失敗しないオフショア開発の外注・依頼の方法-ドキュメント編-
こんにちは、失敗しないオフショア開発の花井です。
今回は、失敗しないオフショア開発の外注・依頼の方法について説明していきます。
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なぜオフショア開発では外注・依頼の方法が大切なのか?
オフショア開発について、検索や情報を調べてみると、失敗しやすいなどの情報が目につきます。
そもそもシステム開発は情報量が多く、簡単ではありません。
その上で、オフショア開発で失敗しないために、通常のシステム開発に加えて気をつけるポイントがあります。
オフショア開発の外注・依頼で気をつけるポイント
大きく分けると
オフショア開発会社の探し方・選び方
要件定義や開発ドキュメント・デザイン・テストなどのドキュメント類
契約内容(契約書・検収・納品物など)
があります。
今回は、
要件定義や開発ドキュメント・デザイン・テストなどのドキュメント類
について詳しく説明をしていきます。
オフショア開発でドキュメントが大切な理由
オフショア開発だけでなく、システム開発ではドキュメントが非常に大切です。
なぜなら、システム開発会社の開発者はサービスのプロではなく、開発のプロだからです。
社内チームで、サービスや業界に精通した開発者のみでシステム開発を行うのであれば、ドキュメントが多少質の低いものでも開発者で対応できるかもしれません。
しかし、文化も違うベトナム人が開発するオフショア開発会社では、日本のサービスを隅々まで理解することは簡単ではありません。
そのため、開発するサービスを正確にプロダクトに落とし込むには、質の高いドキュメントが必要です。
どのようなドキュメントを作成して依頼すれば良いのか?
ではどのようなドキュメントを作成して依頼すれば良いのでしょうか?
ドキュメント作成と検索すれば、基本的なドキュメントから様々なドキュメントの作成の方法が出てくるかと思います。
オフショア開発において特に大切な項目は
要件定義書
デザイン指示書
フローチャート
テスト項目書
になります。
余力があれば、データベース図、非機能要件なども作成すると良いですが、この項目については、上記のドキュメントを参考に作成できます。そのため上記のドキュメントをしっかり作ることで、そのほかのドキュメントも質の高いものを作成することができます。
質の高い要件定義書、デザイン指示書、フローチャート、テスト項目書を作成することはオフショア開発にとって良いプロダクトを開発する非常に大切なポイントです。
要件定義書
要件定義書とは開発するサービスの
目的
登場人物
体験
機能
などをまとめた書類です。
サービスについての特徴や目的などを大きな項目から詳細まで記載していきます。
例えば、従業員を管理するシステムであれば
目的
企業は従業員の情報を管理することが出来るシステム
登場人物
企業
従業員
体験
企業アカウントは、メールアドレスでユーザーアカウントを作成する
企業アカウントは、従業員アカウントを発行することが出来る
従業員は、発行されたアカウント情報を使用して、システムにログインすることが出来る
機能
企業アカウントサインアップ・メール認証・パスワード再発行機能
企業アカウントログイン・ログアウト機能
企業アカウントマイページ・企業アカウント情報表示・企業アカウント情報変更
従業員アカウント作成機能
従業員ログイン機能
従業員マイページ・従業員アカウント情報表示・従業員アカウント情報変更
と言った内容です。
実際には、もっと詳細まで記載していきます。
要件定義を作るコツとして、出来るだけ簡潔に書きましょう。
ベトナムのオフショア開発では、全てベトナム語に翻訳されることがほとんどです。
難しい言い回しをせず、簡潔に、リストなどを多用して、分かりやすい要件定義を作成します。
視覚的な内容や分かりづらい情報は、次で説明するデザインで説明します。
文字で無理に説明せずに、デザイン指示書で補います。
デザイン指示書
デザイン指示書は
デザインモックアップ
デザイン項目指示書
の二つを作成することが大切です。
デザインモックアップ
画面や表示する内容などの下書きを作成します。
綺麗なデザインである必要はありません。
こちらは、弊社で作成したデザインモックです。
ツールはFigmaを使っています。無料でも使うことができますので、ぜひ使ってみてください。
見てわかるように、画面と簡単な情報、画面遷移が分かります。
要件定義で分かりづらい情報もデザインにすると伝わりやすいです。
デザイン項目指示書
デザインの情報にデータのラベルを追加したドキュメントがデザイン項目指示書です。
例えば先ほどのデザインモックに補足でラベルを追加してみましょう。
A1,A2のラベルを追加して、同じデータであることを明確にします。
またコメント機能を活用して、データの表示の補足をしています。
オフショア開発では、通常は日本語がわかる通訳や翻訳が開発チームにいますが、第二言語である日本語を全て正確に把握することは簡単ではありません。
そのため、このように、誰でも分かりやすい形にして、誤解を防ぎます。
フローチャート
要件定義書・デザイン指示書では分かりずらい、または説明が長くなってしまうものはフローチャートを使って説明していきます。
例えば、トップページの検索についてフローチャートを作ってみましょう。
このようなフローチャートになります。
検索ボタンをクリックした時に、入力フォームが入力されているかチェックをして、入力されていれば、検索結果画面を表示する。入力されていなければバリデーションエラーを表示してトップページに戻る
バリデーションエラーの内容は、リストで記載すると分かりやすいです。そのため、分かりやすく記載できるものは要件定義書にテキストとして記載します。
テスト項目書
最後にテスト項目を作成します。
先ほどのトップページの内容をテスト項目書に記載すると
(F1)都道府県は要件定義の都道府県一覧から選択できる
(F2)市区町村は選択した都道府県から都道府県の市区町村一覧を取得して選択できる
(F3)料金選択は要件定義の料金選択一覧から選択できる
検索ボタンをクリックする。(F1, F2,F3)が選択されていない場合、要件定義の項目xxのバリデーションエラーメッセージを表示する
検索ボタンをクリックする。(F1, F2,F3)が選択されている場合、検索結果画面を表示する
このような要件のテスト項目を作成します。
オフショア開発会社に依頼する前に用意するには
このようなドキュメントや書類をオフショア開発会社に依頼する前に用意する必要があります。
しかし、実際にはこのような書類を用意することは難しい場合が少なくありません。
なぜなら、発注する側は、開発について慣れていないことも多く、書類を作ったとしても抜けている場合も少なくありません。
実際には、発注する予定の開発会社と共同で作成していくことになります。
発注するための書類を作成する実際
発注するための書類を作成するには実際には以下のようになります。
要件定義書(素案)を作成する(発注者または開発会社と共同)
デザインモックアップを作成する(発注者または開発会社と共同)
概算見積もりの作成と確認(開発会社)
概算見積もりで大方の費用の合意または詳細見積もりの作成依頼(無料または有料)
要件定義書・デザインモックアップの完成(開発会社)
詳細見積もりの作成と確認(開発会社)
契約
フローチャートとテスト項目書、そのほか書類の完成(開発会社)
開発スタート
このような流れになります。
まとめ
オフショア開発会社に発注・依頼する前に様々な確認事項とドキュメントを作成し進めていきます。
このことからオフショア開発を始める前に、オフショア開発が成功するかどうかは決まっているとも言えます。
失敗しないオフショア開発の発注・依頼では、オフショア開発会社の探し方も重要です。
今回説明した書類やドキュメントを作成するかどうか、作成した場合、質の高い書類を作成できるかどうかがポイントになってきます。
発注する前に、書類やドキュメントの作成内容を確認することが大切です
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