ジャニーズのタレントがどんどんラジオ番組で出ていく理由とは？ 【声の履歴書 Vol.31】

こんにちは。Voicy代表の緒方憲太郎です。

この「声の履歴書」という連載は、Voicyがこれまで歩んできた道のりについて創業者の私があれこれ語っていこうというシリーズです。よかったらマガジンをフォローしてくれると嬉しいです。

前回まで僕と起業と音声メディアの原体験について書いてきました。今回はその原体験から僕が考える「しゃべりのエンタメ化」についてです。

しゃべりが上手い＝チャラい人？

親がアナウンサーで、関西というしゃべりの世界に生きてきました。その原体験から、もっとたくさんの人が声で活躍できる場を作りたいと自然と考えるようになりました。

でもいまって世の中のしゃべりが上手い人は、「＝ちょっとチャラい」ぐらいの評価になってないですか？ 一番面白い人が、あまり評価されていないと思うんです。

だから声で活躍する人を増やしたい。前に『ヤングタウン』というラジオ番組の話をしましたけど、明石家さんまさんが30年同じところに出てるんですよね。

これはすごいことです。まずあの人気番組にそんなに長く出られること自体が凄まじい。でもそれによって次のヒーローが出てこられない可能性もあります。

あのさんまさんが、30年間ラジオでしゃべくり倒したらもうめちゃくちゃプロ中のプロですから、誰も取って代わることなんてできないですよね。

いまはすごい人だけがどんどん上手くなっていく仕組みになっているように思うんです。例えばジャニーズのタレントさんたちもどんどんラジオ番組を持つようになっています。番組を1年間やるとかなり上手くなるんですよね。

ジャニーズのみなさんはだいたい話が上手いんですけど、それはラジオ番組でみっちり修行させた1年間が効いてます。あれで鍛えている側面もあります。

そういう場がもっとたくさんの人に与えられたら、世の中もっと面白くなるのになあというのが僕の考えです。

Voicyファンフェスタは「声をエンタメにする」

もっと普通の人がしゃべりの腕を磨いて、上手くなって活躍して、多くの人を魅了するというのは全然できるはず。実際、Voicyファンフェスタは毎年それをやっています。

これまでしゃべりのプロという立場ではなかったVoicyパーソナリティたちが、ライブ会場でトークをして、数万人もの方々に笑いと感動を提供していました。

しゃべりで活躍するヒーローをたくさん生み出せたら、日本ってもっと面白くなるじゃんと思って。そういう世界を用意したかったんですよね。

ちなみにVoicyファンフェスタのサブタイトルは「声がエンタメになる」です。

実は「エンターテイメント」という言葉をググっても、そこに「しゃべり」は入っていません。スポーツ、ギャンブル、演劇、音楽とかいろいろなコンテンツが入ってますけど、おしゃべりはまだエンターテイメントになっていない。

不思議ですよね。僕らは日々、人とのおしゃべりを楽しんでいるのに。

だけど、それはプロがいないからだと思うんです。

でも僕は、しゃべりこそが一番のエンターテイメントだと信じています。これをエンターテイメントの土俵に乗せるには、しゃべるのが好きな人たちが好きなことを発信できて、多くの人に届いて、マネタイズもできて、それで食えていくことが必要です。

声をエンターテイメントにする。「声がエンタメになる」とは、そういうことです。

Voicyみたいなプラットフォームがないと、自分のしゃべりをたくさんの人に聞いてもらいたいなんて思いもしないかもしれない。自分の面白さに気づかずに終わる人もきっといる。

好きなタイプに「しゃべり」が入ってもいい

ジャニーズの若い人たちが1年経って非常に上手くなるわけです。でも僕らはそもそも1年間しゃべる場所なんてどこからも用意されない。

ブログって普通の人が好きな文章を書いて書籍化することがざらにありますよね。あれはすごい素敵だなと思っていて、あれやりたいんですよ。

でもそこにはブロガーというすごいトップの人たちがいて初めて成り立つ。そこを作らないといけないと思っています。

僕が見ている世界っていうのは、「どの人のしゃべりが好き？」とか「どの人の声が好き？」みたいなのが普通に会話で出てくるような世の中。人の好みのタイプに、顔と性格のほかに、そろそろ「しゃべり」が入ってもいいんじゃないですか。

付き合うとか結婚するとか、しゃべりの面白さで選んだっていいじゃないですか。面白ければ許せることってけっこうありますよ。貧乏でも面白い人と一緒だったら笑えるもん。

ーー読んでくださってありがとうございます。次回もよろしくお願いします。

声の編集後記

音声では毎回ここには書けない裏話をお届けします！よかったら聴いてみてください。

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