Sloan – One Chord To Another
96年発表。
カナダの4人組の3作目。前作はゲフィンからのリリースで、相当な制作費をかけて制作されたが、「グランジ」を求めるレーベルとの摩擦によりゲフィンを離脱、このアルバムは低予算で作られた。自由な環境下、過剰なディストーションが薄れ、現在に至るバンドの形=「ラウドなドラムを軸にしたフックの効いたギターロック」を確立した。
高いレベルのシンガーソングライターが4人。曲作りはおそらく腕比べの場だ。合唱を促すような曲ではなく、フックが効いた、聴くほど味が出るスルメな曲が大半を占める。
7曲目「Everything You've Done Wrong 」はソフィア・コッポラの映画「ヴァージン・スーサイド」で取り上げられた。バンド初のチャートヒットになった名曲だ。
9曲目の「The Lines You Amend」は自死についての歌といわれている。ビートルズっぽい名曲だ。バッドフィンガー直系のパワーポップ勢と異なり、ビートルズの良さをしっかり受け継いでいる稀有なバンドだと思う。
時代に関係なく常に最高な一枚。これからもずっと間違いなく大好きなアルバムだ。