オフモデルのトレール車があるとオフロードが盛り上がる!と考えるわけ
みんな忘れてるだろうけど、昔のレースには自走くんが一定数いた。
さすがにレアだったが、JEC以前のヒダカでも見たことがある。あの寒い時期に、キャンプしてる猛者もいた。(昔のヒダカは10月で、雪がちらつくこともあった)
てか、1週間走るTBIは(特に初期は)、自走のほうが多かったんじゃないか?まあ、あれはラリーなので事情が異なるが。
エンデューロのレース出た過ぎる
— きいちゃん (@D_xt250moto) July 28, 2022
そもそもトランポがないから無理やけど😭
イヤイヤイヤ。そんなんじゃ敷居上がり過ぎ。
トランポなんかなくたって、昔は自走でレースに行けたんだ。俺も初めてのレースは自走だった。Damoriさんも、決してレアケースではない。
初のレースは栗岡のEDでした。
— Damori (@DMBradshaw45) July 14, 2022
新古車で35万のDT200WRで普段履きのピレリMT21ラリークロス履いて自走で現地入り。
登りでセロー225乗ったオジさんにブチ抜かれて悔しい思いした。
この頃はマシンも種類豊富で敷居も低かったな〜 https://t.co/9W3JxnUUxg
CRM、XLR、ディグリー、DT、セロー、TTはまだ出たばっかだったかな、RMXも出始め、TS、DR、SX、KDX、KLXなどなど
— Damori (@DMBradshaw45) July 14, 2022
車種を見るに、たぶん1992~93年くらいだね。
振り返ってみると、トレール車の多さにシビレルねえ。トコトコ系からパィンパィン系まで、トレールで選べたんだよ。新車で。しかも50万円前後で!
おまけにRMXやKDXは、トレールと並行してRの付いた同名レーサーもあった。今となっては贅沢に感じるな(笑)。失って初めてわかる、親のありがたさに似てる。
栗丘はここ。
Damoriさんはデイモン・ブラッドショーのファンみたいだから彼のwikiも置いておこう。
彼は流星のように現れて、去っていったライダーだったよ(個人的な印象です)
俺、この「16歳のデイモン」を見てるんだ。
wikiに繊細と紹介されてるが、見た目の印象もシャイなタイプだった。バイクに乗ってる時とは雲泥の差。マネージャーなのか家族なのか、付き添いの方から離れなかったしな。ま、16歳じゃそんなものかもしらんが。
さて。
Damoriさんがブラッドショーのファン(たぶん)なのを見ても分かるように、「オフ車に乗ってる人はオフ系レースのスターを応援する」傾向にある。
自分がやってるのがEDだとしても、SXやMXも応援する。なぜなら「自分の経験をベースにして、彼らの凄さを理解できる」から。
バイクに全然乗らない、あるいはオフロードの経験がない場合、SXの大ジャンプを見ても、「レーサーに乗ればああやって走れるんデショ」的な感覚に陥りやすい。凄さを理解できないし、金を出してまで応援しようと考えない。プロのあまりにスムーズな走りゆえにね。
これは、誰もが経験している野球やサッカーは、「プロの凄さを理解して応援する人が多い」ことを思えばわかるだろ?
