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海外旅行2024その3 驚異の確率50% インボラアップグレードと忘れ物の話
インボラについては↓の記事参照。
2024年8月の国際線で
インボラアップの機会があったので
記憶が新しいうちに詳細を書き残しておく。
期日:2024年8月のお盆前後
航空会社:エバー航空
人数:1人
旅程:成田-台北-ミュンヘン/ウィーン-台北-成田
予約クラス:V(エコノミークラスの中でかなり安め)
航空券代金:14万弱(そのうち6.5万程度が燃油サーチャージ等)
航空券の購入場所:Trip.com(一番安かったから)
アップグレードされた区間:成田-台北の往復とも
(4区間中2区間 大谷翔平もびっくりの打率5割)
マイレージステータス:スターアライアンスゴールド
(ANAのスーパーフライヤーズ会員)
往路@成田空港にて
48時間前のオンラインチェックイン開始時点で
わりとすぐに座席指定をした。
エバー航空の場合、航空券購入時での座席指定は
有料で、しかもUSドル建てだったため
超円安の2024年ではなんだかとても割高感。
なので購入時には座席指定をせずに
48時間前のオンラインチェック時に、
残っている座席の中から自席を選んだ。無料。
成田空港には1時間半前ぐらいに到着。
チェックインカウンターで荷物を預ける際に
地上スタッフのEVA姐が私に尋ねた。
「お連れ様はいらっしゃいますか?」
このときに「もしやこれは?」と思った。
インボラは一人旅の方が起こりやすい(多分)。
連れはいないという私の返答後にEVA姐は言った。
「ビジネスクラスへのお座席変更の可能性がありますが
よろしいでしょうか?」
キタコレ。
とりあえずエコノミー席の搭乗券を出すが、
アップの場合はゲートにて新しい搭乗券を
渡すとのこと。合点承知。
出国後、搭乗ゲート近くにユナイテッド航空の
ラウンジがあったので、そこに入った。
エバー航空もユナイテッドもANAもスターアライアンス。
乗客はスターアライアンス加盟の航空会社なら
どのラウンジを使ってもよいのだ。
ユナイテッド航空ラウンジの入室時に
搭乗券のバーコードを読み込むとブザー音。
搭乗券にはスターアライアンスゴールド会員と
印字されていたので、受付のUA兄には
「ラウンジに入っていいYO」とは言われたが、
この時点でエコノミー搭乗券が無効化されていて
インボラアップが確定していたのかも。
そして搭乗時。搭乗ゲートで同様にブザー。
カウンターへどうぞと案内された先には
すでに私のビジネスクラスの搭乗券が用意されていて
内心ニヤニヤが止まらない。
(正確に言うと、エバー航空では機材によっては
ビジネスクラスと呼ばず、ロイヤルローレルクラスと
呼ぶらしい。ロイヤルローレルの方がビジネスより豪華で
東京線の機材にはロイヤルローレルが設置されている。
ちなみにスペリングはROYAL LAUREL CLASSで、
LとRの発音が苦手な私にとっては鬼門)
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復路@ウィーン空港にて
通路側の席を確保したいので(トイレへのアクセス重視)、
早めにオンラインチェックインを終える。
ウィーン中央駅では、空港行きの電車に目の前で出発され
次の電車まで30分待ち確定。そんなトホホな状況で
エバー航空からメールが届いた。
「お前の乗る金曜午後の台北→成田のフライト、
出発時刻が土曜日の朝に変更になったからヨロシク」
うん、確かに私、前日夜にヨーロッパでNHKの英語版見てて
台風が来るから金曜の羽田発着の国内線続々キャンセルだよって
知ってたけどさ。国際線もそりゃ無理だよね。
ウィーンのチェックインカウンターでは何も言われず、
渡された台北→成田の搭乗券も元の時刻のもの。
搭乗時にゲートでブザーがなりカウンターに呼ばれる。
「台北で滞在する?」と聞かれたので
「接続便がある」と答えた。
そんなの航空会社の人間なら私が台北で滞在するか
