cineca + あわいもん 02
2022.06.29
撮り溜めた写真を見返しながら、会期中に紹介出来なかった事が本当に悔やまれてならない。
cineca の土谷さんが、これまでの活動を経て、今年新たに創り上げたプロジェクト「あわいもん」は、空間全体で感じてこそ、彼女の想いか伝わるものだったから。
昨年、土谷さんから「一年に一度だけ、開かれるお店を始める」と聞いて「どういうこと?営業してない時の家賃とかどうするの?」と色気のない事をまず考えた自分を心から反省したい。
待ちに待ったご招待メール。街の喫茶店くらいの(極めて曖昧な)規模感を想像して向かった先は…
用意されたお菓子や作家さんのアートワークだけじゃなく、外に見える景色も、一人で過ごす、誰かと過ごす、会話の一つ一つも加わって、二度とない時間を生きることができる「作品」がそこにはあった。
cinecaでの表現もそうだったけれど、土谷さんが見ている世界を覗き見ると、同感や共感というよりは「そんな風に見たことなかった」「そんな風に見えるんだ」という、彼女の視線を通して新しい世界(もしくは既にあったものの新しい視点)を教えてくれるような、そんな気持ちになる。
多くの人に広がるというのは、作品についての自身の解釈を手放し、受け取る人に委ねることにもなる。
「かわいい」「きれい」など認識しやすい言葉で作品を形容されるようになった頃にも、土谷さん自身がいたのは、もっと不確かで、境界線の曖昧な「間」であったのではないかなと思う。
違和感からスルリと身をかわすように、彼女が新しく設えた場所は、その「不確かさ」が決して不安ではなく、浮遊感と落ち着いた空気感を併せ持つ、いつまでも身を置いていたい場所だった。
次回の開店は2023年春。
オンラインではこの時に集った作家さんの作品が、今でも購入できるようです。👇👇
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