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やっぱり女にほだされつつ、それでも捨て、でもやっぱり瀕死になり意識がなくなると気付けば、その女の元に
人々よ。
織田信長から抹殺の限りを尽くした天正伊賀の乱から時は流れ、時の天下は太閤秀吉の時代。
かつて、伊賀甲賀が入り乱れ跳梁跋扈していた時代は百地や上野のヒダリであったが、時代が下るとその子孫に移る。
下柘植次郎左衛門は爺さんになり、その弟子、葛籠重蔵、風間五平が物語の軸に。
後の世に石川五右衛門と呼ばれる男だな。
戦後、忍者が主役となる小説は昭和30年あたりの本作が初であろう。
しかし、天正期またそれ以前の忍びの世界は、平成の超ブラック企業に社畜として従事するように見えるし、戦乱の世が終わり泰平の世になると忍びの需要はなくなり、忍びとしての働き方に違和感を覚え
新たな生き方に向かうも...
この辺り社畜からの脱却をするも、ノマドライフでは結局食ってゆけず社畜に戻る姿にダブってしかたない。
とは言え、いつの世もどこの世も男と女というのは、求め方、与え方が違えど、まあ、そういうことだ、と。
この辺りは男目線での描き方だな。
重蔵のハードボイルドながら、やっぱり女にほだされつつ、それでも捨て、でもやっぱり瀕死になり意識がなくなると気付けば、その女の元に。
しかし、女の命を殺めようとするが、最後は...
さすが、司馬遼太郎作品でした。