すぐ乗り換えるかなんて承知しているはずなのに。
Enjoy your flight!と言われ、そのまま会話終了。
ビジネスクラスの搭乗券をもらうこともなく、
普通にエコノミー席で地獄の12時間を乗り切る。
なんだったんだろう、あのカウンターでの無意味な会話。
復路@台北桃園空港にて
早朝の台北到着はまさかの沖止め
(飛行機がゲート直結ではなく、乗客は専用バスで
ターミナルまで移動する面倒パターン)。
バス下車後には案の定、地上係員が待ち構えていて
成田行きの接続便がある乗客を呼び止めている。
私とひと家族が捕獲され、エバー航空の
乗り継ぎカウンターにめでたくエスコートされる。
カウンターではその家族と隣どうしのカウンターで
別々に対応されたのだが、ここで明暗が分かれた。
私にも隣の家族にも「台風のためフライト時刻が
明日になったから」と説明をしていて、
隣の家族は神妙にその話を聞いているようだったのだが。
私は「可能だったら今日の午前便に振替てくれない?」
と、お願いしてみたのだ。
エバー航空は1日3便の台北桃園発成田行きを飛ばしていて
台北発が午前に2本、午後に1本となっている。
私が本来搭乗予定だったのは午後便。
それが台風のために翌日午前発に時刻変更となっていた。
そして現時刻はまだ当日午前便の出発前。
エバー地上の台湾兄が猛烈にキーボードたたいたり
関係部署に電話をかけたりして尽力してくれた結果
まだ間に合う当日午前便のエコノミー座席をゲット。
多分、となりの家族のように4人グループだと
午前便の空席は確保できなかったかもしれないが、
私は1人だったために、残り少ないであろう空席に
私を押し込んでくれた模様。
同様に、このような急な変更だと
預け入れ荷物の積み込み先も変更が必要になるが、
これも一人分の荷物だと当然少ないので
航空会社の負担も最小限になると思われる。
また、そういえば私、ウィーンでの搭乗時に
「接続便がある」と答えていた。
もしかしてこの返答が、航空会社のコンピューターに
「この乗客は台北での成田行き早発便への振替を
希望している」って感じで記録されていたのかも。
そんなこんなで午前便の搭乗券をもらったのは
搭乗時刻の30分前。割とギリギリだ。
残された時間、急ぎ足でエバー航空のラウンジに急ぐ。
実は私、往路でこのラウンジを使った際に
うっかりサングラスを置き忘れてしまい、
それを取りに行く必要があったのだ。
なんかそういえば昨年もサングラスを
インドの空港で落としたというのに、
私という人間は同じ過ちをまた。。。
エバー航空ラウンジのカウンターで、
8月○日にこんな色のケースに入った
こういうブランドのサングラスを置き忘れた。
と伝えると、「探しておくから、その間に
なんか食べてなYO」とEVAラウンジ姐。
残り時間は少ないけれど、このラウンジでは
ハーゲンダッツのアイスクリームが食べ放題なので
2スクープほどすくってガツガツかっ込んでいると
ラウンジ姐が私を見つけて近寄ってきた。
「お前のサングラス、これか?」
と、彼女はスマホの画像を私に見せてくれた。
そうそう、これこれ。これを台北に忘れたために
夏のヨーロッパをサングラスなしで過ごすことになり
まあまあ大変だったのだ、まぶしくて。
どうやら私のサングラスはラウンジに保管されている
わけではなく、どこか拾得物センターのような場所?
に保管されているらしかった。
そこからラウンジ姐のスマホに画像が送られた模様。
「搭乗ゲートでサングラスを渡せるように連絡しておくから、
飛行機乗る前に忘れずに受け取れYO」とラウンジ姐。謝謝。
ラウンジから搭乗ゲートは結構遠くて、
到着したころにはすでに搭乗が始まっていた。
私はカウンターに向かい、サングラスを
受け取りに来た旨を係員に伝えると
「はいよ。これサングラス。それからお前の座席
1Aに変わったから、新しい搭乗券も受け取りなYO」
1Aって飛行機の一番前の、乗ったらすぐそこにある席。
ってことはもしかして、と搭乗券を見るとそこには
ROYAL LAUREL CLASSとの文字が!