だからこうなるんだ。
マジこれだよな😄
— まつてつ (@maxspeed4188) July 19, 2022
成田さんがスーパークロスで表彰台上がった時も感動したし、今も凄い事が起こってる😄
でも、テレビのニュースなんかまったくやらん…
テレビはつまらんなあ https://t.co/uerT3MTMja
「世間に伝わらないこと」をTVはやらない。視聴率がとれないから。
(というか、そもそもTVマンが丈選手の凄さを理解できない。バイクに乗ってないだろうし、ましてダート走行経験なんかナイだろうから。)
もし高度成長期に丈選手が活躍していたら、その動向がTVにバンバン流れてただろう。でも、バイク(それもオフ)を体感できる環境が激減している今、世間は丈選手の凄さを理解できない。
彼がスムーズに走れば走るほど、その凄さは理解されない。
「ああいうバイクに乗れば誰でもあんなふうに走れるんデショ?」程度にしか理解されない。
逆に言うと、トップクラスでもイゴるHEDは、素人にも理解されやすい。その意味でHEDには芽がある。あるが・・・・初心者に、まして自走でHEDはお勧めできない。
コレ読んでるあなたも経験あると思うんだが、オフ車でツーリングしてると出先でこんなふうに声を掛けられる。
「ああこれ、TVで(今なら「ネットで」か?)見たことあるわ。ピョンピョン飛んで走るヤツやろ」
いやソンナ、これ乗ったら誰でもピョンピョンちゃいますわ。第一これトレールやし、サスが対応しませんがな。
・・・・と心の中で思いつつ、俺は「おっちゃん、よう知ってまんな!」とニッコリしてる。
説明が面倒だから。
とにかく。
やってみて初めて理解できることは多い。
そういう意味では、未舗装路が多くて、アシとしてバイクに乗ってる人が多かった高度成長期には、オフロードファンを増やすのも簡単だった。
(というか、今 曲がりなりにもオフが残ってるのは、あの頃の余韻に過ぎないかもしらん。こんな物言いは寂しいが。)
鈴木忠男さん、虎雄さんあたりの世代は、一般の人が普段のアシ=バイクでガンガンダートを走ったし、そのダートは今よりずっと身近だった。自宅前からダート、とかね。
つまり、Pantzskiさんの言は正しい。
新規参入のキーになるのは割とマジで猿だと思ってる
— Pantzski (@2rinbaka) July 13, 2022
無料で走れる身近にある河川敷は、今も新規参入を支えるゲートになっている。
(無料河川敷を走る件に賛否両論あるのは知っている。ただ、理想論と現実は別物なので、今回は現実の話をしておきたい)
忠さん世代、あるいはそれより少し後も、こういう若者は少なくなかった。
「車もバイクも免許を持ってませんでした。でも乗りたかったので、近くの広場までバイクを押して行って、そこで乗ってました」
これは、当時の少年のデフォ。ちょっと名の知れたライダーなら、たいていはこうやって自主練していた。
うろ覚えだが、鈴木秀明さんだったかな?自転車でリアカーを引いてバイクを運んでたのは。
免許もカネも無きゃナイなりに、工夫してたんよ、みんな。
当時は、河川敷や空き地、あるいは造成地・・・至る所でバイクに乗れた。そんなに頑張らなくても、数キロも押せばどこかの空き地に着いた。たとえ東京でも。
そうそう、90年代まではお台場もMXerが走ってたんだよ。下の記事でちょっと書いたけど。
コースを走るのはチョット特別な日。ふだんは近所の空き地で(もちろん無料で)練習してた。だってカネ無いもんなw
そういう時代だった。
高度成長期は、建物も道路も造成に次ぐ造成だったから。そして、あの頃の造成地は「外から勝手に入ってくる人」に対して寛容だったから。
逆に言うと、敷地内で怪我をしたからといって、勝手に入った人間が管理者を訴えることもなかった。
まあ、各人が鷹揚だったとも言えるし、今の感覚で言うなら無法地帯だった。お互いが許し合えるならそれでよかったんだ。
今は、そうはいかん。たとえ無断侵入で怪我されても管理者は法的に罰せられるし、侵入者は管理者を平気で訴える。ヌスットタケダケシイヨノナカジャノウ。だから、管理者が塀を高くして敷地を囲うのも、林道を立入禁止にするのも止む無しなんじゃ。
あのころ、バイクに興味を持った小中学生が造成地に集まった兄ちゃんたちを眺めていると、「おい坊主、乗ってみるか?」と声をかけてもらえた。俺もそういう兄ちゃんたちに誘われて、バイク初体験を済ませた。
今みたいに「怪我でもさせたら訴えられる。子供には関わらないのが一番」な時代じゃなかった。見知らぬ大人も子供をかまって、一緒に遊んでくれた。単なる通りすがりでも。
親も忙しかったから子供なんか放置だし、監視の目も緩かった。今みたいに、「親が一緒に遊んでくれる」なんてなかった。
表現を変えれば、子供は自由だったんだ。当然、怪我や誘拐のリスクもあったがね。
下の()は余談。読み飛ばしOK.
