仕事のこと12.妄想、ローカルキッズ(あつまっ子)ベンチャースクール
今年は暑い、暑い夏だった。
厚真町放課後子ども教室は、夏休み、冬休みといった長期休業中、平日の活動はお休みになる。休みの間に特別教室として、より地域資源を活用した活動を例年、3~4プログラムほど実施している。
今年は、浜厚真海岸での海遊び
旧軽舞小(現埋蔵文化財発掘事務所)前で遊び場づくり
(本当は環境保全林での森遊びの予定でしたが、クマさんのお散歩情報が入ったため、急遽、活動場所を変更)
大沼野営場での素晴らしき虫の世界(虫とり)
隣町・むかわ町穂別までちょこっとお出かけしての川遊び、と夏らしい遊びを満喫。天気にも恵まれ、楽しい時間を過ごすことが出来た。
新型コロナが流行りだす前、夏休みの特別教室で展開していたのが、『あつまっ子カフェ』というプログラム。
きっかけは、ふるさと体験教室(これも特別教室のひとつ)で、地元の農家さんに協力を得て、田植え→稲刈りのプログラムをさせてもらい、手元にお米がやってきたことだった。
調理体験のプログラムも実施したが、これらのお米や、町内でとれる野菜などを使って、何か先につながるプログラムができないかしら?と考えていた。
その当時、交流を持ち始めていた商工会青年部の方と、子ども教室での活動、農家チームと農作業体験をさせてもらっていることなどを、モノの流れで話していたとき、
「じゃあ、今度は(商工会)青年部とも何か一緒に出来たらいいよね!」と、飲み会の帰り道で言われたことがある。
私はこれを本気にすることにした。
社交辞令と思わなかったわけではなく、この人たちなら熱量を持って、こういうことがしたい、と提案すればきっと受け止めてくれるだろう、という確信があったからだ。
原材料はお米。これを町内で米粉スウィーツをつくっている事業者さんに加工してもらい、子どもたちがお店を出して販売する。ほかにも厚真産の野菜や、ハスカップソーダなどが商品として並んだ。
お店といっても、ただ商品を販売するだけの売り子ではなく、厚真で商売をしている人たちから、経営について講義を受けたり、実際にお店をやっている人のもとへ行って、モノを売るための工夫を勉強したり、お店を運営するためのノウハウを知るところから始める。
講義、模擬実習を経て、役割分担、仕入れ、会場設営、販売、集計まで、子どもたちがみんなでつくるお店。
扱う商品もお金も、もちろん本物。売り上げから経費を引いた分は、給料として現金で分配される。
出店場所は、町内の高齢者福祉施設の夏祭りの一角をお借りすることが出来た。
商工会青年部には、お店の開き方講座の開設や模擬実習でのダメ出し、お金の管理を担っていただいた。
給料のニコニコ現金払いにストップがかかりそうになったり、商品のラインナップだったり、さまざま調整は大変だったけれど、高齢者福祉施設との新しいつながりづくりや、農産物から商工業へのつながり=ストーリーがうまくつながった面白いプログラムになったと思う(自分で言うのもなんだけど)
子ども教室が始まって3年目で、このあつまっ子カフェプログラムまでたどり着けたのは、よくやったなと思う(自分で言うのもなんだけど)
自分の中でも思い入れの深い、大事な、大事なプログラムになった。
コロナ禍で、各種イベントが中止を余儀なくされている状況なので、復活への道はまだ遠い。でも、またやりたいなぁ、あつまっ子カフェ。
子ども教室ではもちろん、子どもがまちづくりにかかわる仕組みづくりとしても、あつまっ子カフェプログラムは、伸びしろがあると思っている。
自分の好きなことを形=仕事にしてみる。個人商店が並ぶ商店街みたいな。
まずは、自分の内側にある"好きなこと"を掘り起こすことから始めて。ただ、ふわっとしたイメージだけでやるんじゃなく、自分の好きなこと×社会の"いいね!"につながるか、とか、自分が提供するサービスがどんな利益を生むのか、とか。
今はただの練習だけど、自分の進路を考えるときに何かヒントになるような、そんなことが出来たら。必ずしも成功体験で終わるとは限らないけれど、自分の想いを形にする楽しさが、少しでも子どもたちに伝われば。
視野を広げるチャンスになるかもしれない。選択肢が見えれば、勉強するモチベーションも上がるかも、あわよくば。
地域おこし協力体制度を活用して、起業家支援をしている厚真町だもの。ローカルキッズ(あつまっ子)ベンチャー、やってみたら面白いと思うのだ。
……はて、どうやったら出来るかなぁ。
妄想するは易し、行うは難し。むむ。でも、チャレンジする価値はある、はず。考えよう。
(町教委主催のワークショップで、こんなことが出来たらいいな企画として考えてたあつまっ子カフェ。これ、子ども教室が始まった1年目の終わりに書いたもの。概ね形になっている。ふふ)