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Stephen Malkmus & The Jicks – Mirror Traffic
11年発表。
ベックがプロデュース。スティーブン・マルクマスとベックという90年代オルタナ・アイコンの共演が話題になった、と書きたいところだが、当時日本ではそれほど盛り上がらなかった。スティーブンの活動が完全にインディー方向に触れていたからだと思う。しかしシンプルでサイケでとても良い作品になっている。
ベックのおかげか、ペイブメント以降の作品では最もポップ。特に7曲目のギターがメインフレーズを奏でて転げ落ちていくような展開は最高。スティーブン・マルクマスの本領発揮だ。
この作品でバンドを脱退する女性ドラマーのジャネット・ワイスも、リンゴ・スター直系、中村一義に通じる「生きたドラム」で存在感を発揮。
ペイブメント以降の作品では最も完成度が高い。スティーブンの神がかったギターも炸裂している。インディー・ギターポップの頂点とも言える作品では。歌がポップということではなく、ギターも含めたサウンド全体がポップの輝きを放っているのが素晴らしい。速弾きやテクニックではないギターの奥深さを感じさせてくれる傑作だ。くどいかもだが、「00年代のガルシア」と呼びたい。