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【 “ズル賢く貪欲” なのには理由があった!? 】 地球の裏側から日本サッカーのヒントを得る

━━━━━ 地球の裏側から “育成年代” を考える

南米の選手たちの特徴として挙げられる “マリーシア”

「ズル賢い」などと表現されるこの言葉には、日本サッカーの発展を考えるヒントが詰まっていました。

地理も歴史も経済も文化も教育も価値観も何もかも全く違う南米から、僕たちは何を学ぶことができるのか?

育成年代指導者は、必見です!!

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※インタビュアー:八田 凌雅(ハッタ リョウガ)

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【 “マリーシア” の本質とは!? 】


◎八田:
ここからはガラッと話の内容を変えて、「アルゼンチンから考える日本の育成について」をテーマにお話できればと思います。
よろしくお願いします!


◉福岡さん:
よろしくお願いします!


◎八田:
率直に質問ですが、福岡さんは「日本の子どもたちはお利口だ」という意見についてどう思われますか?
一概に言えないことは大前提の上で、やっぱり「日本の子どもたちは言うことをちゃんと聞くお利口さんが多い」といったことはよく耳にします。

ただ、僕個人としてそれらはある種の揶揄のようにも聞こえ、「とはいえお利口であることも良さの一つなのではないか?」と思うんですが・・・


◉福岡さん:
そこはいろんな場面で議論になることですよね。

たくさんの考え方がある上で、僕としては「ちゃんとお利口になってほしい」という思いが強く思います。
これは、アルゼンチンで7年過ごして子どもたちと関わる中で、より一層思うことですね。


◎八田:
「ちゃんとお利口」、、ですか?

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◉福岡さん:
先ほど八田さんもおっしゃったように、一概には言えませんし、正しい間違ってるとかの話ではないことは前提での僕の考えですが。

たとえば、コーチが言ったことに対して自分の意見を持った上で本当に納得できたら、そこではじめて「はい!」と返事してほしいなと強く思います。


◎八田:
なるほど。
たしかに、とりあえず「はい!」とか「わかりました!」みたいなことを言うことは多い気がします。
でも、顔色見る限り「いや絶対わかってないでしょ!!」と思うことは、僕も指導者をしていた頃にめちゃくちゃありました。笑


◉福岡さん:
よく聞く話ではあると思いますが、アルゼンチンの子どもたちは本当にわからないことには「わからない」とハッキリ言うし、自分の意見をちゃんとコーチに述べてくる子どもが多いです。
もちろん、そこにはリスペクトが必要になるし、言い方や態度も大事になってきます。
こっちの子どもたちでも、内気な子もいれば、ただ単に頑固なだけの子もいますし。笑

それでもやっぱり、ちゃんと自分の意見を持って自分の頭で考えることは重要だと思います。


◎八田:
言葉の意図や本質を「頭」に届かせて噛み砕く前に、ただ言葉として「耳」で聞いただけで「はい!」と返事をしてしまうことが多いのかもしれませんね。

「表面だけを切り取る」「目的を見失って手段にとらわれる」といったことは、僕含めてやってしまいがちだなと。
・・・まあ、日本という国はマネする力を以ってここまできたって考え方もありますが。笑


◉福岡さん:
そうですね。
それこそ、南米予選のアルゼンチン対ブラジルなんかもそうでしたが、こっちの人たちは「目的から逆算して手段を選ぶ」ということに長けているなと。

たとえば、絶対に能力や体格で勝てない相手がいた時に、「勝つ」という目的から逆算した時にどうやったら勝てるかを、けっこう手段を選ばずにやっているなという印象があります。


◎八田:
審判との駆け引きだったり、見えないところで引っ張り合ってバチバチしたり・・・とかですか??


◉福岡さん:
まさにそうですね!
そういったものがいわゆる「マリーシア」と呼ばれるものになると思うんですが、これも本質は「ただズル賢い」のではなく、「目的のために手段を選ばずにやった結果」であると、僕は思います。

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◎八田:
物凄く戦略的ですね!
対して日本は、「自分たちのやり方」とか「〇〇の仕方」といった手段(方法)に捉われて目的を見失ってしまってるようなシーンは、代表から草の根までサッカー界でもあるような印象です。


◉福岡さん:
もちろん、日本とアルゼンチンでは地理も歴史も経済も文化も教育も価値観も、全く違います。
だから、単純に比較することはナンセンスだなとは感じています。

ただそれでも、クリエイティビティが高かったり、勝利に対して貪欲な子が多いことには、ちゃんと理由があるということは知っておくべきかなと。


◎八田:
昨年のイベント(※)でもおっしゃっていた「何もないからクリエイティビティや貪欲さが生まれる」というアレでしょうか・・・!?

フッコネ (1)

※昨年10月に一般社団法人FiC主催のイベントにご登壇いただきました!


