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LCQ ピックアップラウンド解説
お久しぶりです。おふとんです。
少し久しぶりの記事になってしまいました。
というのも最近はCGLコーチのVAshizukuさんと「eスポーツ裏方ラジオ」というPodcastをはじめてまして、今までのnoteで書いていた内容をこっちのPodcastでしゃべることが増えてしまったので、なかなか題材探しが難しいんですよ。
いわゆる何かしらのテーマについて考察する系の記事はこれからPodcastを主戦場にして、noteでは画像を使いながらの試合解説記事がメインになりそうです。今後ともご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
さて本筋に話を戻しますと今月に開催されるSix Invitetionalに向けて各地域でLast Chance Qualifier(略してLCQ)が開催されていました。このLCQの試合から良いラウンドや微妙なラウンドを抜き出して、今回は解説していきたいと思います。
1. TSM vs MRG: MRGの彫像・記念品室攻め
まず1つ目のピックアップラウンドはNA LCQのTSM vs MRGのラウンド5でのMRGの彫像記念品室攻めです。
「チームとしての攻め」に上手くノックを組み込んだMRGの攻めを解説していきたいと思います。
まずはTSMの基本的な守りの形を確認しましょう。
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最も特徴的な点としてウォークインクローゼットに人(①)を配置して守っています。
さらに彫像の3枚にミラ窓を貼り、ミラ裏(②)からベッドをコントロールし、天文およびバスルームをスモーク(③)がコントロールすることで、ワマイがウォークインクローゼットの窓から侵入してくる敵のみを警戒すればよい構図を作り上げています。
攻撃側としてはベッド側から攻めたいときに、基本的にはガジェット主体によるウォークインクローゼットのコントロールを目指す必要がありますが、当然防衛側はそこに投げもの阻害ガジェット等のリソースを多く割いてくる分、なかなか容易にはコントロールできません。
MRGはノックによるスニークを駆使しながら以下のステップで攻めを行うことで、こうした防衛のセットアップに対して真正面からぶつからずに上手く躱しながら、エリアと人数の優位を広げていきます。
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天文階段にあるガジェットをフローレスで破壊
ガジェットが無くなった天文階段にノックが静かに入り込みコントロール
バスルームの窓からプレッシャーをかけることで、バス窓エントリーを抑えるタスクを与えられているスモーク(③)を釣り出す
釣り出されたスモーク(③)をノックがロックで倒す(赤矢印の動き)
バスルーム側のカバーがいなくなったことで、バスルームからとウォークインクローゼット窓から挟み撃ちする形でウォークインクローゼットのワマイ(①)を倒す(青矢印の動き)
ノックと聞くと、使用者のセンスに依存したスニークのイメージを持ちがちですが、今回のMRGのように「チームとして攻め」の1ピースとしてノックに明確なタスクを与えた攻めもあるという一例として紹介しました。
是非皆さんも固定観念に縛られず、色んなオペレーターの色んな可能性を模索してみてほしいです。
2. TSM vs MRG: MRGのベーカリーセット
2つ目のピックアップラウンドは同じくNA LCQのTSM vs MRGのラウンド4でのMRGのベーカリーを制圧するセットです。
エンドプランまで見据えることができなかったため、序盤うまく行ったにも関わらず落としてしまったMRGの攻めを解説していきたいと思います。
まずはTSMの基本的な守りの形を確認しましょう。
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TSMは1階に平面展開する形の防衛セットアップであり、ベーカリーへの攻めに対してはベーカリーに置いた盾の裏から、タチャンカ(①)がガジェットで遅延しながら対応する形になっています。
