60年代ロック俺的ランキング40枚。
レコード・コレクターズの60年代ベスト企画に便乗。俺的なやつ。順位は適当だが40枚選べと言われたら毎回似たようなものになると思う。あくまで自分の感覚で選んでいるが、刷り込まれた歴史的な評価とかが反映された感じの40枚になっているかと。
1 The Beatles – Revolver
丸く柔らかい音だった前作から、高音が効いたヘヴィなサウンドに変化。ロック感と覚醒感が増した。
ジョージが飛躍したM1、常に発見があるポールの佳曲M2,5,10、作風が変わってきたジョンのM3,7,9,11,14など最高な曲だらけ。演奏もアイデア豊富。傑作だ。
この数年、様々なプロジェクトでビートルズの評価はかつてないほど高まっている。今こそ1位がふさわしい。
2 Led Zeppelin – Led Zeppelin
破壊力抜群。
雷のようなドラムとクールなギター、ロバートプラントの霊長類最強の雄叫び。無条件で降参。作品に込められたパワー、熱量、迫力が凄すぎる。録音もヤバい。
3 Traffic - Mr. Fantasy
67年発表。若き天才シンガースティーヴ・ウィンウッドがジム・キャパルディ、クリス・ウッド、デイヴ・メイスンと結成したロックバンド。ジャズ、R&B、ブルース、フォーク等を雑多に混ぜ合わせ全体をサイケに味付けして纏めた感じのデビュー・アルバムだが、抜群の完成度と孤高のオリジナリティを誇る。特に5曲目Dear Mr Fantasy。スティーヴの歌声、ギターソロが抜群にかっこいい60年代後半を代表する名曲だ。
4 Bob Dylan – Blonde On Blonde
混沌としたエネルギーを感じるボブ・ディランの代表作。
相当「ストーン」な状態で作られたんじゃないか。ビートルズやローリング・ストーンズのように音色や曲調によるわかりやすいサイケではなく、演奏の雰囲気やグルーヴからドラッグの影響を圧倒的に感じる稀有な一枚。「Stuck Inside of Mobile with the Memphis Blues Again」などの、ぶっ飛び気味な疾走感も最高。
5 The Beach Boys – Pet Sounds
6 The Grateful Dead – Live / Dead
俺的にはAKIRAの覚醒で崩壊したネオ東京で金田とケイに空から降り注ぐ一条の光みたいな。
ライブ・アルバムのオールタイム・ベストでは間違いなくランクインする作品(1位は絶対無いけど)で、グレイトフル・デッドの代表作。アシッドテストを後追いできる歴史的、教科書的な一枚でもある。
生き物のようにどよめくアンサンブルの中で、キラキラ輝くジェリー・ガルシアのギターが最高。色褪せることのない素晴らしさ。
ある程度経験値が無いと理解できない作品とは思う。
7 The Allman Brothers Band – The Allman Brothers Band
69年11月発表。60年代最後の傑作アルバム。
デュアン・オールマンの神々しいギターが存分に楽しめる。俺はクラプトンやジミヘンよりもデュアンが好きだ。突き抜けたフレーズを弾けるギタリスト。現世を凌駕している。
8 Rolling Stones– Let It Bleed
69年。ミック・テイラーの加入により南部志向を更にグレードアップ。ライ・クーダーとグラム・パーソンズからも養分を吸収。
時代の雰囲気を音に反映、異様なテンションと生々しさが漂う、恐さすら感じる傑作。
Gimmie ShelterやMidnight Ramblerの緊張感は2020年代にも有効。世界は残念ながら大きく変わってはいない。
9 Captain Beefheart & His Magic Band – Trout Mask Replica
相当いびつだが、崩れそうなギリギリのところでポップ・ミュージックとして存在しているのが凄い。ずっとわけがわからない音楽だったが、最近になって(とはいっても15年前ぐらいだが)凄さを理解した。
90年代以降のオルタナなバンドに大きな影響を与えた作品。
10 The Beatles – With The Beatles
ロックンロールビートルズ。アグレッシヴな演奏をしっかり捉えたジョージマーテンのプロデュース能力、凄い。ビートが生きている。
ジョン・レノンのロック王道ど真ん中な黒く弾けるボーカルを堪能するならこのアルバム。聴けば誰でもノックダウンだ。
11 Fleetwood Mac – Fleetwood Mac
この後長い歴史を作るバンドの、パンク的な破壊力を持ったデビューアルバム。ピーター・グリーンの侘び寂びに満ちた切れ味良いギターがいつ聴いてもクソかっこいい。ブリティッシュ・ブルースアルバムの最高峰。UKではチャート4位と健闘。
12 Tony Joe White – Black And White
トニー・ジョー・ホワイトのデビューアルバム。
スワンプロックを代表する激渋グルーヴ炸裂の大傑作だ。エルヴィスプレスリーも大好きな代表曲のポークサラダアニーを収録。