◉福岡さん:
そうですね!
日本に比べて、インフラも整っていない、サッカー用具も揃っていない
大人とサッカーをするという時には、能力も体格もない
貧困な家庭に生まれた子どもは、お金もチャンスもない

「ない」という状況が多いからこそ、「じゃあどうする?」と考える機会が多くなります。
その時に、クリエイティビティや貪欲さというものが生まれるんじゃないかと考えています。

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◎八田:
この仮説は、本当におもしろいですね。

「ないものがない」といえる環境にある日本において、
「ない」という状況をいかにつくり出せるか

ここに、日本サッカーや教育の発展のヒントがあるような気がします!


【 受け手の “受信力” が問われている 】


◎八田:
先ほどもチラッと出ましたが、表面の情報や手段にどうしても捉われてしまいがちかなと思っています。
情報も溢れかえって海外の情報もたくさんある今、そういった情報とか理論とかと、僕らはどう付き合っていけばいいのでしょうか?

海外に住まわれている福岡さんならではのご意見、聞かせてください!


◉福岡さん:
やっぱり、SNSなんかに出てくる情報をみると、かなり断片的で切り取られて誇張されているものが多いと思うことはありますね。


◎八田:
そうなんですか!?


◉福岡さん:
海外の監督とかのインタビューや解説の訳が、微妙に違ったり誇張されていたり、もしくは前後の文脈を無視して切り取られていることもなくはないなと。

そういったものもあるので、見る側も懐疑的になる必要はあるかなと思いますね。

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◎八田:
なるほど・・・
たしかに、もはや発信が誰でもできる今、「エンタメ」や「ビジネス」として発信することも多いですもんね。


◉福岡さん:
間違いないですね。
そうなると、どうしても発信側は「見られること」が目的になってしまうため、その事実は知っておくべきかなと。


◎八田:
発信側の発信力ならぬ、受け取り側の「受信力」が重要になってきますね。


◉福岡さん:
だからこそ、溢れた情報を鵜呑みにするくらいなら、一度現地に実際に行ってみることが大事なんじゃないかと、僕は思います。
そこで一次情報に触れて、肌で感じることでわかることもたくさんあるので。


◎八田:
前編のお話と繋がりますね。

▼前編↓↓

悲観的になってあれこれ調べて頭でっかちになるくらいなら、一度現地に足を運んでみることが大事であると!
僕も、また海外に行きたいなって思いました!


◉福岡さん:
アルゼンチンで待ってますよ!笑


◎八田:
ぜひ行きたいです!

最後に、福岡さんの今後についてお聞かせください。
福岡さんは、これからどうなっていくんですか!?


◉福岡さん:
まずは今の活動をしっかり向き合って、今シーズンを戦い抜くことを第一に考えています。
長期的には日本に帰ってくる予定でもあるので、アルゼンチンで活動した経験を活かして、日本サッカーに少しでも貢献できたらなと思っています。


◎八田:
福岡さんのこれからが楽しみです!
ご活躍、引き続き応援しております!

ありがとうございました!


◉福岡さん:
こちらこそ、ありがとうございました!!

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<ゲスト紹介>

◉福岡和樹 氏
C.A.Huracá U11監督 / C.S.R Español トップチームアシスタントコーチ
神奈川県相模原市 1988年8月1日生
<指導歴>
❏ 大沢FC(ジュニアユース)
❏ 神奈川県立城山高等学校(外部コーチ)
❏ FCガンジュ岩手(トップチーム フィジカルコーチ)
❏ MIRUMAE FC 岩手 (ジュニア、ジュニアユースアシスタント)
❏ ボカ・ジュニアーズ日本支部(スクール メインコーチ兼通訳)
❏ C.A.HURACAN (アルゼンチン1部 U8 第一監督)
❏ C.A.HURACAN BABY FUTBOL (2012.2011 監督)
❏ C.A.SAN MIGUEL (アルゼンチン3部 トップチーム ビデオ分析官)
❏ C.S.R Español (アルゼンチン5部 トップチーム アシスタントコーチ)
<保持ライセンス>
❏ JFAコーチングライセンス C級
❏ Grupo 575(アルゼンチン)フィジカルコーチ レベル1
❏ ATFA(アルゼンチン)コーチングライセンス レベル2(S級相当)

▷Facebook:https://www.facebook.com/kazuki.fukuoka1

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<運営紹介>

◎ 一般社団法人FiC
「WORK WITH PRIDE 〜誇りと共に働く〜」をコンセプトに、日本サッカー界で起きている様々な問題を解決するべく、サッカー指導者が総合的に学べるコミュニティ事業を展開。10代〜40代まで幅広い年代の、サッカーや指導に想いを持つメンバーが所属する。
現在は、関東圏のみならず関西、そして全国に200名以上の会員を抱え、サッカー指導者が学べる機会や情報のほか、会員一人一人のキャリア支援や、講演会をはじめとしたイベントの企画/運営も実施している。
2021年7月に大阪支部がスタートし、2021年秋には第6期生を募集開始。

▷Twitter:https://twitter.com/FiC_Official_?s=20
▷Instagram:https://www.instagram.com/fic__official/

▼お問い合わせはこちら↓↓

<作成>
◎取材・文・編集:
八田 凌雅(OFF THE PITCH スタッフ)

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