攻撃側としてはベーカリー側から攻めたいときに、基本的にはガジェットで盾を壊し、射線もしくはガジェットによってベーカリーの敵を排除してコントロールを目指す必要がありますが、第一章で解説したヴィラのウォークインクローゼットの守り同様、一般的には防衛側はそこに投げもの阻害ガジェット等のリソースを多く割いてくる分、なかなか容易にはコントロールできません。(今回はADS等が盾を守るように割かれていませんが)
手荷物にもイェーガー(②)が入っていることからスモールベーカリー側からの進行も難しく、ベーカリーの入り口のバリケードからのみベーカリー裏のタチャンカにはアプローチできな構図になっています。
このTSMの防衛のセットアップに対し、MRGは第一章同様、以下のステップで攻めを遂行し、防衛のセットアップに対して真正面からぶつからずに上手く躱しながら、エリアと人数の優位を広げていきます。
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ベーカリーの入り口のバリケードを開けてロック(ピンクの射線)し、ベーカリー裏の敵(①)を動けない状態にする
手荷物側からの射線を切る形でスモークを焚いて、ブリッツがスモールベーカリーの窓からエントリーし(青矢印の動き)、ベーカリーのタチャンカ(①)をキル
2のステップの間にグラズがスモーク越しにロック(赤矢印の射線)をして、手荷物側(②)からのスモーク抜けプッシュを警戒
この形で見事ベーカリーのコントロールを得たMRGですが、第一章の攻めと結末は大きくことなってしまいます。
その明暗を分けたポイントはエンドプランまで見据えることが出来ているか否かです。
今回のMRGのベーカリーをとるセットは、ベーカリーを取る段階で持ってきたスモーク4個を全て使い切ってしまい、サイトでプラントを通すまでのガジェット的な余力が残っておらず、ベーカリーで停滞した結果、リテイクを仕掛けてきたTSMに悉く撃ち負けてしまいました。
本来であれば、「サイトプッシュをする用にスモークを最低2つは残しておく」であったり、(そこまでスモークを使う必要はないと思いますが)「ベーカリーを取るのに4つスモークが必要なら、そもそもスモークを6個持っていく」など、サイトプッシュにスモークを使ってプラントすること(すなわちエンドプラン)を見据えたラウンド設計をする必要があるのですが、そこを怠ってしまった結果、ベーカリーを取った先の動きが手詰まりになってしまい、ラウンドを落としてしまいました。
先日アップロードしたeスポーツ裏方ラジオ#5(良ければ聞いてみてください)でも少し触れましたが、セット主体の攻めを行う際にはエンドプランまで見据えて、勝利に繋げていくことが重要なので、セットを考える際にはこうした視点を持ってみなさんも考えてみてください。
3. Secret vs Outsiders: Secretの資料攻め
最後のピックアップラウンドはEU LCQのSecret vs Outsidersのラウンド1でのSecretの資料攻めです。
ファーストプランが上手くいかなかったときにノックを起点にセカンドプランを進めていくSecretの攻めを解説していきたいと思います。
比較的オーソドックスな武器庫・資料防衛をするOutsidersに対して、SecretはOSAを使った現地への直接的なアプローチを仕掛けます。
この直接的なアプローチに対してOutsidersはうまくC4で迎撃し、Secretのファーストプランが崩れてしまいます。
しかし、Secretはそこから焦らずに一旦平面でロックを敷きます。このタイミングで、1階をコントロールしていたノックのフラグ突き上げを並行して行うことで、敵を上手く動かし人数有利を拾うことに成功します。
勝因自体は2回目のプラントに対するsheppardのC4が何故か刺さらなかったことだと思いますが、ファーストプラン失敗→焦らずセカンドプランを遂行するSecretの試合運び自体は参考になると思うので、みなさんもぜひこういった考えをもってシージをやってみてください。
いかがだったでしょうか。
かなり久しぶりの記事なってしまい、申し訳なかったですが、参考にできる考えだったりをいくつか紹介できたと思います。
今後はおそらくnoteの更新頻度はこれまでと比べると低くなってしまいますが、代わりに毎週月曜20時にeスポーツ裏方ラジオをアップロードしているので、そちらも併せて聞いていただけるとありがたいです!
今日からSix Invitaitonal楽しんでいきましょう!
それでは、また。