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留学へのタイムライン

こんばんは!Ogaです。
9月中旬に無事(?)イギリス入りしました。(道中でものすごくいろいろとあったので、後でこっそり後日談を暴露します。お楽しみに!)
当初はひどかった時差ボケも少しずつ解消され、生活用品も揃え、授業に向けて心身ともに準備を整えています。

でもなにより、楽しい。ただ通りを歩いているだけで、町の雰囲気が素敵。写真の通り、夜のライトアップとか、たまらない。
やったー!イギリス来たぞー!って浮かれています。
(※ ただしくれぐれもスリにはご注意を。)

さて、留学が決まってから、続々と留学や公衆衛生大学院に興味があるという方々から問い合わせを受けました。本ブログの意義でもある情報共有という目的から、早く書かなきゃなーと思いつつ、一週間空いてしまいました…まあでも今回は一生懸命まとめたし、こんなもんが現実的な更新頻度かな。

と、前置きが長くなりましたが、本題に入ります。
僕は全体的に辛くてギリギリだと思っていましたが、同期入学の日本人同士で雰囲気を聞くと中間くらいかな。常勤医師として当直を含めた働きながらでの応募だったことを踏まえると、体調を崩さずに進められる現実的な日程だったと思います。
ということで、なんとなくのイベントを振り返っていきますね。全体としては長くなるので、目次から気になる項目だけでもご覧ください。(それぞれの詳細に関しては、改めて別記しようと思います。)

タイムライン全体像

海外大学院への進学決断

ー入学の約2年前ー

キャリアパスについては別途記載しますが、簡潔に言うと自分の進路に一番柔軟に対応してくれると期待できた、母校の小児科医局へ入局しました。なお、入局前から後期研修後のどこかで公衆衛生大学院へ進学したいと伝えていました。

そして後期研修も後半戦に差し掛かった2022年の年末。(当時医師4年目、小児科研修2年目。)
小児科医として充実した研修を過ごしつつ、小児科同期たちは少しずつ後期研修後のサブスペシャリティーを考え始めていました。一方で、僕自身はグローバルヘルスへの憧れを踏まえると、どこか日本での臨床生活に物足りなさを感じ始めていました。
とはいえ、どのブログを見ても留学は大変そうだなと思い、どちらかというと国内の公衆衛生大学院進学に向けての情報収集として大学の先輩方へお話を伺ったところ、「グローバルヘルスをやりたいなら、絶対に海外大学院だ!」と背中を押され、目が覚めて本気で海外大学院を目指し始めました。

社会的根回し

ー入学の2年度分前が目安ー

上記の通り、僕は医局に属していました。
医局への所属にはメリットもデメリットもあるので一概には言えませんが、僕は自分のやりたいことを尊重してくれる雰囲気に魅力を感じて入局しました。とはいえ大所帯の組織なので、話が固まったところで人事を担う医局長に、2022年度末~2023年度初旬(2023年2-5月)に複数回相談しに行きました。
入局前から一貫して考えていて毎年の進路希望で相談していたこと、小児科専門医取得に必要な論文をきちんとpublishしていて研修にきちん取り組んでいたこと、そしてなにより英語要件(下記)が入学基準を満たしたことなどが功を奏したのでしょうか。合格が狙える立ち位置にいると判断してもらえ、医局の委員会で正式に承認してもらい、教授からも推薦状を作成頂けると約束してもらえました。

※なお、ロンドン大学(LSHTM)には、応募に際して二人の推薦状が必要です。特に卒後5年以内の応募者は「学生時代と社会人時代の人となりを知る推薦人を一人ずつ挙げることが望ましい」と記載されています。
そのため僕は学生時代にお世話になった教授と、現所属先としての小児科教授、というお二人にお願いしました。幸いにもお二方とも留学経験があり英語に堪能で、過去に複数の推薦状を作成したことのある、この上ない援軍でした。

英語の試験

ー入学の約1.5年前(が理想)ー

世界トップレベルの公衆衛生大学院はアメリカ、イギリスに集中しています。日本の大学卒では英語が使えると認定されないため、イギリス系であればIELTS、アメリカ系であればTOEFLで基準点をクリアする必要があります(大学によってはどちらかの試験だけでも互換性を認めています)。
加えて、後述の奨学金応募の際に英語力の基準を設けている財団も多いです。そのため、腕試しも兼ねて、早くから対策・受講をすることを強くオススメします。
※LSHTMの場合は、基準点がIELTSで各項目6.5以上かつOverall 7.0以上です。二年間有効なので、早くに達成しても問題ありません。

一発で基準点に到達すれば何の問題もありませんが、多くの人は複数回受講するので、冒頭の図では意味深に複数個の点で表現してみました笑。
正直に言うと、2023年初旬の僕は走り始めで情報収集不足だったので、2025年秋入学を覚悟していました。しかし後期研修最終年度の2023年4月に、幸いにも順調にIELTS基準点を満たしたこともあり、だったらこのまま!と、後期研修直後の留学を決心しました。(タイミングについてはまた別記します。)

※英語の点が合格通知後まで延びているのは書き間違いではありません。合格自体はいわゆる"Conditional Offer"(条件付き合格)という形があるので、最悪の最悪は入学までに達成すれば、行けないこともないようです。現地の授業や生活、卒業までの試験を考えると、そしてなによりも精神衛生上悪いのでオススメはしません。が、最後まで諦めずにチャレンジし続けた結果、最終的に合格を勝ち取った同期がいるのも事実です。

