一夜漬けで理解する銀行業界の業界研究
① 銀行の志望動機の書き方
銀行は現代の資本主義世界でも最も重要なインフラです。
これはさまざまな媒体や学校の教科書にも書かれているようなことなので今更感あふれる情報なのですが、具体的に銀行はどのように重要なのか考えたことはありますか?
銀行の本質は「資本の流動化」です。
銀行から貸与される資金のほぼすべては、銀行利用者の「使われていない」預金です。このお金は、利用者から見れば実家の金庫にためているタンス預金のようなもので、そのお金は投資されることもなく、生活に使われることもありません。
社会は常に「お金を使うことでお金を生む」ことで経済成長し豊かになってきた歴史があるため、使われないお金というのは社会全体で見ると、経済の成長をさせる悪玉なのです。
銀行は、その本来であれば停滞するはずのお金を、血液のように社会に循環させる役割を担っているのです。
利用者のお金を預金として預かり、利用者には「いつでもお金を引き出せる」という信用を提供することで、本来であれば自分の所有物ではないお金を自由に動かせるようにしているのです。
この「いつでもお金を引き出せる」信用というのは、文字通り信用なので、積み上げることは難しいですが、壊れるのは一瞬です。そしてこの信用が崩れることで社会にどのような影響が起こるかを、日本はバブル崩壊で30年の停滞した経済と引き換えに学ぶこととなりました。
不要なお金を預かり、必要なところへ資本を集中させることで、社会の生産性を向上させること。
これこそが銀行に課せられた義務であり、この義務への従事こそが銀行マンのやりがいであり、プライドです。
しかし、ハッキリ言うと銀行はつらいビジネスです。
融資の回収は長い時間が掛り、簡単でもありません。
みなさんは1000万人に貸して、それを30年掛けて1300万円にされて返されて嬉しいですか?
途中で借り手が破産すればお金を貰えないですし、貸し倒れが起きれば銀行の存続も危ぶまれます。
また、預金を預けてもらうためにATMを設置し、アプリを運営し、預金者からも相談を受け付けて・・・信用を獲得するために多大なる労力を割かないといけません。
強力な権利を有しながら、莫大な責任とリスクを背負うのが、銀行というビジネスの面白いところです。当然、責任が伴う仕事を乗り越えた先には、ビジネスマンとしての成長があります。
② 銀行内のポジション
銀行は日本で最も採用を行う業態です。
その分、会社の中で様々なポジションがあります。
では、何故これを理解した上に就活を行うべきか?それは、今後のキャリアの為です。
銀行マンのキャリアは多岐に分かれます。
法人営業、投資銀行部門、PB(金持ちの為の金融コンサル役)、企業のCFO、経理部長、ファンド(企業の買収&売買)の社員など・・・
上記のような輝かしいキャリアを歩むためには準備をしっかりする必要があるので、入社するならしっかりキャリアを見据えてから入行するべきです。
じゃ、ポジションを見ていきましょう。
窓口業務:銀行の窓口業務です。一見簡単そうに見えますが、銀行のシステムを最も理解できる基礎ポジションで個人的には最も重要です。様々な書類の処理がわかるし、個人の財務ステータスに理解に直結するポジションです。でも、主な銀行の収益源とは言えないですね。
法人業務:個人的に、銀行の根幹ですね。企業の事業計画書・決算書を見て、審査を行い、必要な資金を供給する重要な役割です。BS,PL,CFの詳細の項目が持つ真の意味を探る重要な役割です。これが何故重要かというと、ここの活動経験をよく活かしたものが、成長できるのです。剣士に例えると、剣術が磨かれるのです。
ウェルスマネジメント業務:いいお客様が捕まれば、金持ちになれるポジションです。得率も図れます。例えば、1000億円のお客様に気に入って、運用しながら8%の収益を出せれば、独立して年に10億円の報酬が手に入ります。難しいのは、お客様の意向に応じて、債権・株式・現物など様々な金融商品に投資をしてお金を失わずに収益を確保していくことです。
投資銀行業務:証券会社と類似したサービスを提供もしますが、その部分は小さいです。主には、シンジゲートローン、プロジェクトファイナンシングなどに対応する仕事だと私は定義します。例えば、ある事業主が10兆円の金を借りようとしましょう。どんな銀行でも10兆円を貸すことは難しく(与信の観点でも駄目です)、銀行が力を集めて10兆円を貸すのですが銀行内の利子の調整・貸す金額枠を協議していくことが投資銀行部門の役割になります。また、大概の場合はこんな莫大な金額はプロジェクト単位で動くために、プロジェクトに資金を貸す(ファイナンシング)になるので専門的に事業計画書の検証にも取り組みます
金融マーケット業務:株式・債権・為替・現物などにトレーディング業務に従事する業務です。率直に、このポジションを狙う方が証券会社ではなく、銀行に来る理由は全くわからないです。ESに書く際に、このポジションを狙うのはやめましょう
企画業務:銀行も会社なので、人・物(支店、調達する預金)・情報・金の調達や分配を決める役割です。
調査業務:市場動向、 競争環境、 企業戦略などの業界リサーチを行うチームです。将来、アナリストもしくはコンサルタントを希望する方などが行けばよいポジションです。