【 ドイツのライセンス制度が改革! 】 その背景には、納得の理由があった!?
━━━━━━ 140字じゃ語れないことがある
そんな思いを持っている方々の、それでも140字に詰め込んだ思いや感情、価値観を深掘るOFF THE PITCHの企画「140字じゃ語れないことがある」。
今回は、ドイツにてクラブ運営をされている山下喬(やましたたかし)さんをお招きし、下記のツイートについてお聞きしまいた!
日本サッカーの発展のヒントも得ることができるでしょう!
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◎シー:
山下さん、よろしくお願いします!
◉山下さん:
よろしくお願いします!
◎シー:
早速ですが、今回取り上げさせていただくこちらのツイートについて詳しくお話ししていただけますか?
◉山下さん:
はい。
こちらの画像を見てもらいたいんですけど、見れますかね?
◎シー:
見えています。
ちょっと言葉がわからないですが、、指導者ライセンスに関するピラミッドですよね?
▼ウェブサイトリンク↓↓
◉山下さん:
そうです。
これは指導者のライセンスピラミッドを表したもので、日本でも同じような図になると思います。
上から、日本でいうS級である「FUSSBALL-LEHRER」(直訳すると「サッカー先生」)、次がA級、そしてA級とB級の間に「エリートユース」というものがあります。
◎シー:
エリートユース!?
それは、一体どんなライセンスなんですか?
◉山下さん:
エリートユースは、育成年代の指導に特化したカリキュラムを学ぶもので、ついこの間まで私もこのライセンスを受講していました。
◎シー:
なるほど。
◉山下さん:
そして、B級の下にはC級があり、その下にあるのが「チームライター」。
これは、指導者ライセンスというよりかは、育成年代のチームをまとめ上げたりするチームマネージャーのような役割についての学びを得る場となっています。
◎シー:
(すごいな、そんなのあるんだ…)
◉山下さん:
・・・という感じのピラミッド型だったものが、今年から変わることになりまして。
◎シー:
(え、ここからさらにバージョンアップ?)
◉山下さん:
今、この画像見えます?
◎シー:
見えます。二股の階段?みたいになってるものですよね?
◉山下さん:
そうです。
見てもらったらわかるとおり、先ほど説明したチームライターからB級までは一つの階段になっているんですが、B級以降についてはどちらかの階段を選べるようになっているんです。
◎シー:
ほう…(画面凝視)
▼ウェブサイトリンク↓↓
◉山下さん:
画面でいうと、Bから出る左側の階段に「B+」と「A+」というのがあり、これがいわゆる育成年代に特化したライセンスになります。
私が先日受講したエリートユースというライセンスはなくなり、代わりにこの「B+」というライセンスに改名されます。
「B+」ライセンスを取得した人は、次に「A+」ライセンスを取得することになり、この「A+」ライセンスを取得するとブンデスリーガのアカデミーをはじめとする育成年代のトップクラブを指導することが認められるのです。
◎シー:
なるほど。
◉山下さん:
なので、Bライセンスまで取った後には、指導者の希望によって「育成年代に特化したB+のルート」と、「大人のカテゴリに特化したAのルート」のどちらかを選べるようになるという訳です。
◎シー:
そうなんですね。
確かに、育成年代の指導者とトップカテゴリの指導者では、必要な知識や能力やマインドセットが違う部分がありますよね。
構造自体の他に、何か変わった部分はあるのでしょうか?
◉山下さん:
ライセンス取得にあたっての条件についても大きな変更があります。
これまでは、さまざまな種類のテストでの得点によって次のライセンスを受講できるかどうかが決定されていました。筆記、口頭、指導実践などのテストに得点が付けられる方法です。
それが、今回の変更によって「指導実績」が大きく重要視されるようになりました。
◎シー:
指導実績・・・?
◉山下さん:
たとえば、Bライセンス保持の人がAライセンス(トップカテゴリ指導者向け)を受講する場合、Bライセンスを保持した状態で最低でも2年間の監督実績というものがあります。
しかも、男子のトップカテゴリであれば州2部以上(国内6部相当)のチーム、女子のトップカテゴリであれば2部以上、男子U19であれば2部以上での指導経験が必要です。
他には、4部以上の男子トップカテゴリでアシスタントコーチとしての指導実績が条件の一つになっており、この他にも様々な指導実績に関する条件が設定されています。
◎シー:
非常に本質的な基準ですね。
なぜこのような改革がなされたのでしょうか?
◉山下:
ドイツサッカー協会として、優秀な指導者を数多く輩出していかなければいけないという危機感があります。
その中で、選手の年代によって指導者に求められる能力が異なるという事実と、指導者育成の根幹となるライセンス制度の仕組み、この間にギャップがあることに課題を感じていました。
実際、S級ライセンスを持っている指導者の多くが育成年代の指導にあたっているというデータもあるらしく、「育成年代とトップカテゴリで明確に区別して学んだほうがいいのではないか?」というところから今回の改革が行われたと聞いています。
◎シー:
今回の改革は、日本サッカーを見直すキッカケにもなりそうですね。
詳しく教えていただき、ありがとうございました!
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