「なんでオフィスを渋谷にしたんだっけ?」 Voicyの場合【声の履歴書 Vol.37】
こんにちは。Voicy代表の緒方憲太郎です。
この「声の履歴書」という連載は、Voicyがこれまで歩んできた道のりについて創業者の私があれこれ語っていこうというシリーズです。よかったらマガジンをフォローしてくれると嬉しいです。
今回は再び起業した当初のオフィスの話。なんとなく渋谷にオフィスを構えたいと思っていたんですが、そもそもなんでだっけ?というのを振り返ってみます。
創業者のおっさん2人しかいないオフィスがなぜ渋谷に?
Voicyのアプリをローンチした1週間後、2016年10月に渋谷に初めてオフィスをかりました。「駅近でいい物件を見つけたし、ここしかない!」っていう勢いで政策金融公庫から3000万円を借りてまで契約したわけです。
家賃毎月32万円、敷金10か月分でした。
でもいまの状況だと特に思いますよね。「そもそもなんで渋谷にオフィスを構えないといけないの?」って。
しかもメンバーは僕と共同創業者の窪田の2人だけです。なんでおっさん2人が集まる場所が渋谷なんでしょう。
このコロナ禍になってオフィスの役割や位置づけは変わってきましたが、4年前はどんなことを考えていたのか振り返ってみます。
結論から言えば、これはもうシンプルです。
やっぱり「渋谷のITベンチャーやってます」って言いたいじゃないですか(笑)
当時の感覚はどういうことなのかというと、それはつまり、イケイケドンドンでオフィスが大きくなる、社員もドンドン増える、会社もドンドン成長するっていう夢を見ているんですよね、みんなでね。
家賃32万は、採用コストだと考えていた。
はじめは2人で「ちょっとこれ広すぎたんじゃね?」って言いながら借りたけど、急成長を夢見ながら「渋谷のITベンチャー」らしく振る舞いたかったわけです。
本当にその程度の意味合いです。
もしかしたら今後働きに来てくれる人も、渋谷のITベンチャーで働きたいって思ってるかもしれない。そうしたら採用もしやすいかもしれない。パーソナリティーも遊びに来てくれるとしたらそれは渋谷に違いない!
みたいな思い込みがありました。
採用の視点で言うと、やっぱり渋谷のほうが採用しやすかったりとか、いざ来てみたら、渋谷って交通の便がめちゃめちゃいいんで「渋谷なら行きますよ」って言ってもらえるし、勉強会とかも渋谷でいっぱいあるんですよね。
だからその家賃32万っていうのは、採用コストに近いものがあったわけです。
写真撮影のためにコンビニにダンボールをもらいに行く
で、初めてオフィスに入って何をしたか。
ダンボールを机代わりに仕事をする写真を撮りました。
単純にやりたかったんです。
「何もないところから始めました」っていう創業秘話にあるじゃないですか。ダンボールで仕事ってちょっと面白いかなと思って、写真撮っておこうと思ったんでしょうね。
でもオフィスに入ったときにちょうどいいダンボールなかったので、わざわざ近くのコンビニにもらいに行きました(笑)
またしょうもないことしますね。
一時期、スタートアップがオフィス移転するときにAmazonの「ウィッシュリスト」を公開するのが流行ったんです。「引っ越しました!こういうものが足りてません!」というのをアピールするわけです。
いまも流行ってるかもしれませんが、当時は全盛期じゃないかってぐらい流行ってました。
なのでダンボールで仕事する写真をFacebookに載せて、こんなにオフィスが空っぽです!ここから始めたいと思います!みたいな投稿をしてました(笑)
そしたらめちゃくちゃたくさんいただきまして、総額○○万円ぐらいもらってしまいました。もうエンジェル投資1人分ぐらい来てびっくりしました。
いただいたオフィス家具や小物に1個ずつテプラでちゃんと「誰々さん寄贈」って貼って、写真も撮ってお礼を言いました。本当にありがたい話です。
わざわざコンビニにダンボールもらいに行って何やってるんだって話ですが、みんなよく付き合ってくれましたね。
渋谷のオフィスで鍋を囲みながら採用活動
あとその頃は鍋で人を取り込もうと必死でした。
なぜ鍋かというと、なんか同じ釜の飯を食うと仲良くなるって言うじゃないですか。僕、鍋好きだし、鍋って安いんですよ、それでいてめちゃくちゃたくさん話せるんですよね。
だから夜は基本、みんなで鍋を食べようっていうのをずっとやっていました。今から考えたらヒマやなと思いますけど(笑)
僕と窪田、手伝ってくれるみんな、採用候補にパーソナリティ、来てくれた人みんなで鍋を食べて、「よかったらうちおいでよ」みたいな話をしてました。
あの時一緒に鍋を食べてたメンバーは今でも残ってるから、それなりに意味はあったんでしょうね。当時はもう採用に関してはどうしていいかわからなかったんですよ。合計5000万も調達したけど、使うのは家賃と鍋代ぐらいでした。
鍋の他に良かったのは、サービスを使ってくれてVoicyが大好きだっていう人を採れたことですね。そこから「Voicyファンラボ」というVoicyを応援してくれるコミュニティを作って、採用につなげるという試みに発展しました。
コミュニティから入ったメンバーが、サービスも好きで魅力もわかってて、熱量も高く、活動してくれた。
みんないまもがんばってくれています。
ーー次回もよろしくお願いします。
声の編集後記
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