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元アーティストが語る、シルク・ドゥ・ソレイユ、復活の兆し!

こんにちは。パフォーマーのBLACKです。

今回は、「シルク・ドゥ・ソレイユ、復活の兆し!」ということで、僕が知る限りの近況をお伝えしたいと思います。

「シルク・ドゥ・ソレイユは今も活動しているし、エンターテイメントは終わっていないよ!」という内容です!

僕とシルク・ドゥ・ソレイユの関係

初めに僕とシルク・ドゥ・ソレイユの関係についてお話しますと、僕は元アーティスト、という立場です。

2014年から2016年にかけて、KURIOSというショーに、ヨーヨーを使うアーティストとして出演していました。

僕がシルクを離れたのは2016年、自主都合での退団だったので、今回のコロナショックにより解雇された、というわけではありません。

ただ、元アーティストとして同僚たちとのつながりは今でもありますし、ショーの休演やアーティストの解雇が話題になった際も、多くの情報を耳にしていました。

そこで今回は、シルク・ドゥ・ソレイユの近況について、元アーティストである僕が、お話できる全てをお伝えしたいと思います。

シルク・ドゥ・ソレイユは消えたわけではないし、エンターテイメントの火が消えたわけでもありません。

過去にもあった、シルク・ドゥ・ソレイユについての不安視と誤解

今年の6月29日、シルク・ドゥ・ソレイユが破産申請をした、というニュースが話題となりました。

しかし皆さん、実は5年前にも、シルク・ドゥ・ソレイユに関する大きな報道があったことを覚えていらっしゃいますでしょうか。「シルク・ドゥ・ソレイユ、買収される!?」という報道です。

一部では「シルク・ドゥ・ソレイユが中国に買収され、雑技団の一部になる!?」といった誤報が飛び交っていたのですが、もちろん、全くの誤解です。

真相は、こうでした。

シルク・ドゥ・ソレイユ創業者のギー・ラリバテさんが55歳を迎えられ、後継者を探し始めたそうなのですが、お子さんたちは継ぎたくないとおっしゃったそうです。

そこで、シルク・ドゥ・ソレイユをさらに発展させてくれるパートナーとして、アメリカの投資会社に60%の株を売却することを決め、両者合意の下、中国マーケットの開拓に向け中国の投資会社にも20%の株を売却、といった流れでした。

経営難からの不本意な売却ではなく、あくまで将来を見据えた前向きな売却でした。

実際に、この後に作られた中国の常設ショーは6月3日より公演を再開しているので、当時の売却が将来的なリスクを緩和することにつながった、と言えるのではないでしょうか。

話を戻して、今回の破産申請について

破産申請をしたのは事実ですし、アーティスト達が正式に解雇されたのも事実です。

しかしこれは、シルク・ドゥ・ソレイユの終焉を意味するものではありません

ショーを開催できない間の支出を最小限に抑え、状況が落ち着いた後の復帰に向けた準備を進めるためのアクションです。

そして、「状況が落ち着いた後の復帰」についていくつかの目途が立ってきたようですので、お伝えさせていただきますね。

チケット販売が再開

実は、すでにシルク・ドゥ・ソレイユの公式サイトでは、ショーのチケット販売が再開しています

ALEGRIAでは来年の6月分から、KOOZAは来年の7月分からなど。

僕が出演していたKURIOSも、来年3月の復帰を目指しています。

もちろん、感染拡大の状況次第では、スケジュールが変更となる可能性はあると思います。

ただ間違いなく言えるのは、シルク・ドゥ・ソレイユは無くなってしまったのではなく、困難を乗り越えられると信じ、あらゆる手段を尽くしているのだ、という事です。

実際、中国でのショーは再開しているほか、メキシコの常設ショーもすでに再開しています。

各アーティスト達の独自活動

また、解雇されたアーティスト達も、この状況に適応した様々な活動を行っています。

例えば、KURIOSの同僚、ハンドバランスアーティストのAndrii Bondarenkoさんは、独自のレッスンプログラムを作り、世界中の生徒の皆さんへ逆立ちのレッスンを行っています。

(世界トップクラスのアーティストがこれだけ丁寧なレッスンをしてくれるって贅沢ですよね・・・)

会社としてのシルク・ドゥ・ソレイユだけではなく、アーティスト達もまた、この状況でどのように人の役に立つことができるか、知恵を絞り様々な挑戦をしています。

経営状況にも進展。本部の維持や、アーティスト・スタッフへの基金も

そして、会社の経営状況についても進展があり、8月18日に、カナダの投資会社を代表とする債権団が経営権を取得したそうです。

向こう5年間は、シルク・ドゥ・ソレイユの本部が引き続きモントリオールに維持されるほか、解雇されたアーティストやスタッフへの15億円を超える基金も設立されるそうで、復活への道筋が着実に見え始めていると感じます。

シルク・ドゥ・ソレイユも、エンターテイメントも、終わってはいない

もし、この動画を見ている方の中で「シルク・ドゥ・ソレイユが破産申請なんて、エンターテイメントは終わってしまうのか」と思っている方がいらっしゃいましたら、「そんなことはありません。ご安心ください」とお伝えしたいです。

僕も、大きなイベントでパフォーマンスを行う機会は減ってしまいましたが、別の形での出演依頼はいくつかいただける状況になってきました。

YouTubeでの動画発信も、今の状況に合わせた新たな活動の一つです。

これからも、皆さんに楽しんでいただける、それでいてお役に立てる情報発信・活動を行っていく所存です。

ご感想や、他にも聞いてみたいことなどありましたら、ぜひTwitterへお寄せください(フォローや記事のシェア、大歓迎です)。

https://twitter.com/officeblack

というわけで、「シルク・ドゥ・ソレイユは今も活動しているし、エンターテイメントは終わっていないよ!」という記事でした。

もちろん、エンターテイメント業界としてはダメージは大きく、楽観視できる状況ではありません。

もし皆さんが、「気分転換に何か楽しい体験でもしたいな」という気分になった時がありましたら、ぜひお好みのエンターテイメントを楽しんでみてください。

シルク・ドゥ・ソレイユに限らず、身近なライブエンターテイメントも、感染対策に万全を期して、復活しつつあります。

観客の皆さんに楽しんでいただき、人の心を豊かにすることは、エンターテイナーにとって何よりの喜びです。

体の健康はもちろん、心の健康も大事にしながら、共に進んでいきましょう!

お読みいただきありがとうございます! いただいたサポートは、パフォーマンス制作などの活動費に充てさせていただきます。