Love Letter From Vietnam
突然の手紙、驚いたでしょうか?
何もかもがメールやラインで事足りる昨今、手紙をしたためるのも、いささか緊張します。
そういや、ペンを握るのも久しぶりな気がします。
今更だしご承知の通り、僕は君が好きだ。
どこが好きかと言いだしたら、きりがない。
僕がベトナムにきてから、毎週のように小競り合いをした。
そんなに僕は信用がないのだろうか?
僕は君がいなければ生きていけないことすら、君は信用していないのだろうか。
信じてほしい。
僕との未来を・・・・
だめだ・・・・
このままじゃ駄目だということはわかっているんだ。
君に手紙をしたためようと思って、君への愛を綴ろうと思っていても、心落ち着かないんだ。
原因はわかっている。
君は好きだと言ってくれるが、僕は自分の字がとても情けなくて、大嫌いだ。君への愛を綴るにつれ絶望的にそう思う。
自分の字を見つめ続けるということはとても苦痛だ。
これが一つ。
そしてもう一つ。
これが大きな理由なんだ。
先ほどから『ラブレター・フロム・カナダ』が頭の中でエンドレスでかかっているんだ。
これがどうにも落ち着かない。
サビの部分が・・・・二人の掛け合いが・・・・
エンドレスで頭の中でひびくんだ。
ラブレターなどとかしこまらずに、いつものように自然と愛を語るべきだったと後悔している。
この小汚い文章を読んで、僕と同じように君の頭の中も平尾昌晃と畑中葉子の歌声に占領されることを祈っている。
愛している。
啓介 フロム ベトナム