第36回 5/6〜5/12「仮釈放について死の宣告をされた」
5月6日月曜日。曇り。
免業日。
この連休は食べて映画見て昼寝して食べての4日間だった気がする。
唯一の心残りといえばやはりお菓子の事ぐらいだ。
あれは本当に残念だったが気持ちを切り替えてまた明日から頑張ろう。
♢朝/みそ汁(小松菜・若布)、ふりかけたまご、桜漬け
♢昼/ポークカレー、ツナサラダ、ゆで玉子、ぶどうヨーグルト
♢夕/親子丼、キャベコンスープ、シュウマイ②
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5月7日火曜日。雨のち曇り。
死の宣告をされた。
長野刑にいる時に一部執行猶予(四ヶ月)の取消しがされて(懲役二年)+(懲役四ヶ月)の二刑持ちになった。
仮釈放はまず一刑目を全部務めてから二刑目の1/3で計算される。
私の場合は四ヶ月がうしろについている為、どれだけ頑張っても四ヶ月の1/3、大体40日程度しか貰えない事になる。
だから満期上等で考えていたけど、長野刑の先生は
「そんな事はない。あなたは四ヶ月に対して付いていた11ヶ月の刑を前刑の時点で既に務めているからこの四ヶ月はもう仮釈放の対象となっている。だから腐らずに頑張れ」
と背中を押してくれたのだが、不安になったのでここの分類の先生と面談した所、
やはり四ヶ月に対しての1/3しか貰えないとはっきり言われた。
同じ刑務所で何故こうも言う事が変わるのか。
「どれだけ頑張っても最低仮釈ぐらいしか貰えないなら、この先どう頑張ったらいいか分からない」と言ったら
「例えばあなたが班長や経理作業で頑張れば刑の異動を刑務所側から検事側に申し出る場合もある。前例はないけど」
と言われた。
要するに四ヶ月の刑が前に来れば貰える仮釈は多くなるが、
それが出来るのは私を立件した検事のみ。
そしてただ工場で作業するだけでなく少なくとも経理作業や役職に付かないと刑務所側は頑張りを認めてくれず、申し出をしてくれる事はない。
必ず申し出してくれる訳でもない。
つまり刑の異動がされる可能性はゼロではないが限りなくゼロに近い。
一度は期待してしまった分、ショックでご飯も食べられない。
明日からどうすればいいのか…
今も涙が出てくるし混乱して何も考えられない。
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5月10日金曜日。晴れ。
免業日。
仮釈の件から完全に立ち直った訳ではないが、考えてもどうにもならないし、職訓に選ばれている現在、訓練拒否する訳にもいかない。
泣いても暴れても現実は変わらないのだからやるしかない。
♢朝/みそ汁(大根・油揚げ)、ふりかけわさび、紅生姜
♢昼/ハヤシ風煮、ピーナッツクリーム、チョコクリーム、さつまいものサラダ、ココア
♢夕/さけフライ②、すまし汁、バンサンスー
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5月11日土曜日。晴れ。
免業日。
昨日からの勉強疲れが中々取れず、朝読する事が出来なくて起床時間までぐっすり寝た。
刑務所に来るとつくづく思う事がある。
誰しも少しは性格が悪くなるという事だ。
みんな自分の事でいっぱいの筈なのに、目に入ったり頭の中で考えたりするのは他人の事ばかり。
心がモヤモヤするのはいつだって人の事で自分の事ではない。
私もブログに書かないだけで他をボロクソに書こうと思えば毎日でも書ける。
♢朝/みそ汁(小松菜・若布)、きな粉パック、黒豆
♢昼/焼き魚(鮭)、むらくも汁、大根ツナサラダ
♢夕/酢豚風炒め、きのこスープ、もやしナムル
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5月12日日曜日。曇り。
免業日。
今日は母の日。
母から毎週のように本の差し入れと手紙が届く。
日本語が上手でない為、たまに意思の疎通が出来てない事にもどかしい気持ちにさせられる事も多いけど
「ありがとう」
の一言では言い表せない程、感謝の気持ちで一杯だ。
こんな所にいて何もしてあげられないがとにかく毎日病気する事なく健康でいてほしい。
♢朝/みそ汁(油揚げ・若布)、ふりかけかつお、まぐろ味付フレーク
♢昼/ツナとコーンの炒めもの、カレーマカロニスープ、中華風サラダ
♢夕/ハンバーグ②、大根スープ、馬鈴薯ピリ辛炒め