(今のおっさんたちは、そういうリスクを搔い潜って生き抜いた残党だから強かなんだ。うるさくて面倒だろうが。
強かじゃないヤツは、あるいはアンラッキーだったヤツは、リスク背負って幼少期に亡くなっている。
今の若者はインフラが整って大事に育てられてる=死亡率がグッと下がった世代だから、昔なら生き残れなかったタイプも多いはず。いい時代だ。嫌味じゃなく。
余計なお世話だが、せっかく大人になれたんだ、おっさんどもの毒気にやられんなよ。)
まとめると。
※新規参入を後押しするのは気軽に乗れるモデルと場所。
※人は自らが経験することによって他人の凄さを評価できる。
他のレジャーが少なかったのを差し引いても、昔のオートバイレースの観客は、万単位で観客が集まった。
TVはまだ放送開始直後で普及していなかったが、こうした大会は新聞に取り上げられ、人々の話題になった。繰り返しになるが、一般の、そこらのオジサンオバサンの話題に。
なぜなら彼らはふだんのアシで未舗装路を走ってたから。何度も言うが、当時は「家の前から未舗装路」時代。
参考写真 戦後すぐ、昭和21年(1946年)の横浜

高度成長期、昭和40年(1965年)場所不明

写真はこちらの方からいただきました。(じきにアカウント消すそうなので写真を抜粋して掲載。申し訳なし。)
ちょっと懐かしい風景という事で、昭和40年(1965年)の風景の再掲。場所は不明です。
— 戦前~戦後のレトロ写真 (@oldpicture1900) June 25, 2022
父娘で商売しており、お父さんが紙芝居をやり、娘はドンドンと太鼓を叩いて紙芝居がきたよーと知らせ、子供たちを集めてます。 pic.twitter.com/ixhXD0qXRH
環境が現在とは雲泥の差。
というわけで、下田丈選手があれだけ活躍しても、その凄さが一般に伝わっていない。先だっては優勝までしたのに、スポーツニュースに大々的に取り上げられない。
そういうことなんですよ。未知の世界すぎて凄さが伝わらないんです。
丈選手がスムーズに走れば走るほど、「簡単に見える」バグ。そういう意味ではHEDのほうが、分かりやすい凄さだわな。エルズがTV受けするのは「分かりやすい」から。
さて。
ここまで読んで「免許を取って初めて乗る人が、気軽に選べるトレールモデルが大事」というのはご理解いただけたと思う。
初心者本人はもちろん、トップライダーにとっても大事なんだ。応援してもらえる可能性が上がるから。社会的に認めてもらう可能性もグッと上がる。これはマジ。
そしてもちろん、「それを乗る場所」もセットなのは言うまでもない。場所が無けりゃ体験できないからね。
そこで出てくるのがぺろりんさんのこのツイートだ。
とはいえ自走・純正タイヤで参加できるイベントががが
— ぺろりん (@pero_JK) July 14, 2022
軽トラレンタルしてこい、レースの為だけにタイヤ替えてこいってのは初心者にはキツいんじゃないかなーって思います😅
特にタイヤは店で交換になるだろうし、普段履きじゃ怖いタイヤだし😂
まあ別にイベントに参加しなくても、楽しく走れる場所があればいいんですが、そうはいっても参加してみたいわな。今となってはダートは林道か山道しかないし、それですら通行禁止、立入禁止ばっかだしな。
じゃ、レースに行ってみるか・・・・と調べてみれば、最近はレースといえばHED成分が多めで、昔のスタンダードED(耐久モトクロス的なエンデューロ)は激減している。
HEDでは「自走・純正タイヤで参加できるイベント」にならない。
(カブ自走で奈良虎に参加したポッター氏のような方もおいでだが、「やれるかどうか」と「勧められるかどうか」は別物だ。ちなポッター氏も、帰りは、若さんにトランポで送ってもらってる。)
俺の知ってる範囲で安心してお勧めできるのは、東はハッピーエンデューロ、西はハッピーファン、かな。ここらのレースなら今でも自走くんが存在しとるよ。
ハッピーエンデューロは、クラスによってはメチャクチャになれそうだが、そこらへんは主催がうまく誘導してくれ。
http://www.zokeisha.co.jp/dsed/
http://www.zokeisha.co.jp/dsed/race/
こういうレースが本当に減ってると思う。
とはいえ、地元のバイクショップがやるようなこじんまりとしたイベントはまだまだ残ってる。まずはオフロード好きなショップを探してみるのは手だ。行きつけショップがあるといろいろ捗るんだ。
で、そういうイベントはここで紹介すべきじゃないと思ってるんで、知ってるのも敢えて書かない。自分のアシで、地元で探そう。自分で見つけたイベントは愛着もわくしな。大事に付き合ってくれよ。
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