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ソフトロックの美と闇
ソフトロック特集。「ソフトロック」というカテゴリーは日本独自のもの。コーラスやメロディが美しい60年代後半のバンド、ミレニウムやアソシエイションといったカート・ベッチャー絡み、ロジャー・ニコルズ周辺のA&M関係が代表格だが、確たる定義は無い。個人的にはサイケ体験をコーラスで構築しようとした狂気紙一重の美しいロックと捉えている。ソフトロックの代表曲には、きれいなメロディやコーラスの陰に圧倒的な闇を感じる。
Good Vibrations /The Beach Boys
言わずとしれたビーチボーイズの傑作シングル。
サイケデリック。でもポップに昇華。
ソフトロックはサイケから派生していると思う。頂上に君臨しているのがこの曲。
西海岸の明るい日差しの陰。
It's You/The Millennium
68年発表、ソフトロックの金字塔。
ジャケットの扉が象徴、サイケの傑作でもある。
偏執的レベルの名曲が沢山収録されている。
59th Street Bridge Song (Feelin' Groovy) /Harpers Bizarre
ランディ・ニューマン、ライ・クーダー、ジェイムス・テイラーからイールズ、エリオット・スミスの名盤に関与した大物レニー・ワロンカーがプロデュース。
西海岸のソフトロックを代表するバンド。バーバンクサウンド。
サイモン&ガーファンクルの名曲をカバー、これがデビューシングル。グループを代表する曲になった。
Love So Fine/Roger Nichols & The Small Circe of Friends
日本では渋谷系が発見。90年代に大ヒットした。
聴けば必ず独特の世界に連れて行ってくれるアルバム。一方で偏執的な狂気のようなものも感じる。ソフトロックの名盤は多かれ少なかれそういうものを感じさせる作品が多いが、この作品はその極み。
ポップスではなく、ロックな歪み。この歪みこそ広く支持されている要因かと。
ジャケットの女性はその辺にいた人らしい。
My Happiness Day /Eternity's Children
この曲が収められた68年の1stアルバムはミレニウムのカートベッチャープロデュース。
ポップだが、非常にサイケデリックで昼間の狂気のようなものを感じる。
Turn Down Day/The Cyrkle
ビートルズのマネージャーブライアン・エプスタインに見初められ、ジョン・レノンが名付け親。デビューシングルはポール・サイモンの描き下ろしでプロデュースは後にザ・バンドなどで名を馳せるジョン・サイモン。周辺に大物がいたが、そこそこのヒットに留まったバンド。
ガチソフトロックではないが、ポップの陰に闇を感じるところがソフトロックっぽい。
メンバーは解散後弁護士になったらり広告代理店を経営したりと成功したようだ。
66年の1ST収録。
She's Not There/The Zombies
ロッド・アージェントとコリン・ブランストーンを中心としたUKのバンド。
スタンドバイミーの作り直しのような「二人のシーズン」が大ヒットした。
ガチソフトロックではないが、雰囲気がソフト・ロック。
Mr. Dieingly Sad/The Critter
ニュージャージーのバンド。
この曲は66年に17位まで上がった。音が滑らかで気持ち良い。
I'm a believer/the monkees
モンキーズはソフトロック的な曲を沢山作っている。
66年に各国でチャート1位を取った。ニール・ダイヤモンドが作曲。
Windy/The Association
カリフォルニアのバンドで、カート・ベッチャーが1STアルバムをプロデュースするなど関わっている。
この曲はビルボード1位を獲得した代表曲。67年発表。
(They Long To Be) Close To You/Carpenters
狂気を孕んだポップという点でソフトロックの枠に入れたい。
美しい曲だが生きる・死ぬを俯瞰したようなアレンジ、歌。
ポール・ウェラーを初め多くのミュージシャンがカバーしているが、カーペンターズバージョンのようなヤバさは無い。