「資料作成が苦手」と嘆くあなたに伝えたい"原因"と"対処法"~資料アレルギーの私がなぜ克服できたのか~
「資料作成に時間がかかる」
「上司に資料チェックをお願いすると、いつも怒られる」
「せっかく時間をかけて作ったのに、よく分からない資料が完成してしまった」
こんなふうに悩んでいる人は、実はあなただけではありません。
私も昔は、資料を作るたびに上司から怒られ、もはや資料アレルギーだったので、気持ちは凄く分かります。
「資料」と聞くだけで、身震いしちゃいますよね。
ただ、資料作成は今からでも、誰でも上手くなることができます。
今回の記事では、資料作成が苦手と感じる原因と対処法について、私の体験談を元に話していきます。
はじめから順番に読むことで、
・資料とは何か
・なぜ資料が必要なのか
・多くの人が資料作成が苦手な理由
・資料作成が得意になる方法
を体系的に理解することができます。
ちなみに、昔は怒られてばかりだった私も、今は東証プライム上場企業で資料作成を専任で行い、フリーランスとして活動するまでになりました。
記事を読み終えた後に、あなたのモヤモヤが解決していたら嬉しいです。
そもそも「資料」とは
いきなりですが、そもそも「資料とは何か」考えたことはあるでしょうか?
辞書で調べると、資料とは「それを使って何事かをする、もとになるもの。特に、研究・判断の基礎にする材料。」とあります。
ビジネスシーンに置き換えると「自分の考えを相手に伝えて、判断してもらうためのもの」といえます。
例えば、「この商品を買ってほしい」という自分の考えを、資料という形でお客様に伝えることはよくあります。
つまり、「資料=判断材料」ということです。
営業資料であれば、
・商品内容
・メリット
・信頼性(会社の実績)
・使い方
など、たくさんの要素が含まれていますが、それらは全て相手が判断しやすくするためのものです。
逆に言えば、資料が分かりにくければ正しい判断はしてもらえず、あなたが伝えたいことも相手に理解されません。
ぜひ、「資料=判断材料」という考え方は、覚えておいてください。
資料が必要な本当の理由
◆なんでもかんでも資料にするのは間違い
先ほど、「資料=判断材料」とお伝えしましたが、ここで1つ注意が必要です。
私たちはつい、「なんでもかんでも資料を作らないといけない」という、”資料至上主義”に陥ってしまうことがあるからです。
例えば、あなたに部下がいるとして、口頭で話せば2~3分で終わる報告のために、2時間かけて渾身の資料を作ってきたらどう思うでしょうか。
「そんなことする人いないでしょ…」
と思われるかもしれませんが、案外やってしまっている人は多いものです。
資料は、あくまでも手段の1つであって、目的ではありません。
目的は、「自分の考えを相手に伝えて、判断してもらうこと」ですので、自分の考えが正しく伝えられるのであれば、資料はなくても問題ありません。
◆口頭だけで道を正しく伝えられますか?
ここまで読むと、
「なんだ、資料って必要ないんだ」
「だったら、あの面倒な作業もやらなくて済むのか」
と思われた方も、いるかもしれません。
しかし、結論からいうと、資料は必要です。
なぜなら、自分の考えを言葉だけで、キチンと相手に伝えるのは難しいからです。
例えば、「最寄り駅から自宅までの経路を、口頭のみで説明してください」と言われたら、どう感じるでしょうか。
きっと、多くの方がギョッとしたと思います。
説明を受けた側も、余計に頭が混乱するでしょう。
そんなことをしなくても、地図を見せて軽く説明すれば、相手は理解してくれるはずです。
◆大切なことは「イメージできるかどうか」
もう一つ、会社の会議で売上報告をするシーンを想像してみてください。
Aさん「では、Bさん。今月の売上報告をお願いします。」
Bさん「はい。商品Xは6,540,000円。商品Yは4,760,000円。商品Zは8,920,000円です。先月は、商品Xが8,400,000円。商品Yが7,220,000円。商品Zが11,320,000円でしたから、どの商品も売上が下がっている傾向にあります。特にその下がり幅が大きいのが、商品Yです。」
Aさん「・・・」
恐らく、ほとんどの方が、Aさんと同じ反応をしたのではないかと思います。
一方、こういった説明ならどうでしょうか。
Aさん「Cさん。代わりに報告をお願いできますか。」
Cさん「はい。では、こちらの資料をご覧ください。」
Cさん「ご覧の通り、全商品の売上が下がっていますが、中でも商品Yは先月比34%の売上減となっています。したがって、早急に対策が必要かと思われます。」
Aさん「おぉ。それはマズい。今すぐ、手を打とう!」
同じ事実を説明しているにも関わらず、資料を使うだけで伝わり方は全く異なります。
人が物事を理解するためには、「そのことがイメージできるかどうか」が非常に重要です。
口頭の言葉だけではなく、文章や図解、グラフ、写真などを使って、分かりやすく資料を作ることで、ストレスなく相手に理解してもらいやすくなります。
