幸運の鍵 第1117話
《令和6年5月8日(水)》
人間とは、自分の不幸のことは大きく取り上げながら、他人の不幸にはあまり関心を持たない自己中心的な思考を持ちがちです。貧乏な境遇を嘆き、辛い思い出だったと訴える人が、世界の飢餓の状態をどれだけ理解しているのでしょうか。円安になり輸入品が上がり、生活が苦しくなったと言うニュースは毎日のように聞きますが、約3年前までのベネズエラの国家破綻状態のニュースはどれだけ知られていることでしょうか。
インフレ率が2600%を超えるという、いわゆるハイパーインフレ状態に陥ったのです。そして、メキシコを経由してアメリカに入国しようとする難民が増え続けました。自分のことには関心を持って批判する人も、他人のことにはあまり関心を示さない典型的な事例です。三重苦を克服した「奇跡の人」、ヘレン・ケラーは次のように言っています。
「盲目であることは、悲しいことです。
けれど、目が見えるのに見ようとしないのは、もっと悲しいことです」
ロシアがウクライナに侵攻して、ブチャなどで虐殺や略奪、強姦が横行した時、いわゆる「平和主義者」と言われる学者やジャーナリスト、マスコミが、即時停戦を訴えました。戦いをやめることで死者を増やさないという意図なのはわかりますが、それは家族や親戚、恋人や知人が虐殺され略奪され強姦された人に対して、「仕方ないから諦めろ」と言っていることと同じなのです。それは、ウクライナで実際砲弾を浴び続けている人達にとっては、殺される危険の無い安全な所に住んでいる人が、勝手に平和論を唱えていると見えることでしょう。
「理想論を唱えている位なら、これ以上ロシアに侵攻させないための武器をくれ!」との叫びは、ウクライナ国民のリアルな声なのです。ヘレン・ケラーのように三重苦のハンデに負けず、世の中に希望を灯した人や、マザー・テレサのように自分の全てを捧げて、死にゆく人を助け続けた人など、世界には他人を自分のことのように愛する偉人が何人もいました。そこまで天使のような崇高さは無くとも、せめて人の痛みを自分のことのように感じる感性だけは持ちたいものです。
今日も読んでくれてありがとう!今日も皆さんに、たくさんの幸運が訪れますように!