ファースト・リパブリック銀行破綻の衝撃と今後の資産運用のヒント
1.ファースト・リパブリック銀行破綻の原因と状況
ファースト・リパブリック銀行は、サンフランシスコに本拠を置く中規模の銀行で、主に富裕層やテクノロジー企業を顧客としていました。
2023年4月24日に発表された第1四半期決算によると、同行は年初から1000億ドル以上の預金を失い、資金調達コストが資産収益率を上回るという深刻な状況に陥っていました。
同行の株価は3日間で60%も暴落し、連邦預金保険公社(FDIC)による管理下に置かれる可能性が高まりました。
同行の経営陣は、市場での競争力を高めるために高利回りのローンや証券に投資し、利子率リスクや流動性リスクを過小評価していたと批判されています。
同行は他の大手銀行から300億ドルの預金を受け入れたり、新たな株主を探したりするなどして生き残りを図っていますが、成功の見込みは低いと見られています。
2.日本経済と世界経済への影響
ファースト・リパブリック銀行は日本の金融機関とも深い関係にありました。同行は日本円建てローンや証券を多く保有しており、日本円建て資産の価値が下落すると損失を拡大する恐れがあります。
日本の銀行や投資家も同行に預金や出資をしており、同行が破綻すればその債権が焦げ付く可能性があります。特にメガバンクや地方銀行は同行から高利回りの預金商品を販売しており、顧客への影響も懸念されています。
世界経済にとっても、ファースト・リパブリック銀行の破綻は深刻な打撃となります。同行は富裕層やテクノロジー企業を顧客としており、その資金流動性や信用力が低下すると、消費や投資に悪影響を及ぼします。
また、同行の破綻は他の中規模銀行にも不安感を広げる可能性があります。すでにシリコンバレーバンクやシグネチャーバンクが連邦当局によって救済されており、中規模銀行のビジネスモデルや資金調達方法に疑問符がついています。
このように、ファースト・リパブリック銀行の破綻は日本経済と世界経済に多大な影響を与えると予想されます。金融システムの安定性や信頼性を維持するためには、当局や他の金融機関の対応が重要となります。
3.今後の資産運用の仕方
ファースト・リパブリック銀行の危機は、資産運用においても注意が必要であることを示しています。特に中規模銀行や高利回りの預金商品に頼っていた投資家は、リスク管理や分散投資を見直す必要があります。
資産運用の仕方は個人の目的や期間、リスク許容度などによって異なりますが、一般的なヒントとして以下の点が挙げられます。
預金保険制度の範囲内で預金を分散させる。預金保険制度は250,000ドルまでの預金を保護してくれますが、それ以上の額は自己責任となります。複数の銀行に預金を分けることで、万一の場合にも損失を最小限に抑えることができます。
株式や債券などの有価証券に投資する場合は、国内外や業種や期間などで分散する。一つの市場や企業に偏らないようにすることで、市場変動や倒産リスクに対応することができます。
海外金融商品に投資する場合は、為替リスクや政治リスクなどを考慮する。海外金融商品は高い収益性を期待できますが、通貨価値の変動や政治的不安定さなどによって損失を被る可能性もあります。そのため、ヘッジ手段や信頼できる情報源を活用することが重要です。
4.お勧めの海外金融商品
海外金融商品は多種多様であり、投資家のニーズや目的に応じて選択する必要があります。ここでは、ウェブ検索結果から得られた情報をもとに、いくつかの海外金融商品を紹介します。
グローバル・ファイナンシャル・ディベロップメント・データベース。世界銀行が提供するこのデータベースは、214カ国の金融システムの特徴を測る108の指標を含んでいます1。金融機関や市場の深さ、アクセス、効率性、安定性などの側面を捉えており、1960年からの年次データが利用できます。このデータベースを利用することで、世界各国の金融システムの状況や動向を把握し、比較分析やベンチマークなどに活用することができます。
海外投資融資。日本政策投資銀行(JBIC)が提供するこの融資は、日本企業の海外直接投資を支援するものです2。日本企業(投資家)、海外日系企業(合弁企業を含む)、海外日系企業に出資や貸付を行う外国政府や金融機関などに対して融資が可能です。JBICは特定のリスクを引き受けることで、通貨換算や送金などに関する政治リスクなど、海外事業に特有のリスクを低減することができます。また、JBICは中堅・中小企業やM&A活動などに対しても積極的に融資を行っています。
クレジット・スイス・グループ債券。クレジット・スイス・グループは、スイス最大の銀行グループであり、世界各国で幅広い金融サービスを提供しています3。同グループは2023年3月に発生した世界的な銀行危機によって経営危機に陥りましたが、同年4月にライバルであるUBSグループによって救済されました。この救済により、同グループの債券は価値が回復し、信用力も向上しました。同グループの債券は高い利回りと安定性を兼ね備えた海外金融商品として注目されています。
5.まとめ
本記事では、ファースト・リパブリック銀行破綻の影響とこれからの資産運用の仕方について説明しました。
ファースト・リパブリック銀行は高利回りのローンや証券に投資しすぎて資金繰りに行き詰まり、連邦当局による管理下に置かれる危機に陥りました。この破綻は日本経済と世界経済に多大な影響を与えると予想されます。
資産運用においては、預金保険制度の範囲内で預金を分散させたり、株式や債券などの有価証券に投資する場合は国内外や業種や期間などで分散したり、海外金融商品に投資する場合は為替リスクや政治リスクなどを考慮したりすることが重要です。
また、グローバル・ファイナンシャル・ディベロップメント・データベースや海外投資融資やクレジット・スイス・グループ債券などの海外金融商品もお勧めです。これらの商品は高い収益性や安定性を期待できるだけでなく、世界各国の金融システムの状況や動向を把握することにも役立ちます。
以上が本記事の内容です。ご参考になれば幸いです。😊