見出し画像

The Beatles「Let It Be」を観た

1970年の公開後、なかなか陽の目を見る機会が無かった後期ビートルズの映画。「Get Back」のピーター・ジャクソンにより復元され、ディズニープラスで公開された。
ずっと観たかった映画だった。

永らく、「ビートルズ解散前の争いや口論を生々しく収めた暗い映画」という評判だった。
映画がポールの弾く物哀しいピアノで始まるのと、ポールの独善的なお説教に時間を割いているのと、ポールとジョージの言い争いがあるということで、少しだけ暗い感じ(前半)だが、「Get Back」を観ている者からすれば「ああこういうときもあったね〜」という感じだ。

ジョンとヨーコが踊りジョージが歌う「アイ・ミー・マイン」以降の中盤は、演奏シーンが多く飽きずに観られる。「Get Back」と同様に、ルーフトップコンサートのシーンは、それまでの狭いスタジオから一気に世界が広がったかのような開放感がある。ポールのあざとい感じはウザいが、ジョンのジョークは冴えまくり、ジョージの佇まいはロックスターだ。そしてリンゴの赤いジャケットが眩しく、まるで大相撲の解説の北の富士さんのようだ(長く休んでいて心配です)。
そういえば、グリン・ジョンズの姿はほとんど映らない。「Get Back」では準主役レベルなのに。ビートルズに好まれず、カットされたのだろう。

1時間半程度とコンパクトにまとまっていて、気負い無く観ることができる。
時間があるなら「Get Back」、無いなら「Let It Be」。この程度の分け方で良い感じ。
どっちが好きかと言われればもちろん「Get Back」。作り手のビートルズに対する愛がにじみ出ている。「Let It Be」は60年代ぽい冷たさが映像から伝わってくるかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?