Matthew Sweet – Altered Beast
93年にリリースされた4作目。
セガの人気ゲーム「Altered Beast」にインスピレーションを受けており、マシューのゲーム愛が反映されている。
アルバムには、いくつも佳曲が収められている。特に「Devil With The Green Eyes」は、ドラマティックなメロディと劇場的な展開が印象的で、代表曲となった。また、「Time Capsule」は、メランコリックなメロディと共に耳に残るリフが響く名曲。「Someone To Pull The Trigger」は、アニメのエンディングテーマのような幻想的で終末感のある曲で、アルバムのハイライトになっている。
アルバム後半には、レジェンドピアニストであるニッキー・ホプキンスが参加している。いわゆる「芳醇な」ピアノ演奏は、曲に深みと繊細さを与えている。また、12曲目の「Reaching Out」では、ニッキーに加えてフリートウッド・マックのドラマー、ミック・フリートウッドも参加している。ゲストが豪華な割にキャリア中最大レベルで地味な曲で、このアルバムをある意味象徴している。
この作品は、前作「ガールフレンド」ほどの商業的成功に至らなかった。ビルボードチャートでは75位にとどまり、評論家からの支持も限定的だった。しかし、良い曲が多く、地味渋ゆえに多くのファンに根強く愛されている作品だ。
現在、このアルバムはストリーミングサービスで聴くことができない。いわゆる「消えた名盤」だ。その理由や具体的な権利関係についてはわからないが、多くのリスナーがこの地味渋な傑作を楽しめるようになってほしい。