奨学金応募

ー入学の約1.2年前ー

お金があり余っている人は読み飛ばしてください笑

ご存じの通り、年500-1000万円レベルの高額な授業料に加えて、大都市周辺の生活費がのしかかってきます。
そのため、合格するかどうかは別として、少なくとも奨学金に応募する人は多いでしょう。

財団によって金額、応募条件(年齢、職務経験)、書類審査、面接の時期は千差万別なので一概には言えませんが、僕の応募したものは6-8月に一次審査(書類)提出 → 2023年9月~2024年2月くらいで二次審査(面接)というものが多かったです。

一見めんどうなのですが、これが意外と大学院合格への大切な下地になります。というのは、どこの財団も、
あなたが、

  • どのようなバックグラウンドなのか?

  • 留学でどのようなことを学びたいのか?それはなぜか?

  • 学んだことはどのように社会に役立つのか?役立てたいのか?

  • 卒後の進路として考えているものは?

ということを聞いてくるからです。
そして、それはそのまま大学院の応募動機の練習になるからです。
最初の財団用に書いた下書きを寝かせつつ次の財団の準備をしていると、だんだんと頭の中が整理されていったり。具体的に思いついて書き足していくうちにどんどん変わっていって、もう一度最初から全部書き直したり。堂々巡りで大変でしたが、自分と向き合い、自分の思考過程を明確に言語出力するという機会になりました。

大学院応募

ー入学の約10か月前ー

先の通り、大学院の募集要項も大学によって千差万別です。が、問われる基本線は概ね上記なので、要求される文字数に応じて切った貼ったをしながら、まずは日本語で道筋を整えていきます。
あとは英語力次第です。有料オンライン翻訳/添削サービスを使用した人もいれば、先生やネイティブスピーカーレベルの先輩・友人に見てもらう、AIに翻訳してもらう、など英語の文章として整えていく作業になります。

※ひとつ気を付けなければならないのは、応募期間の違いです。
アメリカ系大学院であれば11-12月頃と日程が定まっていて、その期間内に応募登録が完了すれば、そのプールの中から審査され、上から合格を出していくそうです。
一方でイギリス系大学院は先着順に審査されます。(これは募集要項に明記されています!)つまり11月上旬の応募受付開始からタイムアタックが始まり、合格も先着順に出ます。そのため、早ければ早いほど(まだ席が残っているので)合格のハードルが低く有利になります。といっても年によっては5月頃にまだ空席募集をかけている学部もあるみたいです。
聞いた話ですが、クリスマス休暇(12月中旬から年始にかけての、いわゆる冬休み)に入ると審査が一時中断して時間だけが過ぎるので、その前に必ず応募を完了するように、とアドバイスされました。また、英語圏の志願者が、時間に余裕のあるクリスマス休暇中に準備して多数応募してくるため、という面もあるようです。

奨学金面接

ー入学の1年~8か月前ー

運よく奨学金の一次審査を通過した場合、二次審査の面接に向かいます。
といっても検索してもほとんど情報がない…
そのうえ、地味に、上記の通り大学院応募と日程的に重なるのです!?!

早く応募したい VS 面接対策したい VS 体調整えるために休みたい

僕の場合は、まず奨学金が落選続きで気持ちが落ち込む中で、ようやく通過した財団の面接が11月にありました。もちろんうれしかったのですが、上記の通り心身ともに最も消耗した時期でした。

大学院合格通知

ー入学の約9か月前ー

募集要項には「応募から4~8週間で合否を通知する」と記載されていました。
結局、僕は11月下旬に個人の登録パートを記入完了しました。完了後に、推薦人として登録したメールアドレスへ推薦状の記載依頼が送信されるようです。教授お二人にお世話になり、12月第1週に推薦状受理の通知が来ました。
そして2024年1月2日、第100回記念大会の箱根駅伝で推しの青山学院大学が往路優勝してご機嫌だった夜に、なんとメールで合格通知が来ました!!!

意外とあっさりだ。(何を期待してたんだよ!笑)
でも4週間ぴったりでお返事をもらえたので、順調に選んでもらえたのではないでしょうか。

大学院手続き

ー入学の6~1か月前ー

これは合格してからの贅沢な悩み笑

  • 大学院入学をクリックする(合格通知から28日以内)

  • 入学金 £500(約10万円)の振り込み( → 最終的に授業料にそのまま充てられるのでご安心を)

  • 大学(学部時代)の在籍証明書を大学事務から直接送ってもらう

  • イギリスの健康保険登録

  • イギリスの学生VISA取得

  • 学生寮の申し込み or 家探し

  • 授業料 £30000(約500-600万円)の振り込み(ただし上記入学金分を差し引きしてくれる)

などなど。
やるべきことはその都度メールで通知され、入学意思表明と入学金以外では3か月以内にやれば良いものばかりなので、焦らずにこなしていけば全く問題ありません。

最後に羽田空港から、いってきます!

以上、長くなりましたが、大まかな全体像でした。
何か気になることがあればお気軽にコメントください!時間の許す限り喜んで対応します。特にこのような情報戦においては、どんな些細な繋がりでも活用することを決してためらわず、恥ずかしがらないでください。実際に僕自身が、数え切れないほどのご縁やアドバイスに支えられてここまで来られたという自覚がありますので。

ということで、これから留学を考える人にとって、少しでも準備の参考となりますよう!

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