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Fujirock2024 初日

今年もフジロックに行ってきた。金曜日一日のみの参加。いろいろ手間がかかることや、体力・気力を考えて、最近は一日だけの参加で、がっつり楽しむことに集中している。金曜参加の理由は、土日で体力を回復させモードチェンジすることと、3日間で一番ヒトが少なく快適ということからだ。
今年も朝5時半に出発。群馬で「あおぞら」という焼肉屋が気になったが行き帰りともに時間が合わず。来年は帰りに寄りたい。10時半には現地入り。暑い一日だった。

Indigo la End

山梨県出身のスーパーギタリスト、長田カーティスのギターを聴きにグリーンからスタート。歌詞はよくわからないが、爽やかなギターロックが苗場ののんびりした昼間にアジャストしていた。カーティスのギターの音も柔らかくて優美。川谷絵音は手足が長くステージ映えしていた。

ROUTE17

遅刻ギリギリだったらしいトシロウがいきなりシャツを脱ぎ捨ててモーターヘッドからのクラッシュで有名なi fought the law。ボーカリストとしての実力は正直よくわからないが、好男児であることは間違いない。
なぜかルート17に頻繁にでるグリムスパンキー(強みがわからん)、今年売り出しているUS(お疲れさん、何で抜擢されたんだろう)からゴッチ登場。ゴッチは忌野清志郎バージョンのイマジンを「MUST END WAR」というプラカードを持って熱唱。メッセージは共感するし勇気も感じて全体としては良いと思うけど、まだ忌野か、このやり方しかないのか。別に良いバーションとも思わないし、周りの雰囲気も純音楽的にイマイチだったと思う。
トータス松本は例の件もあるのでみんな様子見感があったが、大ネタでグリーンを盛り上げた。さすが。
トシロウのトータス松本への気遣い溢れるナイスないじりの後(この辺が愛される由縁だろうな)最後はthe birthdayの「涙がこぼれそう」。これも歌というよりトシロウのMCが素晴らしく、今年のルートはトシロウのシャベリに尽きる。歌はどの歌い手も正直微妙で、チバ不在の寂しさを感じた。
ルート17、ここ数年マンネリに陥っている。演奏は良いが、選曲がいまいちなのと(もっさりした曲ばかりだ)、海外の名曲をしっかり歌える日本人ボーカリストが少なすぎる。

大貫妙子


夜はキラーズに備える予定だったため、昼間のうちに会場を一周しようとホワイトへ。ちょうど大貫婆に間に合った。想定以上に婆さんだったが、話しっぷりがクールで面白かった。「フジロックがついに私がロックだって気づいた」みたいな。曲はよくわからん。

Original Love Jazz Trio


今年のボードウォークも凄く綺麗で、夜通ったら絶対最高だったろうな。抜けた先のフィールド・オブ・ヘブンでは田島貴男が歌っていた。3人編成で、田島氏が上手いとは言えなさそうなギターを弾きながらちょっとパンキッシュに歌っていた。2〜3曲聴いたが昔の熱苦しい歌声では無かった。歌がそんなに響いてこなかったな・・・。

アトミック・カフェ


ちょっと話を聴いていても原発運動の裏側がわかる。それ程興味がなくても、毎回ほっこり休みながら楽しめるステージだ。

TOKYO TANAKA

バンドのイメージと異なり、ほんわかしたDJで良かった。

マカロニえんぴつ


家で子供が年がら年中聴いているので、ある程度曲を知っていた。パワフルでアグレッシヴな演奏。ルート17の連中よりも全然エネルギーを感じた。やはり世代交代とか折衷を進めるべきタイミングだと思う。忘却バッテリーの曲がずば抜けて良かった。
この後、遅れてきた村田とレッドマーキー前の「渋谷スポット」で合流。渋谷の姿が無いのは寂しい限り。村田から村田家200年の歴史を伝える梅干しをゲット。相変わらず切れのある酸っぱさがいい。

OMAR APOLLO


村田とオマーアポロを鑑賞。ジョージ・マイケルとかフレディ・マーキュリーのような独自の色を持つアーティストで、パジャマのようなステージ衣装、オネエな動き、才能は認めるがちょっと合わないか。
OASISに戻り村田と飯を喰らう。沖縄そば。村田からもらったシークワーサーサワーが美味かった。

