「ことば 僕自身の訓練のためのノート」(山口一郎 著)を読んでみた。
こんにちは
イデアレコードの左川です。
サカナクションの「アルクアラウンド」のPVを初めて観たとき、曲と映像のセンスの良さにハマり何度も何度も繰り返し観ていたことを思い出した。「アルクアラウンド」は今でも好きなPVのベスト3に入る。そんな山口さんがメジャーデビュー前に自分自身のための訓練として書き綴られた詩のような短い言葉の断片たち、ということで気になって読んでみた。
2004年は自分がプランナーとしてもがいてた。
大学を卒業し、社会人生活が始まり、アシスタントとして始まったプランナーという仕事も独り立ちをしはじめたが、顧客にダメ出しをされたり、コンペに負けたり、そんな時期だった。
一方、同世代の人間である山口さんが自分自身の訓練として書き綴られた詩の一部は自分ともリンクするところがある(と勝手に感じている)。
本屋に行っては本を買い込み、一人暮らしの家で明け方まで本を読んでいた。当時は「企画」そのものに関する本は敢えて避け、建築に関する本をよく選んでいた。
本を読むことで他のやつはこんなことはやっていないだろう…と根拠のない自信を奮い起こしながら、自分自身を落ち着かせていた。
ああしていればよかった。こう言っておけばよかった。あれをやっておけばよかった。と後悔と失敗の連続であった。
だが、今思うとそのときがあったからこそ今があると感じる。
なんとなくでいろいろなものをやり過ごしていた。
なんとなく六本木で朝まで遊んで、なんとなく昼まで寝て、なんとなく映画みて、なんとなく本を読んで、なんとなくラーメン食べて、なんとなくまた月曜日が始まって…を繰り返していた。
だが、いつのまにか周りの人間は別のところに転職をしていったり、海外に移住したり…と取り残されていってしまった感にひしひしと追い詰められていった。
と勝手に自分自身を重ねてしまいましたが、
空気や雰囲気を捉えるセンスも、
うまく言語化するセンスも自分自身にはありませんでした。
とはいえ、彼が天から与えられた才能だけで生きてきたわけではなく、
毎日のように訓練をしていたというその足跡が見えただけで、
自分には嬉しい誤算でありました。
興味のある方はぜひ。