幸運の鍵 第1120話
《令和6年5月11日(土)》
人間は利己主義に陥りやすい存在です。いざとなったら自分さえ良ければいいという態度を示したりもします。「個」を尊重するのは大切ですが、「個」ばかり尊重しすぎると、皮肉にも「個」自体が不幸になりかねない危険性にも注意しなければいけません。「インド独立の父」、マハトマ・ガンジーは次のように言っています。
「万人の福利を願うことが自らの福利につながる。
自分や自分の所属する小社会のみの福利を願う人は利己的であって、そうすることは、けっしてその人のためにはならない」
1990(平成2)年に勃発した湾岸戦争を記憶の方も多いと思いますが、イラクに侵略されたクウェートを解放するため、日本政府はクウェート及びその周辺国、そして多国籍軍に対して、135億ドル(約1兆7500億円)もの大金を援助しました。しかし戦後、クウェートが「ワシントン・ポスト」に掲載した多国籍軍に対する「感謝広告」の中に、日本の名前はありませんでした。(多国籍軍30か国=米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、ノルウェー、デンマーク、オランダ、ベルギー、ポーランド、チェコスロバキア、ギリシャ、イタリア、スペイン、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド、エジプト、モロッコ、ニジェール、セネガル、バングラディシュ、パキスタン、サウジアラビア、バーレーン、カタール、オマーン、シリア、UAE、クウェート)
憲法の制約上、自衛隊を派兵できないという日本の理屈は、眼の前で国民が殺戮されているクウェートからしてみれば、完全に日本の都合としか映らなかったことでしょう。ここでは、憲法の問題や防衛の問題としては取り上げませんが、日本は資源の無い国のため、良い製品を作ってそれを海外に売って生きている国です。そういう国が買ってもらう時だけ良い顔をして、相手が困っている時には自分の理屈をこねて無視したら、世界から総スカンを食うことになるでしょう。自分が幸せになりたいのなら、まず周りの幸せを創ることに力を注がなければいけません。周りが幸せになって初めて自らが幸せになるのです。それは、外交関係でも、人間関係でも、そして家族の関係においても、全て同じです。自己中心的な考えでいる限り、訪れる幸せもその器に見合った分しか注がれないはずなのです。
今日も読んでくれてありがとう!今日も皆さんに、たくさんの幸運が訪れますように!