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「オフィスの紹介記事」を自社サイトに掲載することが採用にプラスになる理由
オフィスは会社の顔です。
もし経営者や採用担当者が「優秀な人材を採用したい」と考えていたら、自社の公式サイトでオフィスを紹介してみてください。
なぜなら求職者は案外、勤務先のオフィスのことを気にしています。オフィスの様子がわかれば「ここで働きたい」と思ってもらえるかもしれません。
この記事では、採用を強化したい企業が自社サイトにオフィスを紹介する記事を掲載したほうがよい理由と、どのような記事を作成すればよいのか解説します。
オフィス紹介記事の目的
オフィスを紹介する記事を自社サイトに掲載する目的は、求職者の心をつかむことです。
求職者は、入社を希望する企業のサイトを閲覧します。そのときにオフィスを紹介する記事が掲載されていると、「ここに入りたい」という気持ちが強まる可能性があります。
「数字が示す」働く人にとってのオフィスの重要性
ビズヒッツという会社が2021年に行った「転職先の決め手に関する意識調査」によると、転職先に入社する決め手になったのは、1位仕事内容、2位収入、3位勤務時間、4位勤務地、そして5位が社風・雰囲気でした(*1)。
オフィスは会社の雰囲気をつくるので、転職者へのアピール度は高いといえるでしょう。
またUSENが行った「オフィス環境に関する意識調査」では、約6割の会社員が、自社の現状のオフィスに満足していない、という結果が出ました(*2)。
ビジネスパーソンにとってオフィスが、会社への不満の種にも満足の種にもなりうることがわかります。
別の調査では、就活生の9割以上がオフィス環境を重視していることがわかりました(*3)。
これらの数字は、よい人材を集めたいならオフィス環境の改善に力を入れることが有効であることを示しています。
*1:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000041309.html
*2:https://www.usen.com/news/release/2016/20161130_153.html
*3:https://www.value-press.com/pressrelease/147061
よいオフィスなら自社サイトでどんどんアピールしよう
自社サイトは、会社の重要な要素をアピールする場です。だからこそ企業は、自社サイトに自社製品を掲載したり、創業者の想いを書いたりします。
そうであるならば、自社のよいオフィスも自社サイトに紹介して、どんどんアピールしていきましょう。先ほど確認したように、オフィス環境は求職者が求人に応募するときの重要な要素だからです。
「従業員を大切にする会社」と思ってもらえる
求職者が、機能が充実したオフィスやキレイなオフィス、働きやすいオフィスをみたら、「この会社は従業員を大切にしている」と連想するでしょう。
なぜならオフィスは従業員のためのものであり、よいオフィスをつくるにはコストがかかるからです。「従業員にお金をかけてくれる会社」と思ってもらえます。
どのような記事にするか
では、どのようなオフィス紹介記事を自社サイトに掲載したらよいのでしょうか。また、経営者や採用担当者のなかには、「オフィスを新設したわけではないし、載せる価値があるのか」と感じる方もいると思います。
自社サイトに掲載するオフィス紹介記事は「ありのまま」で構いません。今、そのオフィスを使っている従業員たちが「使いやすい」と感じているところを、そのまま記事化していけばよいのです。
作業スペースが広い、会議室がある、ランチを食べる場所がある、眺めがよい、固定席だからよい、フリーアドレスだからよい、など、オフィスには必ずよい点があります。
自社サイトの担当者や採用担当者は、従業員に「うちの会社のオフィスのよいところは?」と質問をしてみてください。その答えを「そのまま」記事にして自社サイトに載せればよいのです。
オフィス紹介記事に掲載する項目
オフィス紹介記事に掲載するとよい項目は次のとおりです。
●デスク環境
●座席(固定席かフリーアドレスか)
●共有スペースや会議室
●個人用ワークスペース
●キッチンや社員食堂、休憩室
なぜこれらがアピール・ポイントになるのか、1つずつ解説します。
オフィスの全体像
オフィスの全体像はオフィス紹介記事の基本情報になります。フロアの面積、机の配置、東西南北、窓の位置、社長室の場所などを写真付きで掲載したいものです。
オフィス全体の写真は、従業員が全員いるバージョンと、従業員が1人もいないバージョンを撮るとよいでしょう。両方を自社サイトに載せることで、活気に満ちたオフィスと、静まり返ったオフィスを紹介できます。
デスク環境
デスク環境とは、オフィスの1つひとつの机の上の様子のことです。オフィスの机の上には、パソコン、モニター、ノート、筆記用具、小物などが置いてあり、もしかしたら小さなフィギュアや家族の写真があるかもしれません。
記事は「これは経理担当の○○さんの机で、趣味の□□の写真が飾られていますね」といったように、実況中継ふうにしてはいかがでしょうか。
オフィスが会社の顔だとしたら、デスクは従業員の顔です。それをみた求職者は「一緒に働くことになるかもしれない人」のことを想像するはずです。
また、「どんな椅子を使っているか」も気になるところなので、椅子の写真も掲載しましょう。
座席(固定席かフリーアドレスか)
固定席かフリーアドレスかは、求職者の関心事の1つです。少し前はフリーアドレスが流行しましたが、最近は古きよき固定席が見直され始めています。
そのため、オフィス紹介記事のなかでは、なぜ固定席を採用しているのか、または、なぜフリーアドレスに変えたのかをしっかり説明したほうがよいでしょう。
例えば「フリーアドレスを採り入れたものの、従業員から『自分の席がないと不便』という意見が挙がったので、半々にした」といった記事を書くことができると、求職者に「従業員の意見を柔軟に採り入れてくれる会社のようだ」と思ってもらえます。
