第40回 8月総括編「恐ろしい人間関係…オバハンvsジーラビ」
5月の職訓が終わってまた独居から雑居に戻される事となったが、6月初めに行われた大転房にて
強烈なオバハンと部屋が一緒になり、部屋の面倒見役を任される形となってしまった。
6〜8月、とにかく私は部屋の人間関係に悩まされる事になる。
このオバハンについて軽く説明すると
「ウザイ」…この一言のみ。
まず、うるさい。
部屋のみんなが黙ってテレビを見ても、一人でテレビに向かってずっと喋っている。
「あー!この店知ってる!このママが作るご飯が安くて美味しいんだよね」
…こんな事ばかり言って本当に知ってるのか怪しいので
「じゃあこのランチ、なんぼしたん?」
「えっとね、忘れた」
「お前安いって言うてたやんけ!!」
こんな調子でとにかく変なウンチクや知ったかが凄いのである。
何回目なのかは絶対言わないが、何回も笠松刑務所に行った事がある累犯ですぐ笠松時代の話をするので
「ここは豊橋やっちゅーねん」と全然会話が噛み合わない。
初めはこの刑務所に来た時、すぐに旦那を亡くしたというので寂しくて独り言も増えたのかなと少し同情していたのだがフタを開けてみれば元々旦那にはとっくに愛想尽かされて夫婦関係は破綻していたとの事だし、
何より発言に問題がある。
自分の妹の悪口を散々言う割には面会でお金や物品の差し入れを要求する。
都合の良い時だけ身内を利用し悪くなったら嫌いだなんだ批判するその姿勢にイライラしていた。
他の受刑者を見下しバカにした言い方をするので
「お前も似たり寄ったりな事で何回も来てるくせに何様やねん」
と強く言えば少し大人しくなるが数分後には元通り。
時にはニュースで、海外の工場で火事が起こり20人以上の死者が出たと報道された際、オバハンが
「ざまぁみろ!!」
と言ったので
「言うていい事と悪い事あるやろ!!」
とデカイ声で怒ったらさすがにマズイと思ったのか一時間ぐらい大人しくなったものの
一時間が限界。
水虫の薬も言わないと塗らない、体臭もキツイので
「さっさと歯を磨いて足の拭身しろ!薬も塗れ!」
と連日のように怒る。
ムチばかりだと本人もストレスだろうと思って見たがっている心霊番組を見させてやれば
「霊は本当にいるんだよ!本当に怖いんだもん!」
とか言うので
「お前の寝顔の方が怖いわ」
とツッコむ。
マジで顔が私の3倍はあって体も4倍ぐらいあるので朝起きた時にふと隣を見ると口を大きく開けてこっち向いて寝てる…
もうそれが私からすれば怖くて仕方がない。
そしてついに私の怒りが爆発。
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