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第8回 「留置の中の面白い人々」Part②

(Part①はコチラ)
次はEさん。
実は要領が悪いタイプで職場でも少し浮いている。
私も来たばかりの時は少し心配してたが、
実はこの子のせいで私が上の人に怒られるハメになってしまい、ブチ切れた事がある。

それ以来、何となくイライラの対象となってしまったのだが、私が長野刑務所への移送が決まった時、
自分の事のように喜んで安心しきった姿を見て今までこの子を見てイライラしてた自分を恥じた。
私の事をこんなにも心配してくれていたのに私はこの子に対して何て事を思っていたのだろうと。

それから移送されるまで短い間ではあったが運動場で話す機会も増えた。
葬送のフリーレンオタク。
私はギャグマンガが好きだと言っているのにフリーレンを推してくる。(笑)

意外と不真面目なのかお喋りなのか、今どんな人が収容されていて、これから新しい人がやってくるとかの情報も私に教えてくれる。(本当かどうか知らないが)

A部長。
まだ20代だと言うのに
胸に輝く三本線の銀バッジ
そう、巡査部長である。

顔も幼いし身長も低い。が、バリバリの武道派である。
柔道をやっていたらしい。
私が留置で反則行為を起こした時も(別記「留置での反則行為と懲罰について」参照)真っ先に私を取り押さえた。
身長差20cmあるぞ…(汗)

通常、逮捕されてから検察庁に身柄を送検され、裁判所から「接見禁止」が言い渡されると手紙は出せなくなる(面会も)ものと思いがちだが、私の場合送検されたのが逮捕された翌日ではなく、翌々日だった。
そこでA部長がナイスなアドバイスをくれたのだ。

「送検されるまでは接見禁止がついてないから手紙出せるよ」…と、成る程!!

私はこの技を再逮捕された時にやった。
勾留期限が切れてる段階で接見禁止も解かれている場合が多いからだ。
周りに知らない人がいたら是非教えてあげてほしい。おかげで私はすぐに仲間たちと連絡取る事が出来た。

最後に係長。
とにかくスペックが高い。
私のご寵愛ランキング不動の1位である。
年齢も同じくらいだったので親近感があった。
周りの部下からも慕われていた。

容姿も完璧、頭も良く、キャリアもある…
しかも独身!!
私から見ても隙あらば男性職員に狙われていた。

でも、私は知っている。
彼女は少しズレている事を…。

それは再逮捕された後、昼飯に出た官弁の鯖だ。私は鯖が嫌いなので留置では鯖アレルギーと言う事にしている。(刑務所では通用しないが留置ではバレない)
いつもなら「特食」と言って別の食べ物に変わっているのだが弁当屋のミスで全部の弁当が鯖で来てしまった。

中々お昼が来ないな…
なんて思ってたら、そういう理由で係長がコンビニまで買い出し中だと。
千曲警察署は近くにコンビニがない。(車で15分程)
本当は食べれるのに申し訳ないなと思いつつも久しぶりの娑婆飯を楽しみにしていた。

パンがいいなぁなんて思いながら
「お待たせ〜!39番さん〜!美味しそうだよ〜!!」
出されたのはキムチチャーハン。

いや、もっと他にチョイスあっただろ!!
美味しそうだよ〜じゃねぇんだわ!!(汗)
と、突っ込まざるを得ない…。

一気に場内がキムチ臭くなったし、辛くて食べてても鼻水出るから何度もトイレ往復しながら(部屋にティッシュ置いておけない)
チーン!!しながら食べてまたトイレ行ってチーン!!しながら食べてヒーヒー言って大変だった。

係長曰く、
「だってキムチチャーハン美味しそうだったからさぁ〜」
それ、アンタ食べたかっただけじゃん。(笑)

お昼を食べてすぐに指紋等採る為に鑑識に回されたのだが、この話をしたら大爆笑された。
「また逮捕されたら俺が鑑識に来てやるから(笑)」って言われるぐらいには面白かったらしい。

このとおり、留置の人々は個性豊かで面白い人々が多いのだ。
千曲警察署のメンツだけかも知れないが。(笑)
(令和六年一月現在)












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