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第11回 「留置場での反則行為と懲罰について」

刑務所程ではないが、留置場にも決まり事やルールがあり、それを守らなければ〝反則行為〟と見なされ懲罰を受ける事もある。

私は120日間の長期拘留によるストレスの影響なのか、反則行為を二日連続で起こしてしまった。

何故か1/8(月)から私はイライラしておりその日は天気が悪く運動場に出る事が出来なかった為、代わりに手前にある通路に私入れて二人程、収容者が運動に出ていた。

でも狭くて、もう一人のおばあちゃんの話し声がやたらデカく頭の中に響いてきてうるさかった。
気持ち悪くなった私はブラシで髪の毛だけとかして自分の居室に戻った。それでも居室の壁は通路なのでイライラする。

黙れよ、と思った。(おばあちゃんは何も悪くない)
その日はそれ以上何もなく、1/10が子供達の誕生日な為、9日の朝手紙が出せるように必死に書いていた。 

そして1/9の朝、親と子供宛の手紙を出してお風呂に入った。お風呂からあがると職員から
「検閲に引っかかったから黒塗りするか、変えるしかない」と言われた。
検閲でいつも私の手紙にダメ出しをしてくる奴は誰だか分かってる。 

千曲警察署留置管理係課長・土屋だ。(警部)

何かと目の敵にされていて何度も場内で衝突している。
いつもの職員達に迷惑をかける訳にはいかないので黒塗りしていいと言ったが、
「ルールばっか課せてくる癖にダメ出しばっかしやがって…」って思いながらドライヤーで髪の毛乾かしてると怒りが急激に込み上げてきてしまい気がつくと、

ドライヤーをぶん投げて居室の外側に貼り付けてあったプラスチック板みたいな所を思いっきりガンっ!ガンっ!ガンっ!と殴っていた。

すぐに数人の職員が来たが、皆為す術もなくその内私はA部長に取り押さえられた。(※別記「留置の中の面白い人々Part②」参照)

プラスチック板は2枚割れていた。
拳からも血が出ていた。
もう完全にオーバーヒート状態だった。
A部長は暴れた事や備品を壊した事よりも一番に私の心を、体を心配してくれた。

その場に土屋もいたが白々しく「ここにいるの長いからなぁ〜」なんてニヤニヤしながら心配してる素振りを見せたがあれは真っ赤な演技だ。と言うか煽りに近い。

私はすかさず
「来んなやボケ!!ええ加減殺すぞお前!!」
と煽りに乗ってしまったがA部長が 
「課長、来なくて大丈夫です。後は私達で何とかなるのでもう平気です。」と、バッサリ切った為退場。
そう、土屋は部下からも嫌われていたのである。

その後、A部長とDさんと3人で運動場に行き話を聞いてもらった。
子供達に会えない辛さ。父に言いたい事も言えないもどかしさ。伝えたい事も伝えられない悔しさ。

30分以上は話したような気がする。
二人共、私の話をよく聞いてくれた。
Dさんの真っ直ぐに見つめてくる泣きそうな瞳が忘れられなかった。

一応、A部長が止めて大人しくなったと言う事で何もお咎めなしだった…
事件は翌日も起こった。

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