一夜漬けで理解する食品業界の業界研究
1.飲料・食品業界の醍醐味
皆さん、いきなりですが、食品・飲料業界がなぜ大手企業になれるかご存じでしょうか。
なぜ、商品1個あたりの利益が1円以下になることもある食品会社が、単価400万円の車を売る自動車メーカーと競争ができるのか。
答えは簡単で、車を買うのは5年に1回あるかないかであるに対して、食品を買う機会は1万回以上であるためです。
でも、ここで疑問が残ります。皆さんは200円の商品を売って利益を残すことができますか?
食品は小売りで売られるために、販管費がとても高いです。例えば、値段に比べて重さや体積が大きいものが多いかつ冷やして運搬していかなければならない商品が多いため、運搬費用が高いです。
また、コンビニとかスーパーとか廃棄もよく発生するし、人件費も多額です。
販管費だけではなくて、製造原価も問題です。
日本で食品の値上がりは大ニュース、基本的にはご法度です。
商品の値段がガソリンのように相場に連動的ではなく、原価が少しでも上昇したら致命傷になるような業界です。
なので、200円で商品を製造しても8円以上利益を残すことが非常に難しいです。上記を踏まえて食品・飲料業界はかなり難しいことが多い業界なのです。
2.飲料・食品業界の業界解説
飲料・食品業界は海外に進出しない限り衰退しか期待できない状況です。
①少子高齢化による需要の減少、②健康志向による大量生産商品消費量の回避 で、そもそもの絶対的な需要量が減少していく傾向にあります。
だからこそ、日本国内ではなく、いかに海外のニーズを掴むのか?が食品業界の今後の決め手になります。
最後に、ミクロ的な観点ですが、これは割愛します。ここで全部紹介するのは無理です。ただ、以下のフレームワークで分けて分析をすればよろしいと考えます:①財閥・非財閥、②内需・外需、③加工・非加工で分けて企業を見るべきだと考えます。
3.飲料・食品業界の職種
研究職(研究開発、生産技術、食品分析、安全性試験)
開発では様々な原材料や添加物から商品の開発及び既存商品の味の改良などを行います。
研究では各種原材料の選定から基礎研究まで幅広く手掛けます。基本的に理系出身の人が多いですが、その専門分野は研究職で求められるものと必ずしも一致している必要はありません。
生産管理職(工場管理、品質管理)
工場管理では工場の生産計画の作成、実行、進捗管理、現場サポートなどを手掛けます。品質管理では細菌検査業務、各種工程の検査、従業員の衛生管理などを行います。理系の中でも機械工学系の出身の人も多いのが特徴です。
商品開発職(マーケティング)
商品開発では各種商品の開発、マーケティングを手掛けます。消費者のニーズを分析し、いかに魅力的な商品を他社よりも早く開発して市場に投下できるかがポイントです。営業の現場を何年か経てから配属されることが多いです。
営業職(販売マーケティング、広告)
営業ではスーパー、小売店などへ商品の営業と提案を行います。部署は商品ジャンル別、地域別で構成されることが多く、円滑なコミュニケーション能力が問われる仕事です。