動くことで見えるもの
昨日、僕の個人企画「おぶちゃ」で過去に上演した作品「おぶちゃ#7」を有料公開した。
「有料で過去作品をUPする」という行為に対して、人によって様々な意見(正義)があって、基本的にその正義でジャッジされるものと思っているけど、僕の考えをちゃんと自分の気持ちを言葉にして表明するって大切だなと思った。
なので、経緯や気持ちについて心のままに書いてみる。
▼“この先のこと”を考える
緊急事態宣言が39県で解除されて、都心部でも徐々に人が外に溢れ出して、多くの人が通常の世界に戻りたがっている。
でもやはり、もう以前のような世界に戻ることは難しいと感じている。
将来、ワクチンが開発されるかもしれないけど、ウイルス自体は死滅しないだろうし、別のウイルスが発生するかもしれない。油断しちゃいけない状況が続くはずだ。
そうなってくると、僕らのように生で(オフラインで)仕事をしてきた人たちは、この先の生き方を考えないといけなくなる。もうその状況は3ヶ月以上前からやってきていて、みんなそれぞれ考え、行動に移している。
“この先のこと”=未来をどう生きるか。
新たな可能性を考えるか、
強引にこれまでのやり方を貫き通すか、
これまでの世界に戻ることをただただ祈り待つか、
誰かが答えを出すのを待つか、
世間の流れに身を任せるか、
別の仕事に就くか。
未来の選択肢に正解なんてないが、僕らには決断をする必要があった。
▼“これまでのこと”を考えた
未来を考えるうえで、現在地を知っていないといけない。
僕は19歳でお芝居をはじめて、20代前半はひたすら舞台にのめり込み、20代後半で団体の主宰やケーブルテレビのレギュラーなど舞台以外ことも経験させてもらい、今に至る。
4〜7月の仕事が全てなくなり、自分がやりたいことってなんだろう?と日々考えた。答えはシンプルだった。
それは、
誰か楽しませる世界観(場所)をつくること。
4〜7月で大きく4本の仕事が無くなった。
4月(脚本・演出)、5月(演出助手)、6月(出演・企画)、7月(制作)。
最初は役者だけしかなかったけど、色々なことをやらせてもらえるようになってきた。
でも僕にとっては誰かを楽しめる世界観を作れるのなら、自分の役割なんて厭わない。(少なくとも今は。)
「まずはやってみる」の姿勢でこの10年くらい動いた。結果、手段が増えた。ただ考えていただけではこうはならなかった。
考えたことを思い通りにできたことなんて滅多にないけど、動いてきたからこそ、今があるなあと思った。
“これまで”=「まずはやってみる」が築いた居場所。
これからは、これまで築いてきたものを発揮するように
▼誰も傷つけない世界観を
周りくどくなったが、そんな風にしながらなんとか続けてこれた仕事。
ありがたいことに、僕の作品を観たいと言ってくださる方もいる。
これからも、魅力溢れる仲間たちと作品をつくっていきたい。
今回公開した作品「おぶちゃ#7」の脚本。
ここで一緒になった仲間とは、この公演がキッカケとなり、トークイベントやLIVEもともにやった。
お芝居も、トークイベントも、LIVEも、このメンバーとやる時はいつも満席でお客さんもとても楽しんでくださっていて、すごく良い空間だった。
僕はやっぱり、このメンバーとまた芝居がしたいし、LIVEもしたい。
だけど残念ながらかつての【満席】はもう戻ってこない。
今後は50%の動員で満席になる環境に変わる。
僕の個人企画「おぶちゃ」は、スポンサーがいるわけでもなく、広告収入があるわけでもなく、お客さまからのダイレクトの収益で成り立っている。
残り50%を現場の物販でまかなうとなると、結局現場にきてくれた方のみに負担がかかってしまう。それは僕はいやだ。
だからこうして、有料記事を販売させていただき、収益の全額を次回作品の制作費に充てさせていただく。
みなさまからいただいた大切なお金を、僕の大切な仲間との未来に注がせてください。もちろん、無理のない範囲で。
キャストにはこれまで通りにお芝居に没頭してもらえるよう、責任を持って場所作りをしっかりとしていきます。
僕が脚本を書く時に心がけていること。
「誰も傷つけない世界観」をつくること。
これは僕の理念だな、と最近感じます。
生きてると色々とあるけど、現実の世界でもきっと、そんな世界が作れると信じています。
これからも前を向いて動き続けていくので、応援していただけたら嬉しいです。
みなさまと応援しあいながら、お互い楽しく過ごせるよう進んでいきましょう。
安心してお芝居を観てもらえる未来のために、粛々と進みます。
では。