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Six Jönköping Major 2022 - CAG vs MNMを振り返ろうや

どうも、おふとんです。

いやぁ、メジャーが終わりましたね。RJIにも来てくれたBDSが優勝ということで、優勝が決まった瞬間ウォォとなった人もかなり多かったのではないでしょうか。
僕は翌日仕事だったので流石に床についていましたが、今回のメジャーもハイレベルな試合が多く、全体として非常に見ごたえがありましたね。

そんな中で、日本代表CAGはグループ突破が期待されていたものの、惜しくもBDの後塵を拝してしまい、グループ突破ならず、という悔しい結果に終わってしまいました。
今回のnoteではCAGのグループステージの戦いの中でも分析しがいのあったMNM戦の1回戦を見て、学びを得ていきたいと思います。


CAG vs MNM @Chalet | Six Jönköping Major 2022 | 21 November 2022 - YouTube

この試合では攻撃で5-1折り返しと最高のスタートを切ったものの、最終的にあと一本が取れず負けてしまったCAGでした。
なぜ攻撃がそこまで上手くいったのか、逆になぜそこまで防衛がうまく行かなかったのかを見ていきたいと思います。


1.攻撃:敵の陣形を崩す攻め

今回の試合では特にバー・娯楽の拠点に対する攻めにおいて、敵が作戦段階では想定していないエリア・方法で接敵することで、敵の陣形を崩し、動かしたところを倒すというコンセプトが一貫してできていたように思います。

このコンセプトが特に表れているのがRound3です。
2階の図書側とサンルーム側からのエントリーに対して強い布陣を敷いています。

Round3開始時のMNMの2階の布陣

まずはMNMの守りを見てみましょう。
・2階に4人のプレイヤーを投入し、①~④のポジションに配置
・②の前にミラ窓を設置し、図書のエントリーをおさえる
・開幕時はサンルーム側にも③④で広めにエリアをとり、サンルーム側からのエントリーに対してもある程度けん制が可能

以上を踏まえると、図書&サンルームという攻撃側がまずコントロールしにかかることが多いエリアに対して、強い布陣を開幕に敷くことで、敵のエントリーを遅らせるというコンセプトの防衛になっています。

そこに対してCAGは①をガジェットで現地に帰らせた後にモンターニュでリビングの階段を上がる選択肢を取り、サポートがなくなった②に圧をかけてロック射線に誘導することでキルを拾います。

図書側かサンルーム側から来るだろうと想定していたMNMに対して、リビング階段という特殊な場所からモンターニュでプレッシャーをかけることで、敵の意表を突き、それに反応して動いた敵をロック射線で倒すというCAGの攻めのコンセプトがまさに刺さったラウンドだったのではないでしょうか。

他のラウンドにおいてもMNMの虚をつく動きで遊撃を動かし、そこをロックで倒す動きがかなり有効打となっており、CAGの攻撃のコンセプトがMNMに対して非常に刺さった試合でした。

2.防衛:半分攻めに対する答えを出せず

MNMの攻撃はマップの半分程度を自分たちが取るエリアとして設定し、何が何でもそこを取りに来る一方で、そうではないエリアには一歩も足を踏み入れないという「半分攻め」を一貫して行っていました。

一般的に半分攻めは必要最小限のエリアを丁寧に取り、最終的にはプラントを狙うコンセプトのものが多いので、それに対する対抗策としてはラウンド序盤・中盤でリスクの低い時間稼ぎの動きをしつつ、敵のプラント位置に対して多くのプラント阻害ガジェットを配備して、時間切れやプランターへのキルを狙うことがセオリーになるかと思います。

これを念頭に置いてRound10のCAGのキッチン・ダイニング防衛を見ていきたいと思います。

2-1.CAGの構成と狙い

Round10の構成

CAGとしては非常に情報収集を念頭に置いた構成となっており、プラント阻害ガジェットはプラント位置を追うことが出来る現地のイーヴィル・アイくらいしかありません。(よく見るとヴァルキリーもC4ではなくインパクトグレネードを持っているので、プラント阻害の意識は強くない構成だと言えます。)

