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Voicy代表がこの2ヶ月、Clubhouseでやったことまとめ -前編- 【声の履歴書Vol.47】

こんにちは。Voicy代表の緒方です。

この「声の履歴書」という連載は、Voicyがこれまで歩んできた道のりについて創業者の私があれこれ語っていこうというシリーズです。よかったらマガジンをフォローしてくれると嬉しいです。

ところで以前こんなツイートをしました。

Clubhouseを使って積極的に発信した結果、さまざまな恩恵を受けられたと思います。そこで今回は「スタートアップ経営者としてClubhouseをどう使ったか?」について解説してみます。

Clubhouseを初めて見たときに思ったこと

Clubhouseがジワジワと盛り上がってきたのが1月末くらい。ワーッときていたじゃないですか。あのとき、まず考えたのは「とにかく使いまくってこのサービスを理解したい」ということです。

新しいモノが現れたときには、まずそう考えます。世の中でどんな流れがやってきても、初めに理解して何かを実行した人にはアドバンテージがあります。

それに新しい波がきたときに第一人者になるのはめちゃくちゃ簡単なんですよね。少なくとも後からみんなを追い抜くよりは簡単。

なのでとりあえず使いまくりました。その中でClubhouseがどれくらいすごいか、社会に大きなインパクトを残しそうか、確信が出てきたので勝負をかけてもいいと思えました。

でも何でも乗っかる必要はないと思っています。たとえば僕が一生懸命にTikTokをやらなくてもいいじゃないですか。

Clubhouseは同じ業界というか、近しいサービスを提供する経営者として乗っかったほうがいいというのは当然あります。もう1つ感じたのは、Clubhouseの初期ユーザー層がいわゆるアーリーアダプターというか、わりとテクノロジー界隈の人が多かったということです。

ちょっと大人な人たちが集まり得るSNSでした。暇だからやっているとか、寂しいからやっているというニーズじゃないところに刺さっていたのは学びになります。

ビジネスマインドの高い人たち、テクノロジー界隈のインフルエンサーが集まるClubhouseの初期段階で、一定のインフルエンスを保っておくのは意味があると思えました。

採用的にも効きそうですし、実際「Voicyでも喋ってほしいな」と思う人が多く参加してましたよね。そうすると、迷わずそこにいかなきゃいけないですよね。

実際にClubhouseの中でなにをしたか。

あとは単純に自分の属性と合っていました。ザーッと使ってみた結果、「これは得意分野だな」と思いました。

前に書きましたけど、アナウンス学校に通っていたのが、ここでようやく活きてきましたね。あの経験が一番活かされたのはClubhouseでした、という3〜4年ぶりの伏線回収をして(笑)

じゃあ、実際に何をやろうとしたか、何をやったか、という話なんですけれど、とりあえずClubhouseで一定のリスペクトをされるポジションにいるために、「本質的によくわかっている人」になろうと思いました。

手段でいうと、できるだけ使う。「住んでいる」と言われるくらい使うことと、いろんなポジションで使ってみることです。

例えばClubhouseでは「聞くだけの人」「呼ばれて壇上に上がる人」「自分でルームをつくる人」「モデレーターをやる人」「壇上で聞き役に徹する人」などいろんな役割があります。

そういうことを全部やってみました。自分のことばかり話す人は嫌われますから、ちゃんと他の人を活かすことができる、どんなポジションにも対応できそうだと思われるようにしました。

そうすると、Clubhouse内でリスペクトされて、いろんなところに登場しやすくなります。「上手く場所を盛り上げてくれてありがとう」と思われることを第一に、いろんな部屋に顔を出してみました。

あまり自分個人のアカウントをグロースをするために何かをすることはなかったです。だから逆に、ほとんど自分でルームを立ち上げることはありませんでした。

意外ですよね。

でも自分のフォロワーを増やして、そのフォロワーに向かって放送していても、新しい出会いが少ないんですよ。結局、人のルームに呼ばれて喋るのが一番大事なんですよね。

Clubhouseを使い倒すと、とりあえず自分でどんどん部屋をつくりましょう、有名な人とやりましょう、みたいになりがちですけれど、そうじゃなくて、「呼ばれる」というのが重要ですね。

まとめると、手段としてはシンプルで、Clubhouseをいろんな立ち位置で経験して、その結果いろんな部屋に呼ばれるようになり、ゲスト出演して、ほぼ住んでいるくらいに使ってみたという感じです。

