Cast away を観て
時 と 生
これはどこにいようと、何をしようと息をし続けるかぎり離れないものである。
私はこの映画を観てそう思った。
チャック(トムハンクス)は飛行機墜落に遭い、無人島に独り生き残った。
恋人の写真入りの時計を肌身離さず、何にも追われないながらも生き残るために毎日を送っていた。
無人島生活の話だなんてどこにでもあるような展開だなーってちょくちょくちゃちゃを入れながら観ていた。
あるとき、
チャックがバレーボールに「ウィルソン」と名付け、バレーボールと会話する。
時に励まし、時に罵倒し、時に背中を押し、最後まで友であったバレーボール。
そう。写真の彼女とバレーボールというボールが彼を生きさせていた。
生きるモチベーションとは。
彼は独りでありながらも独りでない環境を自ら作り出していた。
そして、彼は日付を記録していた。
4年かけて風の向きを観測し、島を脱出するための風を待っていた。
時計がない世界でも、時間に縛られる生活でなくなったとしても、チャンスという「時」を掴むためには常に意識しておかなければいけない。
時を意識し続けるためには心の支柱が必要である。それはなんだっていい。一見なんの役にも立たないボールでもいい。
役に立つかどうかはそのものではなく、自分で見出すのだ。
Somehow I kept breathing.
自分が必要とされない世界であっても、どんな状況でも息をし続ける。
どうやって。
五木寛之さんはこう述べていた。
「本当に辛い時はユーモアを持て」
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