共有スペースや会議室
いわゆるできるビジネスパーソンは、共有スペースや会議室を重視します。なぜなら社内コミュニケーションを充実させるにも、社外の人と綿密な打ち合わせをするにも、場所が必要になるからです。
企業によってはオフィス内にわざとデッド・スペース(普段使わない場所)を確保して、そこで従業員どうし立ち話ができるようにしています。もしそのようなスペースを設けていれば、オフィス紹介記事のなかでは「このスペースでビジネスのアイデアが生まれています」といったように記述できます。
個人用ワークスペース
オフィスに個人用ワークスペースを設置していれば、ぜひオフィス紹介記事のなかで触れてください。
リモート会議用に防音機能を備えていれば、多様な働き方を推奨している会社であることがわかります。
複数の従業員に個人用ワークスペースの活用方法を尋ねて、それをオフィス紹介記事に載せてみてください。
キッチンや社員食堂、休憩室
もし社内にキッチンや社員食堂、休憩室があればそれもオフィス紹介記事に載せてください。
オフィス近くにキッチンがあると、オフィス内で宴会をするときに、料理が得意な従業員が食事を振る舞うことができます。このような用途にキッチンを使っていることを紹介すると、和気あいあいとした雰囲気を伝えることができます。
社員食堂や休憩室は福利厚生のアピール・ポイントでもあり、求職者も反応するはずです。オフィス紹介記事に「うちの社食のラーメンは絶品です」「休憩室で仮眠を取ることができますよ」といった一文が書かれてあるだけで、求職者は親近感を持つでしょう。
オフィス紹介記事のポイント
オフィス紹介記事を作成するときのポイントとして次の4点を解説します。
●写真を交えながら紹介する
●コンセプトや想いを熱く説明する
●実際にオフィス・ツアーが実施されているかのようにエントランスから案内する
●従業員が働いている様子や、どのように使われているか説明する
写真を交えながら紹介する
写真はオフィス紹介記事のマスト・アイテムです。写真を中心に記事をつくっていってもよいでしょう。
記事のなかで何かを説明したら、必ずその写真を載せるようにしてください。写真の代わりにイラストを用いてもよいでしょう。
オフィスのイメージは「写真+文章」で湧いてきます。
コンセプトや想いを熱く説明する
オフィスづくりには経営者や担当者の想いが詰まっているはずです。
なぜ固定席にこだわるのか、なぜフリーアドレスを導入したのか、なぜ2階にオフィスを置いたのか、なぜこの机と椅子を選んだのか、なぜ全部署をワン・フロアに集めたのか、なぜ観葉植物を多く置いているのか、なぜ現代絵画を掲げているのか、なぜ従業員どうしのコミュニケーションが深まったのか――このようなこだわりをすべてオフィス紹介記事に盛り込んでみてください。
オフィスづくりのコンセプトや想いは、企業づくりのコンセプトであり、経営者の従業員への想いでもあります。
実際にオフィス・ツアーが実施されているかのようにエントランスから案内する
オフィス紹介記事は、あたかも初訪問者にオフィス・ツアーを行うかのように書いていってもよいでしょう。
記事の冒頭にエントランスの写真を配置して、「これが当社のエントランスです。右側の受付で来訪の目的を伝えてください」といった説明文を書きます。続いて「受付から来館証を受け取ったら、左側にあるエレベータで5階まで来てください」と書きます。
実際に新入社員に社内を案内するルートで説明していってください。
従業員が働いている様子や、どのように使われているか説明する
オフィスは働く場所なので、オフィス紹介記事ではその臨場感を伝えましょう。従業員が働いている様子の写真を掲載することで、求職者は自分が働くイメージを持つことができます。
またオフィスの設備をどのように使っているかも詳しく説明してみてください。例えばフリーアドレスのルールがあれば、それも紹介しましょう。
ここに注意して
オフィス紹介記事を作成して自社サイトに掲載するときの注意点を紹介します。
デスクの写真を使うときパソコン画面も確認を
デスクの上の様子はオフィス紹介記事で必ず載せたい写真の1つですが、そこにパソコンがある場合、モニターに機密事項や個人情報が映りこんでいないか確認してください。
従業員などのプライバシーに配慮する
働いている様子の写真をオフィス紹介記事に載せる場合、映っている従業員の了承を取ってください。
特に注意したいのはオフィスの全体像の写真です。この写真を撮影するときは、そこにいる人全員に「これから自社サイトに掲載する写真を撮る」ということを伝えてください。写真に入りたくない人を写さないようにしてください。
また、社外の人がそのなかにいる場合もあるので、その人が映りこまないようにしてください。
キレイな写真を撮る
オフィス紹介記事に載せる写真はプロの写真家に頼んだほうがよいでしょう。どれだけキレイなオフィスで居心地のよい空間でも、写真の照明やアングル、構図でまったく異なるイメージになってしまうからです。
リニューアルしたら記事を差し替える
オフィス紹介記事づくりは、自社サイトに掲載して終わり、にはなりません。オフィスをリニューアルしたら記事を差し替えてください。
自社サイトの製品紹介ページにもう販売していない製品を掲載しないように、昔のオフィスを自社サイトに掲載しっぱなしにしないようにしてください。
まとめ~「こんなにいい会社なんです」と伝えるために
記事の内容を箇条書きでまとめます。
●オフィスは会社の顔、採用を強化するなら自社サイトに紹介記事を載せましょう
●求職者は企業のオフィスを気にしています
●よいオフィスは「従業員を大切にする会社」を象徴します
●オフィス紹介記事には写真をたくさん載せてください
●記事のなかで、オフィスづくりの想いを存分に語ってください
いい人材は、働き方にこだわります。だからよいオフィスを求めるわけです。
求人活動の本質は「うちの会社はこんなにいいんですよ」とアピールすることにあり、オフィス紹介記事を自社サイトに掲載することはそのアピールになります。