無駄な装飾が無い、男気あるサウンドが時代を超えてかっこいい。
13 Bob Dylan – Highway 61 Revisited
アル・クーパーのオルガンが唸る一曲目は勿論最高。だが、その他の楽曲のロック的な破壊力、ポップソングとしての魅力も、ボブ・ディランのキャリア中最高峰で、アルバムトータルで完成度が高い作品。
ブロンド・オン・ブロンドのような(良い意味も含めて)緩みが無い、緊張感のある気迫の一枚だ。
14 Traffic – Traffic
出入りが激しいデイヴ・メイスンのシンプルなポップセンスが冴える2ndアルバム。特に2コードで作られた「Feelin' Alright?」はバンド史上最大のヒット曲となった。サイケ、ジャズ、フォーク、ロック、ポップがぐちゃぐちゃになった混沌を、気持ちよく楽しめる一枚。
トラフィックは最近取り上げられることが少なく、歴史の本道から消えつつある感じだが、いやいや待てよ、クソカッコイイし、60年代という時代を象徴する作品だろ。これからも聴き続けます。
15 Roger Nichols & The Small Circle Of Friends – Roger Nichols & The Small Circle Of Friends
今日、たまたまフリッパーズ・ギターを聴いた。自分の中での「渋谷系」の存在が相当でかいことを再認識。
この作品、まさしくエバーグリーン。いつ聴いてもキラキラ輝いている。やたらとサイケデリックでもある。
16 The Beatles – Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
年々俺の中でこのアルバムに対する評価は高まっている。ギンギンな音、素晴らしいメロディー、そして圧倒的にサイケな雰囲気。早朝聴くと最高。まさに別世界へ。
17 Miles Davis – In A Silent Way
エレクトリックマイルス期のサイケでチルアウトな大傑作。ちょっと怖いぐらいの迫力でひとつひとつの音がアグレッシヴに迫ってくる。アルバム1枚聴くと長編映画を見終わった後に近い満足感と疲労感を覚える。
ジャズとロックがサイケデリックを媒介に絡まり、凄まじい化合物となった69年だからこその作品。
18 The Beatles – Abbey Road
最も高い完成度を誇るロックアルバムのひとつ。
この時代ならではの「世界が終わる感じの雰囲気」をしっかり形として残し、そのままバンドが終わった綺麗な作品。
ジョージの名曲「something」は00年代以降評価が鰻登り。ビートルズの代表曲のひとつとなった。
19 The Millennium – Begin
ソフトロックの象徴的な作品とされるが、ジャケットの大きな窓が象徴するように、強烈にサイケデリックなポップアルバムだ。ぶっ飛んだポップソングが幾つも含まれている。聴くたびに覚醒。
時代が生んだ名盤。
20 Led Zeppelin – Led Zeppelin II
狂騒の中で慌ただしく作成されたセカンドアルバム。
凄まじいパワーを作品に込めることができたのは、エンジニアのエディ・クレイマーの貢献がでかい。
代表曲「胸いっぱいの愛」を超える破壊力を持ったバンドは、残念ながらこの後出てきていない。
21 The Fifth Avenue Band – The Fifth Avenue Band
22 The Beatles – Rubber Soul
23 Jeff Beck – Truth
24 Small Faces – Ogdens' Nut Gone Flake
25 Dr. John – Babylon
26 The Move – Move
27 Simon & Garfunkel – Bookends
28 James Brown – James Brown Live At The Apollo, 1962
29 Moby Grape – Moby Grape
30 Booker T. & The M.G.s* – Green Onions
31 Crosby, Stills & Nash – Crosby, Stills & Nash
32 The Meters – The Meters
33 Nazz-Nazz
34 The City – Now That Everything's Been Said
35 Mike Bloomfield And Al Kooper – The Live Adventures Of Mike Bloomfield And Al Kooper
36 The Velvet Underground – The Velvet Underground
37 The Rolling Stones – The Rolling Stones
38 The Butterfield Blues Band* – East-West
39 Bob Dylan – Bringing It All Back Home
40Rolling Stones* – Beggars Banquet