やりたいことを「見つけて」「形にする」ことができるから、ファッションは楽しいんだとおもう。【sneeuwインタビュー、2年後の後追い】
雪浦さんとはじめてお会いしたのが前回までの記事のインタビューのときだったと思います。
sneeuwのお洋服をそのまま人にしたような、やわらかくて、その中に知的さや芯のつよさを感じさせる、人としてもすごく魅力的な方です。
雪浦さんの経歴とか、今のファッションデザイナーというお仕事で活躍されている姿をみて、「やりたいことを仕事にするには」というような話はしやすいのですが、雪浦さんは「見つけるちから」と「形にするちから」がすごくあるんだろうなぁとおもってます。
これはあくまで私の想像なんですが、雪浦さんにとってファッションデザイナーとは「やりたいこと」の中からたまたま選んだひとつにすぎなかったのかもしれません。
きっとプロダクトでも、グラフィックでも、大学のときに志されていた建築でも、どれも「やりたいこと」で、きっとどういう道を選ばれても今のように活躍されていたんじゃないかとおもいます。
「見つけるちから」とは「日常の中で少しのちがいに気づけるちから」ともいえます。
毎日の仕事のなかでも、学校でも、歩く道や乗る電車の中でもなんでもいいのですが、どれだけ単調なくり返しでも昨日と今日は確実にちがう1日です。
当たり前のことですが、それに「気づこうとすること」が大切だと思うのです。
そういう「気づき」がきっと毎日を楽しくしてくれるし、それは「やりたいこと」とか「やりがい」を見つけることにも通じていくんじゃないでしょうか。
そして、やりたいことを「形にする」こと。
これはもう、「考えること」「行動すること」「続けること」だと思うのですが、このことにすなおに取り組んでいけるひとはほとんどいません。
よけいな考えが浮かんだり、躊躇してしまったり、面倒くさくなったり。
「やりたいこと」をしてるはずなのに、私たちの身にはどうしてもそういうことが起こります。
私たちはすぐに結果を求めたがってしまいます。
今していることの意味とか価値が本当にあるのかをたしかめて、安心したいのかもしれません。
意味や価値のわからないことを続けるのはすごくしんどいことですが、今になってまわりを見ていると、そういう「意味や価値がわからないこと」を続けてきたひとだけがその仕事をしっかりと続けていて、途中でやめてしまったひとは次の仕事もやめてしまってることが多いように思います。
すぐに結果のでるようなことは気持ちがよくて楽しいかもしれませんが、それは毒にもなりうるということを、気に留めておかないといけません。
やりたいことを「見つけて」そして「形にする」ことができるからこそ、雪浦さんはやりたいことを仕事にして、それが「sneeuw」というブランドのおもしろさでもあるともおもいます。
クリーンな雰囲気をベースに、日常を少し「ズレた目線」で見てみることから生まれる、ユーモアやしかけがおもしろい毎シーズンのコレクションと、
音楽、画、写真、演劇など、他業種のクリエイターとつくる作品やグッズ。
「ファッション」に軸足があるからこそ、いろんな「やりたいこと」にもう片足をつっこむことができる。
そういう「ファッションデザイナー」という仕事がやはり雪浦さんにぴったりなのかもしれません。
sneeuwが今年はどんな「やりたい」を見つけて形にするのか、私も楽しみしています。
雪浦さん、これからもよろしくお願いしますね。