KING KRULE

最近のUKで高い評価を得ているキングクルールとあって、予想通りの大混雑。ダブっぽい音でゆったり楽しめるかなと思ったら、結構パンキッシュな感じだった。でも演奏は凄く安定していた。一歩先、何が起こるかわからない感じがあって、ロックってこんな感じだよなと再認識。ただ、人が多く熱くて、おっさんにはきつく、初期の有名曲をやる前に外へ出た。

Awich

元々の計画ではホワイトに行ってハードなシカゴ・ハウスのHIROKO YAMAMURAを観ようとしていたが、道中混んだら面倒かなと本命のキラーズまでグリーンに居座ることにした。
正直全然知らないAwichだったが、ショーとしては面白く、飽きること無く楽しめた。ただ、尖ったヒップホップやラップを参考にしたサウンドの方向性がめちゃくちゃで何をやりたいのか伝わってはこなかった。沖縄アクターズスクールの最新版だな、と思ったが、出身では無いらしい。また、散々オーディエンスを煽ったり自分語りするやり方が鼻についた。めんどくさいというか。そういうのじゃないんだよな。シナリオがガッチリ決まりすぎてて、その中で本人がアーティスト写真同様に頑張りすぎててちょっと痛い感じ。最後のポップな曲こそこの人の真髄ではないかと。周りのヤンキーがはしゃいでいた。

THE KILLERS

90年代のロックはカッコつけちゃだめ、やる気出しちゃだめ的なネガティヴなイメージがつきまとっていて。サウンドのフォーミュラこそ90年代ロック(それもUKロックの影響が強い)の尻尾からスタートしたキラーズだが、ラスベガス出身のバンドらしく、キラキラしたサウンドと圧倒的なショーマンシップを武器にトップバンドへの階段を登っていった。
そして、最高の舞台でついにリアルキラーズ体験・・・!素晴らしいステージだった。ブランドンのプロフェッショナルかつ真摯なステージング、生き物のようにアレンジを変える流動的なバンドサウンド、根本にあるひとつひとつの曲の強さ。エンタメ王国アメリカの底力を知った感じ。最後の「Human」「Mr.Brightside」の圧倒的なパフォーマンス。ライブを体感するというのは人間同士のエネルギーのぶつかりを感じるためにいくというか。このバンドが放つパワーは圧倒的で、まさに特上の体験になった。人生のライフベスト5に間違いなく入るわ。

ADDIS PABLO

呆然としながらOASISをさまよい、辿り着いたパレス。程よい混雑の中、ゆるいダブがメロディカを中心に鳴っていた。ダウンにぴったり、これぞフジロック。ありがとう野村訓市アニキ。

Baja

ルーキーアゴーゴーはステージが近く、アーティストのリアルな佇まいが直に伝わってきてとても良い。音も凄く良くて迫力がある。サーカル待ちで観ていたバンドが二人組のBaja。激しいビートとギターに割とポップなメロが載る感じで、これは人気出るだろ。数年後にレッドマーキーでやってそうだ。ボーカルが観客ひとりひとりをしっかり観ていたのが好印象。端っこで観ていた俺も目があった感じがした。

SAKURA CIRCUS

締めにサーカス観ないとフジロックじゃない!!夜空に映える。がちでチル。数年前の少年が今マッチョになって空中ブランコやってんだろなあと若干黄昏れたり。フジロックの異空間のひとつだ。

永井食堂で深夜のモツ煮丼を喰らい、満足して会場を去った。

天気が良くて快適だった。
円安の影響もあり、日本人アクトが多かったが、キラーズのプロフェッショナルなステージを楽しめて、めちゃくちゃコスパが高いフェスになったと思う。
キラーズのステージは、その前の、ショー的要素が強いAwichのステージとのギャップは相当でかくて、やっぱ俺がフジに求めているのはロック的なエネルギーのぶつかり合いだと再認識した。キラーズは凄いパワーを感じた。

来年苗場開催かどうか微妙な状況かと思うが、どこで開催だろうと絶対参加する(東京は無し)。
今年は、ここ10年で最も満足度が高いフジロックだった。ありがとう。



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