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【 ドイツでクラブ運営をする日本人 】 “適応能力” に重きを置いた制度には、サッカー指導にも通じるいろんな気づきが…!

━━━━━━ 140字じゃ語れないことがある

ドイツにてクラブ運営をされている山下喬(やましたたかし)さんをお招きしています!

最終章となる今回、クラブ運営に限らずサッカー指導者にも通じる大切な気づきがありました。

ぜひ、お楽しみください!

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◎インタビュー:シー(OFF THE PITCH Staff)

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【 選手を育てようとしない 】

◎シー:
第2章を通じて、山下さんがFCバサラマインツを立ち上げた経緯や狙いはわかったんですが・・・
ぶっちゃけ、実際に選手は育っているんですか!?


◉山下さん:
もちろん、僕らもまだまだ発展途上で勉強する必要があることが前提の上で、、
こんなこと言うと元も子もないんですけど、成長するかどうかは選手によるってのが正直な結論です。


◎シー:
やっぱりそうですよね…笑


◉山下さん:
それこそ、岡崎とこのチームを立ち上げた時に話をしていたことがあって。

「Jリーグで活躍している選手がブンデスリーグにきて全員が活躍できるか?」と言われたら、そうじゃないこともあるじゃないですか?
それは、「上手い下手」に関わらずの話で。

どういうことかというと、こっちに来たときには適応能力が必要になるんですよ。
言葉はもちろん、環境やサッカーそのものが違う中で、自分の能力を100%出すためには自分が適応する必要があるんですよね。


◎シー:
サッカーのこと以前に、全く違う環境そのものに適応することが必要であると?


◉山下さん:
まさにそうです。

でもこれって、アマチュアでも同じようなことが言えるなと思っています。
あくまで僕の感覚ですけど、日本でプレーしていたときのパフォーマンスを100とした時に、ドイツに来てすぐ100を出せる選手ってそうそういないんです。
どうしても最初は60~70くらいのパフォーマンスしか出せないんですけど、それでも平均的には半年くらいで100のパフォーマンスを出せるようになってくるんです。

ただその中で1ヶ月で100を出せるようになる選手もいれば、適応することができずに1年が終わってしまう選手もいますね。

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◎シー:
そこが、まさに「選手による」ということなんですね。


◉山下さん:
僕らの仕事は、できるだけスムーズに選手たちがドイツでのサッカーに入っていけるように手助けするということです。
そのため、適応速度を早めるために何が重要かということに重きを置いているんです。


◎シー:
選手の適応能力を伸ばすサポートをすることで、成長速度を早めるんですね!



【 新しい海外挑戦のカタチをつくる 】


◎シー:
最後に、今後のFCバサラマインツの目標などあれば聞かせていただきたいです。


◉山下さん:
僕らがクラブを立ち上げた当初は、ドイツの5部まで昇格させようという目標がありました。
自分がドイツに来て最初のクラブが5部のチームだったのもありますが、ドイツのリーグは、5部がセミプロで、4部からプロリーグの扱いになります。
4部でプレーする多くの選手がサッカー給だけで生活をしているんです。

ただ実際、「プロになりたい!」と思ってドイツにやってくるサッカー留学生のレベルでは4部でプレーするのは正直難しいのが現実です。


◎シー:
難しいんですね。


◉山下さん:
僕らが4部まで上がってしまうと、そういった日本の若い選手たちを受け入れることができなくなってしまうという問題があり、ドイツに来て1年目は5部のバサラで準備、レベルアップし、2年目から4部のクラブに挑戦していくという絵を描いていました。


◎シー:
なるほど。


◉山下さん:
ただ、クラブを立ち上げて段々と昇格していく中で、僕らのクラブをどんどん昇格させていくのも面白いなという気持ちが出てきて。
選手の育成というのを考えたときに、セカンドチームを整備することでクラブ内でセミプロからプロへ昇格というルートを作ってあげるのがすごくいい形なのかなと思っています。

もちろん資金的にまだまだ課題はあるんですが、そうやって選手がプロに挑戦できる場を今後は作っていきたいですね。


◎シー:
そうなんですね。
日本人の若くて優秀な、けれど埋もれてしまった選手を照らしていく、すごく良い取り組みで、とても応援したくなりました!

インタビューは以上となります!
ありがとうございました!!

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◉山下さん:
こちらこそありがとうございました!

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<ゲスト紹介>

◉ 山下 喬(やましたたかし) 氏
FSVマインツ05の育成年代を指導したのち、2014年にドイツでサッカークラブ「FCバサラマインツ」を設立。11部から5シーズン連続リーグ昇格に導く。
|FCバサラマインツ:https://basara-mainz.com
|Twitter:https://twitter.com/taka_jp_de?s=20

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<運営紹介>

◎ 一般社団法人FiC
「WORK WITH PRIDE 〜誇りと共に働く〜」をコンセプトに、日本サッカー界で起きている様々な問題を解決するべく、サッカー指導者が総合的に学べるコミュニティ事業を展開。10代〜40代まで幅広い年代の、サッカーや指導に想いを持つメンバーが所属する。
現在は、関東圏のみならず関西、そして全国に200名以上の会員を抱え、サッカー指導者が学べる機会や情報のほか、会員一人一人のキャリア支援や、講演会をはじめとしたイベントの企画/運営も実施している。
2021年7月に大阪支部がスタートし、2022年2月に6期生の募集を終了した。

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<作成>
◎取材:シー
◎文/編集:八田 凌雅

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