これが、資料が必要な本当の理由です。
65%もの人が資料作成を苦手な理由
これだけ重要な資料作成ですが、ある調査*によれば、65%もの人が、苦手意識を持っていることが分かります。
私も同僚から、「資料を作るのが苦手」とよく聞きます。
ただ、それもそのはず。
なぜなら、資料の構成要素は、想像以上にたくさんあるからです。
ザッと挙げてみると、こんな感じです。
いかがでしょうか。
恐らく、これだけ多くの要素が絡んでいることを、知らなかった方がほとんどだと思います。
人は、要素が多く、不明確なことに直面すると混乱してしまう性質があるため、資料を見た時点で、理由も分からず、いつの間にか混乱し、「資料=苦手」という意識になっている人が多いです。
◆資料作成が得意な人と苦手な人のたった1つの違い
とは言え、世の中には資料作成が得意な人がいるのも事実です。
では、得意な人と苦手な人の違いは何かといえば、先ほど挙げた一つ一つの要素を理解できているかどうかです。
得意な人は、意識的か無意識的かに関わらず、作成したい資料の内容を聞けば、
「ここは図解を使おう」
「配色はこれにしよう」
「構成はこの流れで」
と、瞬時にイメージすることができます。
これは、どちらかと言えば、センスよりも、経験値がものをいう世界です。
逆に言えば、だからこそ、誰でも学ぶことができるのです。
◆巷で溢れているノウハウをいきなりマネてもダメな理由
ネット上に情報が溢れている現在、資料作成のスキルを向上させる方法は、無料でいくらでも手に入れることができます。
しかし、巷に溢れているノウハウをいきなりマネたとしても、なかなか上手くいきません。
その理由は単純で、先述の通り、ひとことに資料作成と言っても、構成要素が多岐にわたるからです。
つまり、部分的にノウハウを取り入れたとしても、全体としてはバランスが取れないのです。
「じゃあ、どうすればいいんだ。。。」
と悩む方のために、最後に、資料作成が得意になる、とっておきの方法をシェアします。
資料作成が得意になる方法
冒頭でもお伝えした通り、私自身も以前は資料作成があまり得意ではなく、むしろ苦手な方でした。
資料を作るたびに上司に怒られ、一時は資料アレルギーだった時もあるほどです。
では、そんな私がなぜ、資料を作ることが得意になったのか。
振り返ってみると、その理由はたった1つです。
それは、「場数をこなす」ことです。
実際、本業で資料作成を手掛けていることもあり、これまでに3,000件以上もの資料を作ってきました。
しかも、デザインの学校で本格的に学んだわけでもなく、資料作成のメンターがいたわけでもありません。
ひたすら、現場で場数をこなしてきました。
その経験が、今のスキルに繋がっています。
「え?そんな答えが聞きたくて、ここまで読み進めたわけじゃないんだけど。。。」
安心してください。
間違っても、「3,000件の資料を作れば、経験値がたまって上手くなりますよ!」
なんてことを、言うつもりはありません。
◆上手くなりたいなら、上手い人をマネるのが一番!
では、どうすればいいのか。
それは、上手い人が実際に資料作成をする時の考え方や行動、流れを知ることです。
子どもが、自転車に乗れる人を見て、自転車に乗れるようになるのと同じです。
資料作成には、配色、レイアウト、文章、ストーリー構成など、様々な要素が絡んでいることは既に説明しました。
資料作成が上手い人は結局、これらの要素一つ一つをキチンと理解できているだけです。
ですから、上手い人が高速で処理している頭の中を見える化して、それをマネすれば誰でも資料作成が上手くなるということです。
ただ、私も調べてみたところ、資料作成の流れを事細かに紹介している情報は、ほとんどありませんでした。
しかも、得られた情報といえば、せいぜい表面的なスキルやパソコンの使い方くらいです。
◆無いのなら、作ってしまおうホトトギス
ということで、無いのなら作ってしまおうと思い立ち、私の資料作成の工程をさまざまなパターンでお伝えしていきたいと思います。
ご自身の境遇と似ているパターンを参考にし、どんな風に考えれば、上手く資料が作れるのかを理解してもらえたら嬉しいです。
気づいたら、あなたも資料作成が好きになっているかもしれません。
「こんなトピックを取り上げて欲しい!」
「このトピックの記事を早く見たい!」
というご要望を多数いただいたものに関しては、優先度を上げて執筆していくつもりです。
ですので、ぜひぜひコメントもお待ちしています。
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【参照データ】
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参考記事:https://www.hitachi-solutions.co.jp/column/tashinami/presentation/
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