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第39回 6・7月総括編「ミシンとぺぺ、ときどき人間関係」
あっという間の職訓生活であった。
独居生活ではあったがメンツのせいか毎日何かしらのストレスを感じる一ヶ月間だった。
その締めくくりは最悪なもので、訓練生の一人に前刑、食べ物の飛ばし(不正やり取り)をして仮釈取り消しになった人がいた。
前刑の話だし本人も面白がって自らネタにして話をしていたので
「何飛ばしたの?」→
「ふりかけ!」→
「何味だった?」→
「たまご!!」
のやり取りで皆んなで爆笑していたので訓練最終日の午後休憩の時に
「元気でね〜」→
「ふりかけたまご見たら思い出してね」
なんて話してたら当の本人が顔を引きつらせていたらしく(恐らくイジられすぎて)担当職員も
「聞いててあまり気持ちのいい話じゃない」
と言った。
私はそいつの顔を見ていないので本当に引きつらせていたかは謎だがはっきり言わせてもらうと
刑務所なんかでイジられるような事をやった奴が悪いし、それが嫌ならはなっから自分でネタにして言うなってハナシ。
イジられて笑い飛ばせるぐらいのメンタル持たないとそいつはもっとイジられるだけだ。
私がイジメ体質なのではなく、
それが「刑務所の空気だよなぁ」と一人しみじみ思いながら終了した5月。
6月3日、無事に元の4工に戻り生まれて初めてミシンをやり事に。
刑務所に置いてあるのは業務用ミシンで足でペダルを踏んで縫っていくのだが楽しいけどとても難しい。
ひたすら前掛けエプロン(通称ふんどし)と防水エプロンを作っていく毎日で苦戦しつつも、
不良品を一枚も出さずに班長のお墨付きを貰ってロックミシンも任せてもらえるように。
ミシンをやり始めてから時間が過ぎるのが本当にあっという間であった。
工場でやる事は決められている為、何の問題もなかったがとにかく雑居生活がストレスフル。
刑務所は常に人員を確保して生産作業を行わないといけないので出来るだけ調査・懲罰に行かせないよう
雑居には「面倒見役」と必ずトラブルを起こすであろう「問題児役」が一緒にさせられる事
が多いのだが案の定、私も問題児を任されてしまった。
Xでも度々出てくる「オバハン」だ。
一緒の部屋になるまで直接話した事なかったので周りがどれだけ「あいつヤバイ」と言ってても実感がなかったが、もう強烈だ。
歯は磨かない、石鹸で手は洗わない、使っているタオルは汗で黄ばんで白いタオルというかもはや黄色のタオル。おまけに体臭キツイ&足の水虫だ。
何より独り言が凄いのである。
テレビ付けるともうずーっとテレビに向かってぶつぶつ喋っているのだ。
自分の日記を振り返って見ても
「うるさいだけで別に怒る程ではない」なんて随分ポジティブな事が書かれているが
月日が経つ事に
「ババアうるせえ」
「ババアだるい」
「ババアにキレた」
と見事にオバハンとバトルをしている。
オバハンvsジーラビについては次回の記事に詳しく書こうと思う。
6月の出来事はもう一つイベントが。
6月28日金曜日
矯正指導日に「Paix2(ぺぺ)」が来たのだ。
いわゆる慰問コンサートだ。
豊橋は小さい刑務所なので私が知る限り慰問なんて誰も来た事なかったので驚きだった。
「ぺぺ」はプリズンコンサートでは有名なユニットだが申し訳ない事に曲は何一つ知らないので新鮮な気持ちで聞かせて頂いた。
「元気出せよ」という曲が有名で歌ってくれたが、個人的には「日本酒飲んで幸せだよね〜」みたいな歌がずっと耳に残っている。
途中で3人(まなみさんとめぐみさんの2人+ゲストのなつかさん)がステージから降りてきてタンバリンで踊り狂ってるので勢いに負けてしまい思わず笑ってしまった。
「元気出せよ」という曲で右手を大きく振ってほしいと言われたが私自身そんなキャラではないので最前列で苦笑いしていたら周りがみんな「元気出せよー!!」と拳を振りあげている…(汗)
(これはやらないとマズイ空気…?)
となりためらいがちにタイミング合わせて手を振ったら後日工場で
「ジーラビが遠慮がちに手を振ってて笑い堪えるのが大変だった(笑)」
と言われてしまった…。(汗)