マンション問題の話題~最近の新聞記事から
先週、日経新聞の地方面の点照というコラムで編集委員の谷さんという方が老朽マンションに関しての記事を書かれていました。マンション管理組合へのご支援を業の一つと考えている筆者にとっては、興味深い記事でした。東京都がマンションの適正な管理を施す条例を制定し、施行されて1年経過したことを契機に取り上げたテーマで書かれていた。記事によれば、都がマンションの1983年以前に建てられたマンション約1万4千棟の条例で定められた届出義務の調査票を送付したところ、最初は2割しか回答がなかったという。一年いろいろな形で回収努力を重ねて7割近くの回収率にはなったとのことだが、中間集計では計画修繕ができていない建物も相当数あり、総会の開催がなかったり、管理組合もないところ2%強あるという。放置すれば管理不全に陥り、建て替もできないという。マンションは区分所有者の利害調整が難しいからこそ、区分所有法という法律を作り、管理組合という利害調整の意思決定機関を作るように仕向けてきた。しかし法律の網をかけきれなかったマンションが一定数存在することは前から認識されていたのだが、現実の姿が明らかになると、当該物件の区分所有者や現にお住まいの方は今後どうされるのかと思う反面、次の一手が難しいと記事は締めて終わっていたが、同感とと思ってしまう自分が、なさけなく思ってしまう。
現にもう何年も管理組合らしきものもないマンションに管理組合をスタートさせるのは、近所付き合いが希薄になり、コロナがさらにそれに拍車をかけそうに思うので、気が遠くなるほど難しいことだと思う。まだ、自主管理的な組織が何かしらあれば、何とかなりそうな気がするが、それすらないところは残念ながらほんとに処方箋がないと思ってしまう。