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スイーツ戦争勃発! 部長がもたらした甘い災難
ある日、午後の会議で眠気を吹き飛ばそうとコーヒーを淹れていると、部長がニヤニヤしながら大きな紙袋を抱えて登場した。
「みんな、甘いものでも食べて頑張ろう!」
袋の中から現れたのは、地元で有名なパティスリーのケーキ。ショートケーキ、モンブラン、チョコレートムース…まるで宝石箱のようなラインナップに、社内がざわついた。
「えっ、これ全部部長のおごりですか?」と誰かが尋ねると、部長は自信満々に答えた。
「もちろんだとも。ただし…先着順だ。」
瞬間、オフィス全体が動きを止めた。誰もが自分のデスクからいかに早くケーキにたどり着けるかを計算している。そして次の瞬間、静寂を破ったのは、椅子を引く音とデスクの下から何かが転がる音だった。
真っ先に動いたのは、運動部出身の田中さん。社内一の俊足でケーキテーブルに到着。続いて、普段は物静かな経理の山本さんがまさかのスライディングでショートケーキを手に入れるという神業を披露した。
しかし、ここで事件が起こる。皆がケーキに夢中になっている隙をついて、部長の愛猫・ミミが再び登場! その小さな体で素早くテーブルに飛び乗り、真っ先にモンブランをかっさらっていったのだ。
「またお前か、ミミ!」
全員が声を上げたが、ミミは部長の椅子の上で満足げにモンブランを舐めている。部長は苦笑いを浮かべながら言った。
「猫も甘いものが好きなんだな。」
この事件をきっかけに、社内では「スイーツ争奪戦」のルールが作られることになった。
争奪戦中は椅子を投げてはいけない(田中さんにより追加)。
ケーキは1人1個まで(ミミを含む)。
部長の猫には甘いものを与えない。
忙しいオフィスライフの中で、こうしたイベントは一息つく大切な時間を与えてくれる。戦いが終わった後のケーキは、いつもより美味しく感じるものだ。
次回予告
「部長が連れてきた謎のゲスト──鳩は社内に何をもたらしたのか?」