第23回 2/9〜「色んな人から手紙が来た。私は果報者だ。」
2月9日金曜日。
刑務作業二日目…
最早、指の感覚がない…。(汗)
もっと上手な紙の切り方がある筈だ。
試行錯誤してみよう。
午前中の内に分類の面接に呼ばれる。
自分がこれからどういった刑務所に行ってどういった作業をするのか考慮されたり身元引受人はどうするのかの確認の面接だ。
移送先でやるのかと思っていたがまさか分類の面接をここでやるとは思わなかった。
「笠松だけは行きたくないです。」とだけ言っておいた。
面接終わった後、
「面会来てるからそのまま行くね」
ん?家族との面会は15日の筈だが…。まだ午前中だし子供達な訳がない。
来たのは誰なんだ?
と思いながら面会扉から顔を確認するとそこから見えたのは陽気な女性2人組がこちらに向かって思いきり手を振っている…。
そう、120日間の留置場生活でお世話になった
千曲警察署留置管理係の係長とA部長の姿であった。(別記※「留置の中の面白い人々」Part②参照)
私「ちょお!何しに来たんだよ!!」
係「38番さん元気にしてた!?」
A「受刑者の服ってピンクなんだね〜意外と可愛い〜」
留置にいる時に自弁を買って食べていたのだがどうやらその代金300円を一日分だけ徴収し忘れたまま私は移送されてしまったらしく経理の方で困っているとの事。
私「たった300円回収するのに高速代500円以上払ってたら割に合わないだろ。笑」
係「その通りなんだよ〜奢りたいけどね」
A「それだと便宜図っちゃうからね。笑」
最近の留置の様子を聞いたらCさんはマツゲパーマをしてお目々パッチリらしい。
私「えー何ソレ。あいつ恋でもしてんじゃねーの?笑」
A「えー!?それはないでしょ!!」
係「それはないよ!!」
仮にも女子なのに上司二人に恋心を否定されるCさん哀れ…。
結局、弁当代は現金書留で送るという事になった。妙なガールズトークであっという間に30分は終わり、バイバイした。
留置場で毎日みんなと仲良く過ごしていた120日間とはうって変わって刑務所では、
孤独との闘いなので、正直来てくれてめちゃめちゃ嬉しかったし良い気分転換になった。
しかし嬉しかったのもつかの間、裁判所から「一部執行猶予取消の請求」の書面が来てそれに同意するかしないかの回答が求められた。
もうそんなのこっちが例え異議ありって言っても認められないんだから初めからさっさと取消の書面をよこせと言いたい。
これも非常に煩わしいバビロン・システムだと思う。
そして今日は手紙が4通も届いて何事かと思ったが大雪の影響で郵便物が大渋滞しているらしい。
シスター、親友M、Dear Family、そして母と子供達からの手紙だ。
私の母は日本人ではないので、
拙いひらがなで一生懸命書いてある字を読むと心に来るものがある。
そして娘達はいつの間にか立派にひらがなが書けるようになっていた。
長女は文字が上手い。次女は絵が上手い。Dear Familyはブログの立ち上げを必死に頑張ってくれている。そしてなんと「PIMP」を差し入れてくれた!!楽しみだ。
親友M氏は
「私で良ければ死ぬまで友達」と書いてあった。
シスターは私の作品が世の中に出て沢山の助けになるようにと。
刑務所にいてこんな手紙を貰えるのは私ぐらいだけじゃないだろうか。
私は本当に果報者だ。
♢朝/みそ汁、とろろいも
♢昼/揚げ鶏肉の黒酢炒め、かき玉スープ、ごぼうサラダ
♢夕/すきやき風煮、炒り玉子、わさび菜ひたし