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フジロック2025、漂う小粒感
フジロックの第1弾ラインナップが発表された。
ヘッドライナーはFRED AGAIN..、VULFPECK、VAMPIRE WEEKEND。この並びを見る限り、どうしても小粒感が否めない。
FRED AGAIN..は、名前を覚えたのが最近だが、Boiler Roomのライブ映像を見て実力の高さを実感した。シンセのキラキラ感とエモーショナルなメロディー、クラブシーンの最前線を感じさせる勢いは確かにある。深夜のレッドマーキーで観れば、間違いなく盛り上がるはずだ。ただ、グリーンステージのヘッドライナーとなると、合うの?って感じ。音楽性は優れているが、フジロック全体の「顔」として考えると、やはりインパクトに欠けるか。
VULFPECKもライブ映えするバンドだ。ファンクやジャムバンド的なノリは、フジロックの開放的な雰囲気にマッチする。観客を巻き込むパフォーマンスも期待できる。ただ、ヘブンかホワイトステージのトリあたりならしっくりくるが、グリーンステージのヘッドライナーとしては迫力が足りないのでは。朝霧のトリあたりが相応しい。
VAMPIRE WEEKENDは全盛期を過ぎた感じが否めない。前作『Father of the Bride』は良い曲もあったが、全体的に勢いは感じられなかった。以前、昼間のグリーンステージで観たときも、どこか物足りなさが残った。軽快なサウンドや洗練されたポップ感は評価できるが、日が沈んだ後のメインステージを締めるには役不足だろう。むしろ、ホワイトステージのトリやグリーンのトリ前の方が自然だ。
ヘッドライナーに不満はあるが、他の出演者には期待できる顔ぶれが。
FOUR TETやJAMES BLAKE、BARRY CAN’T SWIMなどのエレクトロ系アーティストは、フジロックのステージで魅せてくれそうだ。特にFOUR TETは、最近のライブパフォーマンスがどれも好評で、フジとどう融合するか期待している。
最大の驚きは山下達郎の出演だ。レジェンドのプロフェッショナルなステージを苗場で観れるのは特別な経験になりそうだ。昔からのファンだけでなく、若い世代やサンプリングネタ経由で知ったリスナーにも刺さるだろう。フジロックという場に達郎がどう馴染むのか、現場で体験したい…。俺は土曜日無理だけど。
全体的に見れば、ラインナップ自体は悪くない。しかし、フジロックという特別なフェスにふさわしい「大物感」は足りない。ヘッドライナーには、もっと誰もが知っていて、共通言語で話せる存在感が求められる。