またまた頂きました。
多分、私がこの便に振り替えてもらった後にも
何人かが同様に振り替えたのだろう。
そうするとエコノミー席が定員オーバーするわけで、
結果として玉突きアップグレードになったと思われる。
なんかもういろいろすいませんねぇ。
本来なら変更不可能の格安エコノミーチケットなのに
早発便に変更してもらって、かつ
座席までアップグレードしてくれるだなんて。
今後エバー航空に足を向けて寝られません。
ちなみにエバー航空の成田-台北間の機材はB787長距離線仕様。
ということでロイヤルローレルクラスの座席は
フルフラットになる個人的に☆5つのもの(トップ画像)。
まとめ
別記事でも述べたが、改めてインボラの要因を考察する。
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前提条件→エコノミー座席が満席
台湾へ行く3時間、エコノミー席の4倍5倍ものお金を出して
ビジネスクラスに乗りたいか、って言われて
ぽんとお金を出せる人は何%ほどいるのでしょうか。
かのスティーブ・ジョブズも飛行機移動の際には
エコノミー席しか座らなかったという噂で
(別に所要時間はどんな座席でも同じだからという理由)、
富裕層が必ずビジネス席に座るというわけでもないし。
ビジネスマンの往来が活発なら話は別なのだが、
コロナ禍を経てそもそも出張が減ったり、
かなり上の役職でも片道○時間以下のフライトは
エコノミー席に限るという内部規定があったりとかで、
航空会社は出張ビジネスマンに頼ってばかりもいられない。
そう考えると、短距離線ではエコノミー席は埋まるけど、
ビジネス席はなかなか埋まらないだろう。
今回は夏の繁忙期に加え、復路は台風関係によって
直前になって他の便から振替された乗客が多くなり
玉突きインボラが発生したと思われる。
要因1→一人旅
航空会社にとって動かしやすい。
グループ内だとグループ全員をアップしないと
不公平感が生じてしまうし、アップ先の座席を
グループで並んで座らせるのも航空会社にとって手間。
要因2→マイレージ上級会員
私はANAのマイレージ上級会員(スーパーフライヤーズ会員)で
スターアライアンスゴールドという資格持ちなのだが、
エバー航空にとっては私が今後の太客になる可能性が
他の乗客より少しは高いだろうから、私に恩を売ったのか。
また、本来ならエバー航空のマイレージプログラムの
上級会員からアップさせると思われるが、
台湾の人口は日本の20%程度だ。
人口に比例してエバー航空の上級会員も
あまり多くはいないと考えるのが妥当だ。
(もちろん、どんな国籍であってもエバー航空の
マイレージプログラム会員になることはできるのだが)
そこで、エバーの上級会員がいない場合、
アップグレードのチャンスが提携他社の上級会員
(スターアライアンスゴールド資格持ち)に
まわってくるのではないのだろうか。
要因3→シートコントロールの甘さ
各航空会社は利益を最大化しようと、
本来の座席数を越えて販売することがある。
当日のドタキャンを見越しているからだ。
私は航空会社の中の人ではないので
詳細は不明なのでこれは勝手な憶測。
例えばエバー航空は成田-台北を1日3便飛ばしている。
そのうち1便がオーバーブックして
予想よりドタキャンが少なく座席が足りない、
という状況になっても、まだ空席のある前後の自社便に
あぶれた乗客を振替しやすいと思う。
また、成田台北はエバー航空だけでなく
同じく台湾のチャイナエアラインやスターラックス、
それに香港のキャセイパシフィックにJALまでも、
おまけにLCCが5社くらい飛ばしている激戦区間だ。
オーバーブックの際には、最悪他社便に
乗客を振り替えてしまうことも可能だろうし、
なんだったら空港が近い羽田-台北松山の便に
振り替えてしまう荒業だって考えられる。
そのような代替セーフティーネットの多さ?が
他の路線と比較してシートコントロールが
甘くなってくるのではないのだろうか。
例えば台北-ミュンヘン線はエバーの独占路線で
それも週4運航だ。
もしオーバーブックが発生して
「あさっての自社便に振り替えます」なんてなったら
乗客はSNSで悪評をたてるだろう。
そうならないよう、このような路線は
東京台北線と違い定員オーバーしないよう、
シートコントロールを厳しく管理しているかもしれない。
そういえば私が経験上最もインボラアップされやすい
東京-ソウル線も、各航空会社が1日に数便ずつ
運航しているような激戦区間だ。
自社便への振り替えはもちろん、最悪他社便にも
振り替えしやすいことから
シートコントロールが甘く、結果として
インボラの機会が多いのかもしれない。推測。
余談
・身なりがいい人がインボラされやすい
・締め切り時刻ギリギリにチェックインすると
インボラされやすい
・予約クラスが高い(YクラスBクラスなど)と
インボラされやすい
以上の都市伝説はエバー航空では当てはまらなかった。
私は長時間のフライトにそなえて
リラックスウェアでカウンターに行ったし、
チェックインはオンラインで早めに済ませたし、
予約クラスはVで格安すぎてANAマイルは貯まらなかった。
ま、遠足は家に帰るまでが遠足、という話です。
私は今回、往路の台北でサングラスを忘れてしまい
それを復路で回収するという展開だったのだが、
最後の最後、自宅の最寄り駅に着いたときに、
網棚に置いたカバンを見事に忘れてしまった。
まあカバンは無事で、終着駅まで取りに行ったのだが、
駅員さんって確認のためにカバンを開けて
中身を見るとは知らなかった。
成田までの飛行機内は寒い。でも成田から自宅までは暑い。
ということで成田空港で着替え、その際に脱いだ
服や下着をカバンに適当に押し込んでおいたのだが
それが人目にさらされるだなんて予想してなかった。
あの下着、駅員さんに見られたのか。。。
ほんと、家に帰るまでが遠足。
(↓前から注意欠陥な私)