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個性を認める心のあり方・人生を楽しむマインドセット

楽天的でスボラ、決して完璧ではないと自分を語る。
大井かおりさんの生き方には、障害を持つ息子の育児を「特別なこと」ではなく「特典」と捉え、息子との今を大切にする。
究極の子育て論をお話の中から垣間見ることができました。

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■誰かのために伝えたい

大井かおりさんをSNSを通じて知ったのはおよそ4年前になる。
彼女は、企業や個人の「売れるランディングページ」を作ったり、アドバイスしたり。失礼ながら、普通のデザイナーさんだと思っていた。
半年くらい前に、手帳デザイナーとして著名な作家である本田健氏の「ありがとう手帳」のデザインをされたことを知ったばかりだ。

そんな彼女から一通のDMが届いた。
それは、彼女が出版オーディションに挑戦していること、そして小学3年生の息子が知的障がいを伴う重度自閉スペクトラム症であることを伝える長文だった。「自分の育児体験を通じて、同じ境遇の人たちに寄り添いたい」と。

出版の世界は厳しい。書店は次々と閉店し、売れる本が必ずしも良い本とは限らない。そんな中で、彼女が本を出したいと思った背景には、本田健氏の影響がある。世界を股にかけて活躍する本田氏は、多くの著者の門戸を開いてきた。「健さんのセミナーでは必ず質問コーナーがあり、それがとてもいいなと思ったんです。質問することで、話が自分ごとになる。私も専門家としてではなく、同じ立場の母親として寄り添えたら」と語る。

彼女の人生には、「障がい者を家族に持つこと」が常にあった。だからこそ、彼女の言葉にはリアルな経験が詰まっている。


■「自閉症」とわかった瞬間、スッキリした

大井さんは、幼少期から障がいをもつ家族に囲まれていた。
彼女の母の兄(伯父)は知的障害を持ち、彼女の姉も知的障害を持っている。つまり、彼女の中では障がい=スタンダード(普通)であり、彼らに対して全く偏見がなかった。
もちろん、すんなりと受け入れていたわけではない。子どもの頃、重度障害をもつ人がたくさん在籍する施設の光景は今でも鮮明に覚えている。恐怖すら感じたこともあるそうだ。

ー「これが私の家族だし、私の人生の一部なんだ」と思いながらも実際に自分の産んだ子どもが同じような障がいを持っていることがわかった時にはどうだったのか訊いてみた。

「ショックが全く無い、と言ったら語弊はあります。障がいがあるかもというような診断をうけたのは10カ月検診の時。先生が息子の名前を呼んだけど、うちの子が振り向かなかった。自分が呼ばれているんだなって認識がない状況だったんです。何かに集中しても反応がない。再検査でチェックする項目に「名前を呼んで振り返るか」という項目があって。疑問に思ったんですよ。家に帰って調べたら、疑いあり。やっぱりそこは当たり前ですけどザワつきますよね。診断が出た時、「あ、やっぱり自閉症か。やっぱりなぁ。」っていう感じになって。ま、いっか。ってなりました。自分の中ではスッキリしたという感じですよね。」

目の前の出来事を受け入れる。「スッキリした」その一言に、彼女の強さが詰まっている。


■障がいを持つ子どもの親に必要なのは「心の土台」

息子は独特な言葉を使う。「ちゅーちゅーたーちゅー」「いけたなか」。まるで宇宙語だ。
「『いけたなか』って、“イケてる田中さん”ですか?って(笑)。
単純に可愛いんです。」

子育ての中でイライラすることがあっても、彼がニヤッと笑うと「もう、お前は可愛いなぁ」と思えてしまうという。

障がい者を子に持つ親御さんにこんな言葉をかけたことはないだろうか。
「障がいは個性なだけだよ!」
「この子があなたの元に来た理由がある!」
「大丈夫!成長が遅くても気にしないで!」

彼女はこんな言葉を何度受け止めてきただろう。

「どんな言葉をかけられても、私は平気なんです。もし言葉にざわつくなら、まだ親の心が整っていない証拠。障がいのある子を受け入れるためには、親自身の心の準備が必要なんです。」

だからこそ、本のタイトルには「障害」という言葉をあえて使った。

「最近は“障がい”とひらがな表記することも多いですが、私はあえて漢字の障害にしました。この言葉に違和感を持つうちは、まだ受け入れられていないということ。親の心の状態が子どもに影響する。だから、まずは親自身が満たされることが大切なんです。」

大井さん自身、子育てだけでなく仕事や趣味(推し活)を大切にしている。「自分が満たされることが、結果的に子どもを満たすことにつながる」と語る。


■なぜ、SNSではなく本なのか

同じ経験をしている親たちに伝える方法は、SNSでもいいのでは?と疑問に思う人もいるかもしれない。しかし、彼女には明確な理由があった。

「SNSを見ていて、すごい疲弊しているママたちが集まっているコミュニティがあるんですよ。なぜSNSで発信してこなかったかのかというと、私が言ってることって綺麗事だなって。私のマインドだからできることで、今苦しんでいるその人たちにポジティブなことを言っても苦しいだけだろうと。自分が疲弊して、苦しい!ってときに、『大丈夫だよ、成長するから。』ってそれはその方からしたらもう毒でしかない。少しでも早く、心を軽くするために読んでもらえる、そういう本を書きたいと思ったんです。」

同じような状況であっても、その子とその子の親の全てを知らないと勝手なことは言えないことを知っている。同じ状況でも、人それぞれ感じ方が違う。だからこそ、本という形で、読んだ人が自分のペースで受け取れるようにしたい。

大井さんの願いは、一人でも多くの障がいを持つ子どもたちとその親が、穏やかで幸せな毎日を送ることであり、出版コンテストはそのための第一歩なのだろう。


■大井かおりさんの出版コンテスト詳細

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February 4, 2025 on the audio SNS Clubhouse.


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