとはいえ、いきなり任せられることはないのに、いきなり任せてほしい願望が、特に転職してすぐの人にけっこう多いんです。
あとは「失敗させてくれる会社に来ました」とか「いつか起業したいので、いろんなことを失敗させてくれる会社に行きたい」という人も来ます。
もちろん挑戦は歓迎です。でも何でも失敗していいわけじゃないですよね。最低限のミスは防いで、今まで会社がやってきた失敗を全部吸収した上で、新しい失敗をしたら次に活きる、ということをするべきなんです。品質の低い失敗をやらせるわけにはいかないわけですし、同じ失敗を繰り返すわけにもいかない。
ですが、僕もサラリーマンのときはそうだったんですけれど、「会社のリスクで失敗させてほしい」「自分の経験の血肉にしたい」というふうに考えるわけです。
このバランスをいかに経営者視点で考えるか、です。なので社長と直接仕事をする際に、相談なしにとか体験を全然合わせずに任せてもらうということは難しいんです。
そういうときは、とにかく、「僕はこう思う」という話をどんどんするといいと思います。そうしたら、「君はこれくらいまで考えられるレベルだったんだね、じゃあ任せられるわ」となります。
2. ややこしい仕事だからこそ、ポジティブに
もう1個は、とにかくポジティブにやること。やっぱり社長の直下で働いている人が愚痴り出したり、面白くなさそうにしていると、社長が悪者になってしまうんです。
そして周りからも、ややこしいのは社長だというふうに、どうしても見えやすい。たしかにややこしいのは社長なんですけれどね。
ここもまた難しいんですが、どうしても、社長とか体制の批判をしたほうが楽じゃないですか。わかる。でも、それをしても何も始まらないですし、それくらいだったらその会社にいないほうがいいと思うんです。
でも、そこで「あれは明らかにじゃじゃ馬だけど、あれをどう乗りこなしたら会社のミッションは達成するんだろうね」みたいな感じでポジティブに捉えられると仕事はどんどん面白くなってくると思います。
これはいろいろな経営者と話していても、みんな言うことなんですけれど、ベンチャー企業に行くと、自分の目で見られる範囲がめちゃくちゃ広がります。本当に3年全力で働いたら、化け物みたいに強くなるんです。Voicyにも、「こいつに任せておけば大丈夫だろう」みたいな感じでパッと投げられるメンバーがたくさんいます。
3. でも結局、社長が一番悪いと思う
僕はもともとずっとサラリーマンを十数年やってきて、そこから経営者のアドバイザーになって、その後に自分でも経営者をやって、いろいろな立場を見てきています。
いまは経営者をやっているからこそ、そっちの目線の話になっていますが、結論としては、経営者がじゃじゃ馬なのが悪いんですよ。経営者が全然完璧じゃないのも悪いんです。事業だって、全然足りていないんです。それが一番悪い。
やればやるほど成果が出て、報われて、やった分だけ成長するようなパラダイスのような環境の会社をつくれたらいいんですけれど、なぜか「そんなわかりやすい会社をつくっている暇があったら、もっとぐちゃぐちゃでいいから見たことのない世界を見ようぜ」と言っているような経営者がほとんどなわけです。
それなのに経営者は、めちゃくちゃ社員に期待しています。とにかく任せたいと思っています。会社が将来やりたい世界と、会社の目標になっているマイルストーンをひたすら見て、それを達成するためにはどうしよう、ということを話してくれたら、だいたいの経営者はめちゃくちゃ嬉しそうにその話に乗ってくれると思います。
本当に勝手なやつです。こういう話は、他の経営者も考えているかもしれませんが、なかなかみんな言いません。「ポジショントークが」とか「どうせ都合よく働かせたいだけだろう」とか「ブラックな企業だ」とか言われます。
他の経営者とも対談しながら、「こういうことを考えている」とか「こういうことで困ってるよね」とか「こういう人がいたら嬉しいね」みたいな話をする番組をつくれたらいいなと、最近考えたりしています。
Voicyではめちゃくちゃ社員を募集しています。僕はとにかく現場を見る社長なので、一緒に走っていけると思います。とにかくお客さんが最大に喜ぶというところにコミットしているし、社会にどれだけの価値を産むかというところにも、めちゃくちゃコミットしています。
売上は二の次で、完全に赤字垂れ流しで、火の車で走っておりますが、それなりに楽しくやっております。だって誰もやってないことに挑戦して、喜ぶ人がたくさん生まれて、社会をめちゃ豊かに変化させられる事業ですから。そういう会社で働きたいという人にはぜひお会いしたいです。
ーー最後まで読んでいただきありがとうございました。
声の編集後記
この記事の元になったのは、こちらの2本のVoicy放送でした。放送を聞いていただければ、伝えたかった内容の細かなニュアンスなども感じていただけるのではないかと思います。
放送には多くのコメントや反響もいただきまして。そのコメントへのお返事を下記の放送でしております。他の方がどのように受け取っているかを知ることもできますので、よかったら聞いてみてください。
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