CAGの構成自体は「vs半分攻め」のセオリーから外れてはいるものの、自分たちの半分攻めを通すためにガジェットバリューの低いIQピックを極端に嫌うMNMに対してはヴァルキリーのピックは有効になりうるものなので、問題はないと思います。
しかしながら、当然プラント阻害ガジェットを十分に持ってきていない以上、ラウンドのどこかで情報のアドバンテージを活かして、MNMに対して優位な撃ち合いを仕掛けていくことが勝つためにはマストになってしまいます。

以上のことを踏まえて、ラウンドを見ていくとCAGとしては図書から進行してくる敵に対して情報を活かして勝負を仕掛けようとしますが、返り討ちにあってしまい、人数不利のまま終盤を迎え、現地のイーヴィル・アイが壊されてしまうことでMNMに難なくプラントされてしまいます。
ヴァルキリーカメラの情報を起点に2階のリテイクを敢行しますが、それも返り討ちにあってしまい、ラウンドを落としてしまいました。

2-2.CAGの問題点

このラウンドのCAGの問題点としては2点あると思います。

1点目は構成についてです。
構成の基本コンセプト(情報優位を軸に撃ち合いを仕掛ける)自体は問題ないのですが、気になるのはフロストです。Round7においても、一切マップの北側(2階のベッド、バスルームや1階の記念室など)に足を踏み入れなかったMNMに対してフロストマットでの窓飛び越えエントリーケアは有効打とはなりづらいため、スモーク等のプラント阻害系のオペレーターやスモークグレネードで視界を遮ってプラントしてくることが多いMNMに対してウォーデンをピックする等のより有効なオペレーターをピックしたかったように思います。

2点目はリテイク組の立ち回りです。
何度も言っている通り、今回のCAGの構成の基本コンセプトは情報優位を軸に撃ち合いを仕掛けることです。そしてこのラウンドでは2階のヴァルキリーカメラを起点に2階に対して複数人でリテイクに行くことがCAGが仕掛けたい優位な撃ち合いでした。
しかしながらラウンドの序盤でコミュニケーションミスからフラグでキルを拾われてしまい、リテイクのマンパワーが削がれてしまうだけでなく、リテイクを仕掛けたタイミングもプラントがほとんど通りかけている時間帯となっており、(結果的にはSolotovにリテイク組が2人とも倒されてしまいましたが)リテイクが成功していたとしても設置後となり、リテイクによって得られたエリアアドバンテージを上手く活かすことができない状況でした。
リテイクはプラント体勢に敵が入る前に完了させて、プラントしようにも再度2階のコントロールを取りに行く必要がある状況に敵を追い込むことが理想ですが、今回のタイミングでのリテイクでは撃ち合いの結果にかかわらずそういった状況に持ち込むことは難しい形になってしまいました。
CAGとしては、リテイクを主眼に置いたときリテイク組はラウンド序盤・中盤でどの程度リスクをとるのかを明確にするとともに、何をトリガーにリテイクをスタートさせるかをより明確にする必要がチームとしてあったのかなと個人的には思います。

以上2点の問題点を初見の攻めに対して改善することは難しいものの、ほとんど同じ形のMNMの攻めをRound7で見ていたので、こういった問題点の修正というのは期待したかったところではあります。


いかがだったでしょうか。

個人的にはこの試合のCAGの防衛に関しては事前準備と試合中の修正に問題点があったのかなと感じました。もちろんそもそも簡単なことではないですし、いつもは出来ていたとしてもそれをMajorという舞台で発揮することは非常に難しいと思います。しかしながら、世界で戦っていくということはおそらくそういうことが当たり前にできることが前提になってくると思います。

山荘で再戦したMNM vs CAGの2試合目についても、MNMの半分攻めに対してのコンセプトの修正は見られましたが、MNMも当然ながら1試合目と同じ攻めはしてこず、防衛のコンセプトとしてMNMに有効打は出せなかった印象がありました。(MNMが不慣れな攻め方をしたことによるミスの発生とCAGの個々人の撃ち合い・キルを取る動きが冴え渡ったことがCAG防衛での勝因に思えます。)

現在のメタにおいては試合中に修正できるレベルのスピード感が求められるます。その中において「素早く修正できる力」というのは今後、CAGが大きく飛躍する上で重要なポイントになってくると思うので、ここが改善され、Invitationalで活躍するCAGの姿が見れることを期待したいです。

それではまた。



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