必ず「Voicyの緒方」として振る舞った

使い倒すと一言でいっても、大事なのは徹底的に「Voicyの緒方」として認知されるために動き続けたことです。

アカウント名も、自己紹介をするときも、「Voicyの緒方です」としっかり名乗る。「Voicyってなんですか?」と聞かれたら、ちゃんと答えるようにしました。

「緒方憲太郎です」→「どんなことをなさっているんですか?」→「Voicyという会社をやっていまして」ということじゃなくて。「Voicyの緒方です」と言うんです。

このサービスにおいては、使い続けていくとVoicyというサービスや会社よりも自分の名前のほうが売れちゃう可能性があったので、必ず「Voicyの緒方さん」なんだとわかるように振る舞わなければいけません。

そう言うことで、自分のアカウントが成長したときに、Voicyという名前も一緒に育つはずなので、そこは意識しました。

僕がClubhouseで認知度を獲得していく中で、Voicyという名前を知らなかったけれど、それがきっかけで知ったという人も増えていったと思います。「緒方さんをClubhouseで聞いて、そこからVoicyをダウンロードするようになりました」みたいな声は多かったです。

Clubhouseという音声SNSを使ってみて、Voicyというサービスを知る。そっちにはたくさんのチャンネルがあって、いい番組がアーカイブされていますよと伝えると、自然と使ってくれます。

そのうちclubhouse内の他の人が、「え、Voicyを知らないの?」って言ってくれるんですよね。「いつもVoicyを聞いてます」という人が何人かルームで出てきて、「ありがとうございます」とか話していると、そうするとみんな「そうか、知っておかないといけない情報なのか」みたいになるわけですよ。

ClubhouseをPRや採用に使おうとしている企業さんはよく見かけますけど、意外とスタートアップの社長でも、そこが徹底できていない人がいるという印象はあります。どうしても「個人」として出ていってしまう。

だいぶレベルは違うんですが、ユニクロの柳井さんは上手いと思うんです。ユニクロの話じゃないと出てこない。経営の話もたまにするけれど、それも必ずユニクロで何か言いたいことがあるときだけ。余計な露出はしないですよね。

「Voicy、危ないんじゃないの?」という声が消えた

あとはいち早く企業としてのイベントをどんどん開催しました。事例を最速で作っていきました(このへんの話はまた詳しく書きたいです)。

とにかく僕がどこかで話すたびに「誰かが、Voicyってみなさん知ってますよね?」みたいなことを言ってくれて、なんかClubhouseよりもはるか前からある老舗サービスかのように思った人もいるかもしれません(笑)

実際には5年前からあるので間違いではないんですけれど。

Clubhouseが出てきたからしばらくは「日本の音声サービスは危ないんじゃないか?」「海外サービスにやられるな」といった意見をよく見かけました。直接聞いてくる人もいましたね。

でも僕としては一貫して「むしろ相性はいいんだよ!」と言い続けてきました。noteにも書いてますね。

その結果、他のルームで「Clubhouseが流行るとVoicyって危ないんじゃないですか?」ということを言う人がいても、別の誰かが「この間、緒方さんの話を聞きましたけれど、ClubhouseとVoicyは相性が良くて伸びているらしいですよ」って説明してくれるんです。

一番初めのソースをClubhouse上で自ら流し続けるということをとにかくやったんです。

「Clubhouseがあることで日本の音声業界はより活性化する」。そういうメッセージは意識して伝えてきたつもりです。会社や業界に対する誤解が生じないように。

いまではClubhouseを既存音声サービスの脅威と捉える人はほとんどいなくなったんじゃないかと思います。実際そう聞かれることもなくなりました。


すみません。長くなったので一旦ここで区切りますね。

まとめると、Clubhouseに遭遇したVoicy代表の行動指針、第一段階はこんなところでした。

・新しいサービスはとにかく「理解」する
・そのためにいろんな「役割」で使ってみる
・必ず「Voicyの緒方」として動く
・伝えるべきメッセージを発信し続ける

後編はより実践的な内容に進んでいきたいと思います。例えば自社の広報担当とどう連携していたか社員から「SNSで遊んでる」と思われないようにするためには、などなど。

ーー次回もよろしくおねがいします。

声の編集後記



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