潮

ホワイトモカが甘過ぎる
甘みも甘いとぴりぴりするもので。渋みがほしい、そんな恋愛を何年もしていない。だからこそ、ホワイトモカを頼んだのかもしれない。荒磯ふれあい公園。ここが私の安全地帯。寂しくなるたびに海まで車を走らせる。きっと、ふたりであることの心地よさを知っているから、ひとりがさびしい。その心地よさをわかっていないから、ひとりがさびしい。処女膜がやぶれるって、こういうこと？
マッチングアプリは、他のさびしさを埋めるトークアプリとは違う。と、思っていた。
"私が私であること"に重視しすぎてて、わたしを"わかってほしい"がつよすぎたのかも、しれない。わかんない、わかんない、自分の意思が波に流されて、涙が笑窪にたまるだけ、雨はずっと、降らない。流したい曲すらも自分の意思はなく、私を見つけて、私をすくって、っていう抑えましょう、自分の欲。見て見ぬ振りをしていたけれど、今年は、秋が長い。長過ぎる秋の代償は、二人を知って、ひとりになること。
きっと、"他人に明確な悪意を向けたことのある人間"は、しあわせになれない。それが道理で、それだけを止めなくてはいけない。自分の中の、なにかが溢れてしまう前に。